出版50周年を迎えた今も人気を誇る絵本『ぐりとぐら』(福音館書店)。作者で児童文学者の中川李枝子さん(78)と、中川さんの作品に魅了された映画監督の宮崎駿さん(73)が2月上旬に都内で対談し、意外な過去を明かした。 * * * 宮崎:実は『ぐりとぐら』の映画化を考えたことがあります。演出家を募り、コンテを出させ、おもしろそうな人間に信頼できるアニメーターをつけ、準備班まで作った。結局うまくいかなかったんですが。 中川:短編の「たからさがし」はよくできていました。 宮崎:ええ、僕が喜んでもしょうがないんだけど(笑)。『いやいやえん』も『ぐりとぐら』 も妹の山脇百合子さんが絵を担当していますが、素晴らしいです。邪念がなくて。 中川:妹は6歳下で『いやいやえん』の絵は板チョコ1枚で描いてもらいました(笑)。『ぐりとぐら』では妹が動物園や博物館へ行き、ねずみの剥製がズラリと並ぶ標本を見せられ、