私的な印象だが、以前から一時期の『ヤングサンデー』みたいな作風だな、と思っていた吉沢潤一なので、『ヤングサンデー』を吸収した『ビッグコミックスピリッツ』に活動の場を移してもさほど違和感はないだろう、と踏んでいたし、ヤンキイッシュ(あるいはDQN的)なリアリティを横溢させていたはずの物語がどうしてか、所謂セカイ系を彷彿とさせるスケールの抽象性へ突入していき、唐突に日常そのものが改編されてしまったかのような結末を迎えるという手順は、この『ギャル男vs宇宙人』も過去作と同様である。 確かにこれまでとは違い、地方都市ではなく、大都会の渋谷を舞台としていたり、題名に示されているギミック、エイリアンとの対決が加えられていたり、新しい要素を付け足してはいるものの、異なった価値観の衝突を暴力の渦として描写し、描写のリミットをほとんど解除してしまうことでB級映画にも似た独特のテンションを得ているところなど、