平均年収443万円の暮らしとはどんなものだろうか。この30年、日本はなぜ衰退・停滞してしまったのか。 【写真】3割が年収400万円以下、途上国ニッポンの「悲しき末路」 ジャーナリスト・小林美希さんが、注目の新刊『年収443万円 安すぎる国の絶望的な生活』で多くの人に伝えたいメッセージとは? 年収200万円以下が300万人増加 私が社会人になった2000年は、バブル経済が崩壊したあとの「失われた10年」と呼ばれた時代だった。経済対策も雇用対策も、ほとんどの問題が「先送り」された。そのまま政府は安易な規制緩和で不況対策をしのぐふりをした。 そして、2008年のリーマンショックで「失われた20年」になった。官製相場のアベノミクスや外国人観光客のインバウンドで、見せかけの景気回復が訪れると、日本は、またも根本的な問題から目を背けた。今、新型コロナウイルスによる景気後退の「コロナショック」で「失われ