生活に困窮した場合、すべての国民には「生活保護」を受ける権利がある。ジャーナリストの樋田敦子さんは「ところが実際には、生活保護を申請したくても、窓口で追い返されるケースが後を絶たない。背景には福祉事務所職員の不勉強の問題もある」という――。 「生活保護」への根強い差別と忌避感 2021年8月、作家やユーチューバーとして活動する“メンタリスト”のDaiGo(ダイゴ)が「ホームレスの命はどうでもいい」「正直邪魔だし、プラスにならない」などと発言する動画をインターネットで配信し、生活困窮者の支援団体の関係者などから、批判の声が相次いだ。問題の動画は削除され、DaiGoはネットの配信で「無知が招いた失態だった」と謝罪した。 支援団体は「発言の根底にあるのは差別や偏見。当事者を見下すことで、差別や偏見を広げることにつながっている」と批判した。 困窮者支援を続ける知人は、連日多忙を極めていた。所持金が