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読書感想に関するneputaのブックマーク (36)

  • 『くらしのアナキズム』 松村圭一郎【読書感想・備忘録】

    『くらしのアナキズム』を読むキッカケ わたしのようなバカでのほほんと生きているようなヤツでも、長いこと人間をやっていると思うのである。 人生とは何か、社会とは何か、なぜこんなにも生きづらいそうな人が溢れているのか、と。 しかし無い知性をいくらふり絞っても出てくるのは「人類は生まれながらにしてドMだから?」など身もふたもない答えぐらいだ。 あるていど知識があれば自ら頭をひねるのも価値あること だが空っぽのやつがまずやるべきは知識を入れることだ。 賢者たちに学ぼう。 立て続けに「テロリズム」「リアリズム」「アナキズム」と、「ズム」なを読みあさった 『令和元年のテロリズム』(磯部 涼) 『資主義リアリズム』(マーク フィッシャー) 『くらしのアナキズム』(松村圭一郎) 『令和元年のテロリズム』は先の参院選で起きた銃撃事件がキッカケで、生きづらさを抱えた人が行きつく究極なひとつのカタチとしてタ

    『くらしのアナキズム』 松村圭一郎【読書感想・備忘録】
    neputa
    neputa 2022/10/02
    今年読んだ書籍でいちばん楽しく学びの多い時間を過ごせた一冊。次は引用文献を読みあさってみたい。
  • 『我らが少女A』 高村薫 ~現実を飛び越えてしまった警察ミステリの傑作~ 【読書感想・あらすじ】

    高村作品への愛 みなさん、一番好きな日の作家さんは誰ですか? はい、「高村薫」ですね。 高村作品の感想を書くたびに自分語りをするのだが、今回もまた懲りずに書く。 なぜなら高村作品は私が初めて自覚的に読んだ小説であり、その後の青春時代、社会人になってからも読み続けてきた作家の一人。よって思い入れが半端ない。 作品ごとにその時々の思い出がギッシリと詰まっている。 20代までは新作が出ると休日に向け万全のコンディションを整える。そして、ひと晩かけて一気に没入読破。休日は真っ白な抜け殻になるスタイルで高村作品を満喫していた。 しかし30代以降は体力の低下にともない、休み明けに著しい影響をおよぼすようになった。さすがに少しずつ読むスタイルへと断腸の思いで移行した。 高村作品の魅力その1 高村作品の特徴はいろいろあるけれど、まずは入念の調査、取材、にもとづくリアリティ溢れる描写力。 デビュー作品「黄

    『我らが少女A』 高村薫 ~現実を飛び越えてしまった警察ミステリの傑作~ 【読書感想・あらすじ】
  • 『英国諜報員アシェンデン』 サマセット・モーム ~実体験に基づく英国諜報員の物語~ 【読書感想・あらすじ】

    時はロシア革命と第一次世界大戦の最中。英国のスパイであるアシェンデンは上司Rからの密命を帯び、中立国スイスを拠点としてヨーロッパ各国を渡り歩いている。一癖も二癖もあるメキシコやギリシア、インドなどの諜報員や工作員と接触しつつアシェンデンが目撃した、愛と裏切りと革命の日々。そしてその果てにある人間の真実――。諜報員として活躍したモームによるスパイ小説の先駆けにして金字塔。 『英国諜報員アシェンデン』の読みどころ 著者自身の体験をもとにした、第一次大戦下の英国諜報員の物語。 作家兼スパイという特殊な人物による人間観察が秀逸。 戦争という究極的な状況下でも、合理的に振る舞うことのない人間のおかしさをユーモアを交えて描き出している。 「人間」を描いたスパイ小説 あらすじのとおり、第一次世界大戦の真っ最中であるヨーロッパを舞台としたスパイ小説である。出版は1928年。 とは言いつつも、緊張感に満ちた

    『英国諜報員アシェンデン』 サマセット・モーム ~実体験に基づく英国諜報員の物語~ 【読書感想・あらすじ】
    neputa
    neputa 2018/08/30
    著者自身の体験に基づく第一次大戦下における英国諜報員の物語。究極的な状況下における人間の非合理な振る舞いをユーモアを交え描く。 矛盾を矛盾なく内包する、人間とはなんと魅力的な生き物であるか。
  • 『その犬の歩むところ』 ボストン・テラン 【読書感想・あらすじ】

    ギヴ。それがその犬の名だ。彼は檻をい破り、傷だらけで、たったひとり山道を歩いていた。彼はどこから来たのか。何を見てきたのか……。この世界の罪と悲しみに立ち向かった男たち女たちと、そこに静かに寄り添っていた気高い犬の物語。『音もなく少女は』『神は銃弾』の名匠が犬への愛をこめて描く唯一無二の長編小説。 読みどころ 現代のアメリカを舞台に壮絶な旅を続けてきた犬、そして彼と関わりを持った人間たちの物語。 美しくそして力強い表現の数々は、この旅物語を深みのある文学作品へと昇華させている。 わたしたち人間が歩んできた歴史には常に犬の存在があり、過ちを繰り返すわたしたちは、たびたび犬たちから学ばなければならないと、大きな気づきをもたらしてくれる作品。 美しいアメリカ文学 現代のアメリカを舞台にタイトルのとおり、「GIV(ギヴ)」という名の犬がたどった長い旅の話。そして犬と人間の関係性を綴った物語でもあ

    『その犬の歩むところ』 ボストン・テラン 【読書感想・あらすじ】
    neputa
    neputa 2018/07/22
    この上なく美しい作品だった。現代のアメリカを舞台に描かれたこの作品は、昨今、世界中で不寛容に振る舞うわたしたちに大切なことを気づかせてくれる。
  • 『家守綺譚』 梨木香歩 【読書感想・あらすじ】

    庭・池・電燈付二階屋。汽車駅・銭湯近接。四季折々、草・花・鳥・獣・仔竜・小鬼・河童・人魚・竹精・桜鬼・聖母・亡友等々々出没数多……書は、百年まえ、天地自然の「気」たちと、文明の進歩とやらに今ひとつ棹さしかねてる新米精神労働者の「私」=綿貫征四郎と、庭つき池つき電燈つき二階屋との、のびやかな交歓の記録である。――綿貫征四郎の随筆「烏歛苺記」を巻末に収録。 読みどころ 古い二階家の家守を託された駆け出しの物書き「綿貫征四郎」が送る、奇妙奇天烈な日常劇。 毎日のように「もののけ」の類と邂逅する非日常的日常が、自然と受け入れられてしまう、なんとも趣深い文章が特徴的。 日語で味わう「読む自然の美しさ」とも言うべき、植物の名を冠した28編からなる物語。 日常のすぐ隣にある非日常 目まぐるしい毎日の傍らに、確かに存在するものの、見過ごしてしまう世界がある。 ビルばかりの都会においても自然の姿はわずか

    『家守綺譚』 梨木香歩 【読書感想・あらすじ】
    neputa
    neputa 2018/05/21
    古家の家守を任された物書きが綴る綺譚集。「日本語による、読んで楽しむ、日本の美しい自然」といった具合で、美しき幻想世界に酔いしれました。
  • 『神の火』 高村薫 【読書感想・あらすじ】

    原発技術者だったかつて、極秘情報をソヴィエトに流していた島田。謀略の日々に決別し、全てを捨て平穏な日々を選んだ彼は、己をスパイに仕立てた男と再会した時から、幼馴染の日野と共に、謎に包まれた原発襲撃プラン〈トロイ計画〉を巡る、苛烈な諜報戦に巻き込まれることになった……。国際政治の激流に翻弄される男達の熱いドラマ。全面改稿、加筆400枚による文庫化! 読みどころ 90年代の冷戦末期、原子力発電所を巡る諜報ミステリをベースに、男達の愛と魂の救済を描いた長編作。 20世紀半ばに誕生し21世紀の今は縮小・廃絶が叫ばれる原子力技術とは何であるか?時代の転換期に大きな命題に迫ったその内容は、21世紀に入った今こそ振り返る価値は大きい。 緻密な描写と美しい感情描写、ラストは行間に火花がほとばしる勢いを感じる。 再読のキッカケ 東日大震災から7年が経過した。3月に入ってから、愛用している「読書メーター」の

    『神の火』 高村薫 【読書感想・あらすじ】
    neputa
    neputa 2018/03/23
    90年代の冷戦末期、原子力発電所を巡る諜報ミステリをベースに、男達の限りなく性愛に近い美しき愛と、魂の救済を描いた長編作。緻密な描写と美しい感情描写、ラストの行間には火花がほとばしる。
  • 『無痛』 久坂部羊 【読書感想・あらすじ】

    神戸の住宅地での一家四人殺害事件。惨たらしい現場から犯人の人格障害の疑いは濃厚だった。凶器のハンマー、Sサイズの帽子、LLの跡他、遺留品は多かったが、警察は犯人像を絞れない。八カ月後、精神障害児童施設の十四歳の少女が自分が犯人だと告白した、が……。外見だけで症状が完璧にわかる驚異の医師・為頼が連続殺人鬼を追いつめる。 読みどころ 刑法第39条や先天性無痛症など現実にリンクする要素と、医学的知見に基づいた観察により犯罪を予見する医師というフィクションによる医療ミステリ長編。 一家殺人、通り魔、ストーカー、誘拐、人体解剖、人体実験、無認可治験など、これでもかと言わんばかりに詰め込まれた現代を表す犯罪の数々が生々しく描写されている。 フィクションという手法で、社会を守る刑法や医療の矛盾を突く実験的なストーリーでもある。 おもな登場人物 為頼英介 …鋭い診断能力により患者の予後のみならず犯罪因子

    『無痛』 久坂部羊 【読書感想・あらすじ】
    neputa
    neputa 2017/12/02
    無痛症、刑法39条といった現実にリンクする世界と、医学的知見にもとづく観察で犯罪の因子を予見する医師というフィクションにより構成された医療ミステリ。切り口や設定が興味深かったが物足りなさも残る。
  • 『ワイルド・ソウル』 垣根涼介 【読書感想・あらすじ】

    『ワイルド・ソウル』あらすじ その地に着いた時から、地獄が始まった ――。1961年、日政府の募集でブラジルに渡った衛藤。だが入植地は密林で、移民らは病で次々と命を落とした。絶望と貧困の長い放浪生活の末、身を立てた衛藤はかつての入植地に戻る。そこには仲間の幼い息子、ケイが一人残されていた。そして現代の東京。ケイと仲間たちは、政府の裏切りへの復讐計画を実行に移す! 歴史の闇を暴く傑作小説。 読みどころ 戦後日推し進めた南米への移民政策。未開のジャングルで多くの命が失われた、実際の史実をもとにしたハードボイルドストーリー。 南米出身の日系人がなぜ多いか。その歴史的背景をリアリティ溢れる描写で表現し、多くの学びを得ることができる作品でもある。 重々しい過去の遺恨、国家社会と人間といった重厚なテーマと、爽快で痺れるハードボイルドテイスト満載の復讐劇が見事に融合している。読み応えある長編作。

    『ワイルド・ソウル』 垣根涼介 【読書感想・あらすじ】
    neputa
    neputa 2017/11/28
    60年代に日本政府が推し進めた南米への移民政策に端を発した復讐劇。棄民とされた者たちが雄叫ぶ魂の咆哮に胸を揺さぶられる作品だった。
  • 『すじぼり』 福澤徹三 【読書感想・あらすじ】

    ひょんなことからヤクザの組事務所に出入りすることとなった大学生の亮。そこは個性豊かな面々がとぐろをまく強烈な世界だった。就職先もなく、将来が見えないことに苛立ちを感じていた亮は、アウトローの男たちに少しずつ心ひかれていく。しかし、時代に取り残された昔ながらの組には、最大の危機が訪れようとしていた。人生をドロップアウトしかけた青年の一夏の熱くたぎる成長ドラマを描いた第10回大藪春彦賞受賞作。 読みどころ 任侠、ホラー作品などで活躍する著者のデビュー作。大藪春彦賞受賞作品。 自身の故郷「北九州」を舞台に極道の男たちに巻き込まれながら成長していく少年の青春活劇。 作単体ではやや物足りなさもあるが、後の作品につながる原点として読むと興味深い。 青春時代の終わりに向かって駆け抜けるストーリー 主人公は「滝川亮」。 大学生活も終わりが近いが就職先は決まらない。恋をし将来への不安を抱くもなにもできやし

    『すじぼり』 福澤徹三 【読書感想・あらすじ】
    neputa
    neputa 2017/11/12
    先日読んだ「Iターン」の著者のデビュー作。極道の方々に巻き込まれるも貴重な体験を得て成長していく大学生の青春ストーリー。語るのはヤクザの方々だが様々な示唆に富む作品だった。
  • 『Iターン』 福澤徹三 【読書感想・あらすじ】

    広告代理店の冴えない営業マン・狛江が単身赴任したのは、リストラ対象の北九州支店。思わぬトラブルでやくざに絡まれ、大借金のうえ身売りの大ピンチに。鉄拳の雨と禁断のレバ刺し、爆弾を抱えたダイ・ハードな日常。生き地獄に陥った男のI(=自分)ターンとは!? 血圧上昇、リーマン・ノワールの傑作! 解説・木内昇 読みどころ 暴力・恐喝なんでもござれの修羅の国「北九州」。この町の真実がいま明かされる。 会社では同期入社の上司にいいように使われ家庭ではATM扱い。悲哀に満ちた中年サラリーマンが主人公。 極道と堅気、実際にあこぎなのはどっち?などいろいろ考えさせられる人間模様。仁義をとおす中年リーマンによる痛快逆転劇。 リーマンはつらいよ 主人公は「狛江」というサラリーマン。2人の子供とがいる。 絶賛下降気味の広告代理店で働く彼の肩には住宅ローンと養育費が重くのしかかる。 会社の上司(副社長の娘との結婚

    『Iターン』 福澤徹三 【読書感想・あらすじ】
    neputa
    neputa 2017/11/08
    同期入社の上司にこき使われ家庭ではATM扱い。悲哀たっぷりのサラリーマンが北九州の町で巻き起こす痛快逆転劇。最後に筋を通した者たちを称賛する物語構成もまたよし。久々にスカッとする気持ちの良い作品。
  • 『起終点駅 ターミナル』 桜木紫乃 【読書感想・あらすじ】

    出版年で見ると作は『ホテルローヤル』『誰もいない夜に咲く』の前となる作品だが、その物語としての完成度はもっとも高い印象を受けた。 著者の作品は総じてページを多く消費するものではなく、比較的短い物語の中で話の核となる部分を濃密に描き出す作品が多い。 余計なものを削ぎ落して作り上げられた作品といった印象である。 作ではその部分がとりわけ研ぎ澄まされているように感じ、深く心の奥へと突き刺さった。 6編の目次は以下のとおりである。 かたちのないもの 海鳥の行方 起終点駅(ターミナル) スクラップ・ロード たたかいにやぶれて咲けよ 潮風(かぜ)の家 とりわけ作の各編には根無し草のような血縁といった意味合いにおける孤独な人々が多く登場する。 といっても孤独な人生を描くのではなく、これまで読んだ作品と同じように人と人との関係性が印象深い作品となっている。 帯の折り返しに著者の言葉として以下の言葉が

    『起終点駅 ターミナル』 桜木紫乃 【読書感想・あらすじ】
    neputa
    neputa 2017/11/04
    孤独感が強い人生を強いられてきた人ほど数少ない縁を深く大切にするのかもしれない。言葉を研ぎ澄まし文章を削り短い作品で濃密な物語を紡ぐ桜木紫乃作品は今回も素晴らしかった。
  • 『推定無罪』 スコット・トゥロー 【読書感想・あらすじ】

    アメリカ中部の大都市、地方検事を選ぶ選挙戦のさなかに、美人検事補が自宅で全裸の絞殺死体となって発見された。変質者によるレイプか、怨みが動機か、捜査に乗りだしたサビッチ主席検事補は、実は被害者と愛人関係にあった間柄、容疑が次第に自分に向けられてくるのを知って驚く――現職検事補による世界的ベストセラー!。 読みどころ 法定を舞台に検察と弁護側が繰り広げる答弁が熱い裁判ミステリ。 司法に携わる人々の人間模様とその舞台裏を現職検事が丹念に描いた読み応えある作品。 冷徹に事実のみの積み重ねを要求する「法」と矛盾に満ちた「人間」の対比が浮き彫りになる。 上下巻の大半を占める法定でのやり取り 現実における事実とは異なるとの印象が強いが、刑事罰において以下のような原則がある。 「刑事裁判で、証拠に基づいて有罪を宣告されるまで、被告人は無罪と推定されるべきであるということ。疑わしきは罰せずを原則とする。」

    『推定無罪』 スコット・トゥロー 【読書感想・あらすじ】
    neputa
    neputa 2017/10/30
    80年代アメリカ都市部における司法世界を舞台にした作品。しびれるような裁判劇と犯人をめぐるミステリ、そして法とは人間とは何かと考えさせられる人間ドラマが見事に一つの物語として完結する作品。
  • 『憲法への招待 新版』 渋谷秀樹 【読書感想・あらすじ】

    内容 「憲法は私たちが守らなくてはならないものか」「憲法改正手続を定める憲法九六条は改正できるか」「日の上空を通過する他国を攻撃するミサイルを撃ち落とすことは合憲か」など、24の問いに答えながら、日国憲法の思想と骨格を平明に解説。社会問題となっている事象と憲法との関係をときほぐす、市民のための憲法入門。 読みどころ とっつきにくい「憲法」について身近なできごとに絡めてわかりやすい文章で教えてくれる。 憲法の成り立ちをふり返りなぜ人類は人権や福祉といった思想を持つに至ったかがわかる。 ニュースで「憲法改正」の話を耳にするようになった昨今、(私のように)ついていけない人にぴったりの入門良書。 書を読むキッカケ 普段身近に感じることが少なく知る機会もなかなかない「日国憲法」。 学生時代にしっかりと教わった記憶もなく、何かの機会にかなり努力をしないと一向にわからないモノとして認識していた。

    『憲法への招待 新版』 渋谷秀樹 【読書感想・あらすじ】
    neputa
    neputa 2017/10/24
    選挙のたびに何かしら学ぼうとふだん手に取らないような本を読んでいます。人類が憲法をつくりあげた経緯を振り返り、普段の身近なこととの関係性などを例に挙げながら、わかりやすい文章で語ってくれる一冊でした。
  • 『ホテルローヤル』 桜木紫乃 【読書感想・あらすじ】

    北国の湿原を背にするラブホテル。生活に定年や倦怠を感じる男と女は”非日常”を求めてその扉を開く――。恋人から投稿ヌード写真の撮影に誘われた女性事務員。貧乏寺の維持のために檀家たちと肌を重ねる住職の。アダルト玩具会社の社員とホテル経営者の娘。ささやかな昂揚の後、彼らは安らぎと寂しさを手に、部屋を出ていく。人生の一瞬の煌きを鮮やかに描く全7編。第149回直木賞受賞作。 読みどころ 北海道釧路市出身の作家が故郷を舞台に書き上げた7編の短編集。直木賞受賞作品。 タイトル「ホテルローヤル」というラブホテルを中心につながりを持つ連作でもある構成が物語により深みを与えている。 著者は決して楽ではない人生を送る人々をありのままに描くのだがその眼差しには包み込むような温かさを感じる。 連作を構成する7編の物語、その中心にあるのは 北海道釧路の町を舞台にした7編の短編集。 廃墟となったラブホテルでヌード写真

    『ホテルローヤル』 桜木紫乃 【読書感想・あらすじ】
    neputa
    neputa 2017/10/02
    北国の寂れゆく町のとあるラブホテルにまつわる7編の物語。著者は決して楽ではない人々の人生をありのままに描くがその視線には常に温かみを感じる。
  • 『誰もいない夜に咲く』 桜木紫乃 【読書感想・あらすじ】

    親から継いだ牧場で黙々と牛の世話をする秀一は、三十歳になるまで女を抱いたことがない。そんな彼が、嫁来い運動で中国から迎え入れた花海とかよわす、言葉にならない想いとは――。(「波に咲く」)寄せては返す波のような欲望にいっとき身を任せ、どうしようもない淋しさを封じ込めようとする男と女。安らぎを切望しながら寄るべなくさまよう孤独な魂のありようを、北海道の風景に託して叙情豊かに謳いあげる。解説・川三郎 読みどころ 北海道を舞台にさまざまな人生を送る男女を描いた7編の短編小説。いずれも深く心に染みわたる美しい文章が心を満たしてくれる。 これから一歩踏み出そうとする人の背中を押してくれる作品集とも言える。 みな決して強くはないし成功もないが、敗者などはいない。すべての人への人生賛歌のようにも読める心温まるストーリー多数。 桜木紫乃作品、2作目 今年の春に『ラブレス』という作品を読んだ。 苦しい時代を

    『誰もいない夜に咲く』 桜木紫乃 【読書感想・あらすじ】
    neputa
    neputa 2017/09/28
    以前読んだ「ラブレス」という作品が素晴らしく手にとってみたがやはり良かった。北海道の地を舞台に様々な人生模様を描いた短編集。
  • 『老人と海』 ヘミングウェイ 【読書感想・あらすじ】

    キューバの老漁夫サンチャゴは、長い不漁にもめげず、小舟に乗り、たった一人で出漁する。残りわずかな餌に想像を絶する巨大なカジキマグロがかかった。四日にわたる死闘ののち老人は勝ったが、帰途サメに襲われ、舟にくくりつけた獲物はみるみるいちぎられてゆく……。徹底した外面描写を用い、大漁を相手に雄々しく闘う老人の姿を通して自然の厳粛さと人間の勇気を謳う名作。 読みどころ アメリカを代表する作家の一人ヘミングウェイが最期に残した名作。 半世紀以上前の作品とは感じさせない瑞々しさをたたえておりまた長く読まれる名作としての力強さもある。。 老人による一度の漁で人生や自然界の縮図を感じさせてしまう文章に圧倒される。 Don't think, just read it. 作品がすべてでありこれ以上でも以下でもない。 いまさら何かを述べる必要なんてない。 そんな気持ちになった作品だったよ、ということで最小限の

    『老人と海』 ヘミングウェイ 【読書感想・あらすじ】
    neputa
    neputa 2017/09/21
    四日間にわたる老人の漁はまるで人の一生をあらわすようであり豊かで残酷な自然界の営みを教えてくれるものでもあった。
  • 『迷宮』 中村文則 【読書感想・あらすじ】

    胎児のように手足を丸め横たわる全裸の女。周囲には赤、白、黃、色鮮やかな無数の折鶴が螺旋を描く ――。都内で発生した一家惨殺事件。現場っは密室。唯一生き残った少女は、睡眠薬で昏睡状態だった。事件は迷宮入りし「折鶴事件」と呼ばれるようになる。時を経て成長した遺児が深層を口にするとき、深く沈められていたはずの狂気が人を闇に引き摺り込む。善悪が混濁する衝撃の長編。 ※ネタバレあり 読みどころ ある女性との出会いをきっかけに、過去の未解決事件にはまり込んでいく男を描いたミステリ仕立ての文学作品。 内面に暗部を抱え、そんな自分を始末してほしいと願う者たちを惹きつける不思議な魅力を秘めた事件と、それに引き込まれる青年の葛藤を描いている。 さまざまな意味にとれるタイトルの「迷宮」という言葉を巡り、深く読み込むと楽しめる。 主人公について 「新見」という青年。冒頭、子供時代の記憶であろう。医師?のような男に

    『迷宮』 中村文則 【読書感想・あらすじ】
    neputa
    neputa 2017/09/18
    読みました。
  • 『月と六ペンス』 サマセット・モーム著【読書感想・あらすじ】

    ある夕会で出会った、冴えない男ストリックランド。ロンドンで、仕事、家庭と何不自由ない暮らしを送っていた彼がある日、忽然と行方をくらませたという。パリで再会した彼の口から真相を聞いたとき、私は耳を疑った。四十を過ぎた男が、すべてを捨てて挑んだことは――。ある天才画家の情熱の生涯を描き、正気と狂気が混在する人間の質に迫る、歴史的大ベストセラーの新訳。 月と六ペンスの読みどころ 100年前の英国におけるベストセラーだが古めかしさを感じさせない普遍的な作品テーマとごく身近な物語に感じさせる人物描写、翻訳の力が光る逸品。 英国での安定した暮らしと家族を捨て絵を描くためにフランス、タヒチを渡り歩いた天才画家の人生を辿る物語。 社会が作り出す理性や合理性に基づいたルール・価値観とその身に矛盾を併せもつ人間との関係性を一人の画家の人生を通じ力強くそして美しい文章で描き出している。 普遍的テーマを描いた

    『月と六ペンス』 サマセット・モーム著【読書感想・あらすじ】
    neputa
    neputa 2017/08/26
    ある日突然、仕事も家族も捨て画家になる人生を目指した男の物語を読みました。
  • 『長く素晴らしく憂鬱な一日』 椎名誠 【読書感想・あらすじ】

    仕事場から見える「新宿」は、不気味だ。地下鉄駅に佇む「夕子」。蛇をポケットにしのばせる詩人。スピーカーを背中にしょって説教する男。そしてぬめぬめの「新宿シルクロード」を酒場に向かって無気力に旅する男たち―。「新宿」という街は、それら孤独や喧噪や疲労をものみ込んで、また立派な朝を迎えていく。虚実の間を鋭くかつ緩やかに描く現代の「都会の憂」。椎名文学の一つの核ともいえる異色小説。 読みどころ 大都会「新宿」を独特な文章で奇妙奇怪に描き出すエッセイのような私小説のような一作。 豪快に世界中を駆け巡り大自然と冒険とビールが似合う男「椎名誠」のあまり知られていない一面に触れることができる。 うまいことハマれる人にとっては脳を激しく刺激する不思議なおクスリ効果があるかも。 ゆれる一人称の男の一日 作を一言で言い表すならば「私小説」と言いたいところだがいまいちしっくりこない。 エッセイのようなだけど

    『長く素晴らしく憂鬱な一日』 椎名誠 【読書感想・あらすじ】
    neputa
    neputa 2017/08/06
    長年愛読している変な小説について書きました。
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    neputa
    neputa 2017/07/29
    今日帰ったら聞いてみよう。そして読みやすいわかりやすい文章だ。