田母神論文 もはや旧聞になりつつありますが、田母神元航空自衛隊幕僚長の「日本は侵略国家であったのか」という論文が、政府見解と異なっているのということが問題になりました。 当の論文はアパマンホテルを経営するアパグループの懸賞論文で一席、300万円を獲得したものなのですが、論文の主張が、政府見解と一致しているかどうか、あるいはイデオロギー的に右寄りかどうかなどとは別に、そもそも「論」として体をなしているかどうかも検証する価値はあるでしょう。 もちろん、論文とはいうものの、本当の学術論文ではないので、正確な引用文献の提示など、厳密性を求める必要はありませんが、航空自衛隊という専門集団の長として、意見を世に問うているわけですから、本来一定の水準に達していると期待するのは普通でしょう。 しかし結論を言えば、「論文」の中身は、伝聞、思い込み、飛躍のオンパレードです。これでは思想性以前に自衛隊高官の教養