「盗めるアート展」が2020年7月10日に開催された。その名の通り、全ての展示品の中から、1点だけ盗んで持ち帰れる展覧会である。主催はsame galleryさん。アートの世界が、長年に渡って宿敵としてきた「盗む」という行為を、敢えて認めるという超エキセントリックな試み。アートすぎる。 SNSで「盗めるアート展」の存在を知り、そのままAmazonで唐草文様の風呂敷を注文した。泥棒の恰好をして、正々堂々盗みを働くことを決めたのである。 結論から申し上げると、当日の「盗み」は、色んな意味で混とんを極めた。まさしく、日本のアートシーンに残る強烈な一日だったと思う。奇妙な一夜の泥棒道中を、まるっとお伝えする。 泥棒、日本の泥棒に決める 正面玄関から盗みを働ける貴重な機会。こんなチャンス、人生二度とこないだろう。ならば「盗みに来ました」と一発でわかる、ストレートな誠実さをもって挑みたい。 強盗、怪盗
ギャラリーh2O(京都市中京区富小路通三条上ル福長町)で3月6日、中川潤さんの個展「ふともものくに」が始まった。 「ふともも」作品と中川さん 自宅が高校の近くにあったことから、学生のスケッチをしていた中川さん。その中で、女子高生の何にも負けない強さ、とりわけ、大きく張った太ももの持つエネルギーや「無敵感」に引かれてボールペンとアクリル絵の具を使って描くようになったという。さらに、逆さにして組み合わせることで「怪物」のような造形にするなど作品は展開していった。 「毎年学生は入学するので、この太ももは永遠にあるものだと思っていた」と中川さん。しかし、そうではない可能性もあることに気付いたという。「例えば非常時を思い浮かべたとき、太ももが無敵でいられる状態は断絶してしまうこともある、今の状態が当たり前のことではないと思い当たった」 それから、群れをなしていた太ももの作品の画面は、1人となり「ふわ
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