ファイナンシャルアドバイザリーに関する用語を分かり易く解説する「ビジネスキーワード」。本稿では「株主間契約」について概説します。 株主間契約の概要 株主間契約は、複数の株主が存在するM&Aでは一般的に株式譲渡契約と平行して準備される契約書で、各株主が契約当事者となり締結される。株式譲渡に至る交渉での合意事項など、クロージング後から有効となる株主間での取り決めを契約として文書化したものである。 上場会社を対象企業としたM&Aの場合は、一般少数株主が存在するため、少数株主保護の観点から一部の主要株主のみでの株主間契約には実務上制約が多い。一方、そもそも限られた株主のみで構成される非上場会社においては、関連法規制に則れば、自由に株主間の合意に基づいて契約を締結することができる。 投資実行当初は、さほど気にならない「細かいルールの文書化」とも思えるが、有事の際の備えとなるのが株主間契約である。ここ