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ブックマーク / synodos.jp (60)

  • 肉食と環境保護――非菜食主義の環境倫理学者が言えること / 熊坂元大 / 環境倫理学 | SYNODOS -シノドス-

    記事のタイトルには、環境倫理学という言葉が含まれている。環境倫理学を専門にする者としては肩身が狭いのだが、環境と倫理というそれぞれの言葉は理解できるにしても、環境倫理学という学問が何をするものなのかはよくわからない、という人は多いのではないだろうか。 簡たんに言えば、自然環境に関連する倫理的問題を扱うのだが、具体的な研究テーマをひとつあげれば、たとえば自然利用の利益と負担の分配の不公正(環境正義)がある。このなかでさらに、都市部と農村部のあいだの不公正、先進国と途上国のあいだの不公正、現在世代と将来世代のあいだの不公正など、さまざまな課題が考えられる。 これらの課題は、すべて自然を介した人間同士の関係における倫理的問題であるが、そこで考慮の対象となっていない問題もある。それは人間以外の存在、すなわち自然との関係における倫理的問題である。 私たちのほとんどは、自分に都合が良いから、あるいは

    肉食と環境保護――非菜食主義の環境倫理学者が言えること / 熊坂元大 / 環境倫理学 | SYNODOS -シノドス-
    takahiro_kihara
    takahiro_kihara 2023/11/15
    マーク・サゴフ
  • ポルトガルは「反緊縮」路線に転じたのか?――2015年総選挙と社会党少数派政権の意味/横田正顕 - SYNODOS

    ポルトガルは「反緊縮」路線に転じたのか?――2015年総選挙と社会党少数派政権の意味 横田正顕 ポルトガル近現代政治史、南欧比較政治 国際 #ポルトガル ユーロ危機(欧州債務危機や欧州危機などとも呼ばれる)からすでに8年が経過しようとしている。そうしたなか、かつて粉飾財政問題によって危機の発端を作ったギリシアでは、急進左派連合のツィプラス政権が続行する緊縮政策に抗議し、今年5月29日に同政権下8度目のゼネストが決行された。6月1日にはスペインで人民党のラホイ政権に対する憲政史上初の不信任決議が成立し、イタリアでは3月の総選挙以来の混乱の末に、「五つ星運動」と「同盟」に支持されるコンテ政権が発足した。 2010年代前半の最悪の財政・経済状態を脱したとはいえ、その後遺症に悩まされる“PIGS”では、このようにヨーロッパの新たな危機の火種がくすぶり続けている。ユーロ危機当時、その頭文字から“PI

    ポルトガルは「反緊縮」路線に転じたのか?――2015年総選挙と社会党少数派政権の意味/横田正顕 - SYNODOS
  • 本屋と紙の本の未来/吉永明弘 - SYNODOS

    今なお「屋」と「紙の」の時代なのか? 新型コロナウィルスは大学の授業のデジタル化を促進した。リモート授業の間、連絡はWEB上の情報システムを通じて行われ、資料もそこから取得することが一般的になった。そこでは参考となる情報としてWEB上の記事のURLを示すことが多かった。実際、WEB上の記事だけで必要な情報提供ができてしまう。稿も、関連するWEB上の記事に多くを負っている。今回参照した「紙の」は一冊しかない。 これまで私は「紙の」を参照して論文や記事を書いてきた。「紙の」を教科書として使い、授業の要旨を記した紙を配布し、参考図書を授業やゼミで学生に貸し出してきた。しかしこの先、電子書籍での読書がさらに普及し、ノートも紙ではなく直接PCに書き込む形が一般化したならば、教室からあらゆる形の「紙」が消えるかもしれない。 そのときに消えるのは「紙」だけではない。紙のを売り買いする「場所

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  • 東アフリカの「怪談」?――ウガンダ東部アドラ民族の場合/梅屋潔 - SYNODOS

    アフリカ、もっと特定すると私が1997年から毎年調査で滞在しているウガンダには、四季はない。気候的には大雨期と少雨期、その間に挟まれた2回の乾期があるだけである。「夏」という「季節」を考える考え方が、来的には、ないのだ。 そして、日のように、毎年きまった期間、お盆のような時期に死者の霊が子孫のもとに帰って来るという考え方も信仰も、それらにもとづく行事も来はない。名前が特定できる死者、つまり最近死んだ死者の霊はルンベ儀礼という最終葬送儀礼がおわり、住んでいた小屋が破壊されるまでは、常に生者とともにいる、と考えられている。 すくなくとも私の知る限りにおいては、怖い話を聞くとぞっとする、とか、「冷や汗」をかく、という考え方もない。だから、暑い「夏」になると、涼をとるために「怪談」や「怖い話」の需要が増えるという現象もありえない。「語り部」のような立場の人々がいて、物語を語って聞かせる習慣

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  • 「差別してしまう側の人」を踏みとどまらせるために――いつから同性愛は異常視されるようになったのか?/アメリカ文化史・兼子歩氏インタビュー - SYNODOS

    「差別してしまう側の人」を踏みとどまらせるために――いつから同性愛は異常視されるようになったのか? アメリカ文化史・兼子歩氏インタビュー 情報 #ジェンダー#教養入門#同性愛 「男らしくあるべき」「女らしくあるべき」……このような考えは、いつの時代も私たちの周囲に潜んでいます。しかしその「らしさ」は時代によりけりで、実は長い歴史のあるものだとは限らないのだそうです。 明治大学4年生の私、白石が今までずっと気になっていた先生方にお話を聞きに行く、短期集中連載「高校生のための教養入門」特別編の第4弾。ジェンダー論が専門の兼子歩先生に、私たちが誰かを差別してしまわないためにどうすればいいのかをお聞きしました。 ――まず、先生のご専門であるジェンダー論について教えてください。 ジェンダーという言葉は、もともとドイツ語やフランス語における文法上の性別のことを指していました。ドイツ語やフランス語には、

    「差別してしまう側の人」を踏みとどまらせるために――いつから同性愛は異常視されるようになったのか?/アメリカ文化史・兼子歩氏インタビュー - SYNODOS
  • 教育に期待しすぎる社会――『「生存競争」教育への反抗』(集英社新書)/神代健彦(著者) - SYNODOS

    2020.10.05 教育に期待しすぎる社会――『「生存競争」教育への反抗』(集英社新書) 神代健彦(著者)教育学・教育史 #コンピテンシー#グローバル市場 「教育とは十徳ナイフのようなもの」――わたしの作ったこの比喩、自画自賛と言われればそれまでなのですが、それなりにうまくできているように思うのです。 教育は、個人と社会の現在と未来に対して、さまざまな点で多くの貢献をすることができます。子どもとその保護者の観点からみれば、教育を受けることは、この社会でまっとうな人生を営むために必須のものといえるでしょう。うまくすれば、よりよい学歴を携えて、より有利に社会を生きていくことができるかもしれません。 他方で、社会の側から見ても、教育はなくてはならないものです。一国の経済成長のためには、その国の人々の能力を高めることが欠かせません。また、共同体の秩序を保つために、子どもに社会のルールや規範を教え

    教育に期待しすぎる社会――『「生存競争」教育への反抗』(集英社新書)/神代健彦(著者) - SYNODOS
  • テクノロジーの恩恵を万人に、すべての人々に贅沢を!――『ラグジュアリーコミュニズム』(堀之内出版)/橋本智弘(訳者) - SYNODOS

    2021.09.03 テクノロジーの恩恵を万人に、すべての人々に贅沢を!――『ラグジュアリーコミュニズム』(堀之内出版) 橋智弘(訳者)ポストコロニアル理論・文学 イギリスで注目の若手論客アーロン・バスターニとは何者か? 書は、アーロン・バスターニの初の著書Fully Automated Luxury Communism (Verso, 2019)の全訳である。バスターニはイングランド南部の都市ボーンマスで生まれ育ち、現在はロンドンを拠点に活動するジャーナリストだ。2011年にオンラインニュースメディアのNovara Mediaを共同創設し、以来ウェブ上の記事やYouTubeチャンネルを通じてジャーナリズム活動を展開している。また、2015年には、博士論文「ストライキ! オキュパイ! リツイート!――緊縮イギリスにおける集団的アクションと接続的アクションの関係」により、ロンドン大学から

    テクノロジーの恩恵を万人に、すべての人々に贅沢を!――『ラグジュアリーコミュニズム』(堀之内出版)/橋本智弘(訳者) - SYNODOS
  • 動物にたいする倫理的配慮と動物理解/久保田さゆり - SYNODOS

    私たちの社会には、人間の他にも、多くの動物が含まれている。たとえば、犬やなどのコンパニオン・アニマル(伴侶動物)は、その多くが人間の生活圏の中で生き、人間と密接な関係を築いている。 また、全国にある動物園や水族館(日動物園水族館協会加盟施設だけでも、2017年7月現在で151施設)では、さまざまな種類の野生動物が飼育・展示されており、私たちはそうした動物を国内の整備された環境のなかで見ることができる。 実験動物や、豚や牛や鶏といった畜産動物もまた、人間社会のなかで生きる動物である。私たちの多くは、かれらが生きている姿を直接に見る機会は少ないかもしれないが、身の回りの製品や、日々の事などを通して間接的にそうした動物と関わっている。 こうした動物たちのことを、私たちはどのような存在として理解しているだろうか。このことを少し真面目に考えてみることが――動物との向き合い方をめぐる学術的な議論

    動物にたいする倫理的配慮と動物理解/久保田さゆり - SYNODOS
  • 「真珠湾」攻撃80周年をフィリピン日系人の視点から再考する/北田依利 - SYNODOS

    2021年12月8日で、日軍の「真珠湾」攻撃から80周年になる。日軍が攻撃した米軍の海軍基地は、19世紀末に米国が武力を行使して併合したハワイに存在していた。「真珠湾」をハワイの先住民・カナカマオリの人々はハワイ語(ʻŌlelo Hawaiʻi)で、「ワイモミ(真珠の水域)」または「プウロア(長い丘)」と呼ぶ。この場所を、植民地宗主国である米国の視点・言語を優先し、「真珠湾(パールハーバー)」と呼び続けることに疑問を投げかけるため、カギカッコを付けている。 1941年のこの日、日軍は当時米領であったハワイの他に、グアムやフィリピン、イギリス領の香港、シンガポール、マレーシアなどを攻撃し、英米に宣戦布告した。この出来事は、すでに中国で始まっていたアジア・太平洋戦争(第二次世界大戦)を激化させ、欧米・日帝国の土の人々だけでなく、その植民地の人々をも巻き込んだ。また、当時米国などにコミ

    「真珠湾」攻撃80周年をフィリピン日系人の視点から再考する/北田依利 - SYNODOS
  • 食は都市の問題でもある――食農倫理と環境倫理との対話/太田和彦×吉永明弘 - SYNODOS

    シリーズ「環境倫理学のフロンティア」では、環境倫理学の隣接分野の研究者との対話を行います。今回は「農倫理学×環境倫理学」として、ポール・B・トンプソン『農倫理学の長い旅』(勁草書房、2021年)の翻訳者である太田和彦さんと対話を行います。太田さんは、同じトンプソンの『〈土〉という精神』(農林統計出版、2017年)の翻訳者でもあり、これらによって日農倫理学が格的に導入されたといえます。今回は、これらの内容をご紹介いただくとともに、日における農倫理学の意義についてお話しいただきます。 吉永 じつは今回の対話を「環境倫理学の隣接分野の研究者との対話」とするのは少し問題があります。というのも、太田さんはもともと環境倫理学の研究者であり、とくに環境プラグマティズムについてはかなり詳しいのです。さらに、アメリカ農倫理学の第一人者であるポール・B・トンプソンも環境倫理学者でもあり、『

    食は都市の問題でもある――食農倫理と環境倫理との対話/太田和彦×吉永明弘 - SYNODOS
    takahiro_kihara
    takahiro_kihara 2021/12/17
    本もいろいろ。/"「農業」という言葉で一括りにして語ることはできない"/"〈工業としての農業〉と〈造園としての農業〉"
  • ここがヘンだよ現金給付――社会政策における「標準世帯」モデルの終焉/中里透 - SYNODOS

    このところ、18歳以下の子どものいる家庭に対する現金給付のことが大きな話題となっている。この給付措置を「バラマキ」として即座に非難することについては十分な慎重さをもって対応しなくてはならないが(何をもって「バラマキ」とするかは、それぞれの人が置かれている状況や価値判断によって異なるため)、この措置を是とする場合にも現在の案にはさまざまな問題点がある。以下ではこの点について論点整理を行うこととしたい。 現行案の概要 これまでに報じられていることを総合すると、今回の給付措置は、18歳以下の子どものいる家庭(世帯)に対し、「世帯主」の年収を基準に所得制限をかけたうえで、子ども1人当たり10万円相当の給付を、現金(5万円)とクーポン券(5万円)の形で支給するというものだ。この措置については新聞などで「18歳以下の子どもに対し」という記述を見かけることがあるが、子どもに直接給付を行うということであれ

    ここがヘンだよ現金給付――社会政策における「標準世帯」モデルの終焉/中里透 - SYNODOS
  • クーポン券と消費増税――お金に色はつけられるか?/中里透 - SYNODOS

    子ども向けの給付金についてはようやく方針転換がなされ、実質的な意味のないクーポン券での支給が回避される見通しとなった。967億円もの経費をかけて給付金の支給方法に関する社会実験を行うのは割の合わない(費用対効果の低い)試みだから、この方針転換は素直に評価されるべきだろう(967億円というのは、小さな子どもからお年寄りまで全員が1人当たり800円の税負担をするという計算になる)。 もっとも、世の中の批判や自治体の反発を受けて状況対応的に政策転換がなされたのだとすると、将来またクーポン券での給付という話が出てくるおそれがあるから、なぜクーポン券での支給には実質的な意味がないのかをここで改めて確認しておいたほうがよいだろう。クーポン券を期限付きで支給すれば、その全額が子どものための消費に回るように見えるのは確かで、この見た目の「わかりやすさ」から、クーポン券での支給には一部に根強い支持もあるから

    クーポン券と消費増税――お金に色はつけられるか?/中里透 - SYNODOS
    takahiro_kihara
    takahiro_kihara 2021/12/17
    "給付をクーポン券で行うことのメリットは限定的であるにもかかわらず、クーポン券での支給のコストは高くつく。"
  • 原発事故による「ふるさとの喪失」は償えるのか/除本理史 - SYNODOS

    福島原発事故による避難者数は、震災発生から3年が経とうとする今も、約14万人にのぼる(2014年1月末現在)。事故後、9つの町村が役場機能を他の自治体に移転し、広い範囲で社会経済的機能が麻痺した。一部の自治体は、役場機能を元の地に戻しつつあるが、住民の帰還は見通しがたい。 筆者は2011年5月から、共同研究者とともに原発事故被害の実態調査を開始した。それまでの公害問題研究の経験を、少しでも活かせないかと考えてのことである。同年7月には、福島県内外で避難者の方々からの聞き取りをはじめたが、ほどなく、国の原子力損害賠償紛争審査会(原賠審)が、事故被害のうち賠償対象となる最低限の範囲を示す「中間指針」を公表した(8月5日)[*1]。 その内容は、最低限の指針とはいえ、避難者から聞かれる被害実態とあまりに隔たっていた。とくに実感されたのは、「ふるさとの喪失」というべき重大な被害が等閑視されているこ

    原発事故による「ふるさとの喪失」は償えるのか/除本理史 - SYNODOS
  • 「論理的思考」の落とし穴――フランスからみえる「論理」の多様性/『「論理的思考」の社会的構築』著者、渡邉雅子氏インタビュー - SYNODOS

    「論理的思考」の落とし穴――フランスからみえる「論理」の多様性 『「論理的思考」の社会的構築』著者、渡邉雅子氏インタビュー 社会 「ロジカル・シンキングを身につけよう」「これからの教育に必要なのは論理的に話す・聞く・書く能力である」……論理的に考え、書いたりプレゼンテーションしたりする能力はビジネスや教育分野でもてはやされ、現代では欠かせないスキルとして広くうたわれている。 しかし改めて考えると、「論理的」とはなにか? 「論理的」であることは何に立脚しているのか? どこでも共通する普遍的なものなのか? 『「論理的思考」の社会的構築』を著した渡邉雅子氏は、「「論理的」だと感じる思考や論理の型は、実は文化によって異なっており、それぞれの教育の過程で身につけていくものだ」と指摘している。稿では、「論理」の多様性やその社会的構築過程、小論文教育から見えるフランス独自の論理のあり方、日におけるア

    「論理的思考」の落とし穴――フランスからみえる「論理」の多様性/『「論理的思考」の社会的構築』著者、渡邉雅子氏インタビュー - SYNODOS
  • ゲームプレーヤーを精神疾患にするディストピア――久里浜医療センター「ゲーム障害の有病率5.1%」論文のからくり/井出草平 - SYNODOS

    ゲームプレーヤーを精神疾患にするディストピア――久里浜医療センター「ゲーム障害の有病率5.1%」論文のからくり 井出草平 社会学 社会 エグゼクティブ・サマリ 久里浜医療センターの樋口進氏らのグループが発表した論文から、ゲーム障害を過剰診断していく方針が読み取れる。この論文は厚労省・文科省の政策にも影響があると考えられ、ゲーム好きの健康な子どもや若者たちが、精神疾患とレッテルを貼られ精神科病棟に入れられる未来も現実味を帯びてきた。 先日、ゲーム障害の有病率調査が久里浜医療センターによって発表された。【注1】英語論文として発表されたため、まだ一般には知られていないが、専門家の間ではかなり話題になっている。というのも、久里浜医療センターはゲーム障害でない人を診断しようとしているのではないか、と、いわゆる過剰診断を懸念する声が湧き上がっているからである。 稿では、久里浜医療センターの研究を紹介

    ゲームプレーヤーを精神疾患にするディストピア――久里浜医療センター「ゲーム障害の有病率5.1%」論文のからくり/井出草平 - SYNODOS
    takahiro_kihara
    takahiro_kihara 2021/08/30
    "精神疾患ではない者を精神疾患にする危険性がある"それはDSM-5の時にも問題になったんだよね(「〈正常〉を救え」)。今に始まった問題ではない。
  • 「空襲は怖くない。逃げずに火を消せ」――戦時中の「防空法」と情報統制/大前治 - SYNODOS

    空襲の安全神話 1枚の写真をご覧いただきたい。 畳の上に炎があり、男女3人が水をまいている。昭和13年に東部軍司令部の監修で作られた12枚組ポスターの一つで、今でいう政府広報である。表題には「落下した焼夷弾の処理」とある。 それにしても不思議な光景である。屋根を突き破って落ちてきた割には弱々しい炎。天井や畳は燃えていない。焼夷弾の間近に迫って怖くないのか。アメリカ軍の焼夷弾はその程度のものなのか。一杯目のバケツで水をかけた後は、一体どうするのか。この一つの炎のために次々とバケツリレーをするのか。謎が深まる。 もう1枚。同じ12枚組の1つである。 ショベルの先に小さな「焼夷弾」らしき物体があり、「折よくば戸外に投出せ」と書かれている。こちらも、畳や障子はまったく無傷である。 こんな対処法が可能とは思えない。実戦で使用された焼夷弾は、発火装置と燃焼剤が一体となっており、投下されると数十メートル

    「空襲は怖くない。逃げずに火を消せ」――戦時中の「防空法」と情報統制/大前治 - SYNODOS
    takahiro_kihara
    takahiro_kihara 2021/08/04
    "検証 防空法"
  • 昆虫は痛みを感じているか?――小さな「手乗り家畜」の動物福祉/水野壮 - SYNODOS

    脚を切除されたバッタは、足をかばったり負傷した部位を保護するような振る舞いはしない。一見通常通り飛び、歩行を続ける。また、オスのカマキリは交尾をしているメスに自身の体をべられながらも相変わらず交尾を続ける。 このように、昆虫は身体部分の除去や損傷をしても、歩行・飛翔・摂・交尾といった動作を(少なくとも傍目からは)通常と変わらず継続し続けることがある。これは、脊椎動物が痛みに対して反応するふるまいとは大きく異なり、昆虫が痛みを感じていないことの根拠の一つとされてきた。 しかし、カマキリの羽や脚を切除しようとすれば、あたかも痛みを排除するかのように攻撃的になる行動が見られる。草性のバッタでもカマキリなどにべられる際は手足や触覚をバタつかせ、もがき苦しんでいるようにも見える。 獲物をべるカマキリ 筆者が所属する「用昆虫科学研究会(e-ism)」は、昆虫を科学する研究会である。昆虫を

    昆虫は痛みを感じているか?――小さな「手乗り家畜」の動物福祉/水野壮 - SYNODOS
    takahiro_kihara
    takahiro_kihara 2021/05/06
    虫だけにムシできない。
  • 肉や卵や乳製品はどのように生産されているのか?――アニマルウェルフェア畜産への転向/岡田千尋 - SYNODOS

    肉や卵や乳製品はどのように生産されているのか?――アニマルウェルフェア畜産への転向 岡田千尋 アニマルライツセンター代表理事 社会 皆さんの卓に登場する肉や卵や乳製品がどのように生産されているのか、知っているだろうか。知らないのであれば、知っておいたほうが自身を守るためになると私は思う。 まず、それら畜産物にされる動物たちが来どのような動物なのか、知ってほしい。それは後で説明する適正な飼育=アニマルウェルフェアに配慮した飼育を理解することにつながるからだ。 鶏の朝は早い。日の出の30分ほど前から活動を始め、オスはコケコッコーと雄叫びを上げる。光の角度に応じて行動をしており、夕暮れ30分前に寝床に戻り、止まり木で眠る。 この行動には意味がある。暗くなると夜目の利かない鶏は動きが取れない。そのため、捕者に襲われがちな夜はできるだけ高いところで眠りたいという欲求があるのだ。1羽あたり15セ

    肉や卵や乳製品はどのように生産されているのか?――アニマルウェルフェア畜産への転向/岡田千尋 - SYNODOS
    takahiro_kihara
    takahiro_kihara 2021/03/23
    "鶏のコミュニケーション能力の高さ"鶏は鳥頭でなかったのか…/"牛の糞尿の量は人間の164人分"/"動物福祉畜産"を/これも[あとで読む]?https://president.jp/articles/-/32274?page=1/五輪は(事実上)中止だから…
  • 「大正デモクラシー」はどうして戦争を止められなかったのか/成田龍一氏インタビュー - SYNODOS

    社会運動、政党政治、普通選挙――民主主義的な言論や運動が活発に行われた「大正デモクラシー」。しかし、その後日戦争の時代へと突入してしまう。なぜ大正デモクラシーは戦争を止められなかったのか。歴史学者の成田龍一氏に話を伺った。電子マガジンα-Synodos vol.142より、一部を転載。(聞き手・構成/山菜々子) 「大正デモクラシー」とはなにか ―― 今回は、「大正デモクラシーはどうして戦争を止められなかったのか」というテーマでお話を伺えればとおもいます。まずは、「大正デモクラシー」はどのようなものだったのでしょうか。 まず、「大正デモクラシー」という言葉についてですが、これは同時代に使用された言葉でもなければ、歴史用語として定着しているわけではありません。論者によって「大正デモクラシー」といったときの時期や内容や評価が様々です。「大正」という元号と、「デモクラシー」というカタカナとが

    「大正デモクラシー」はどうして戦争を止められなかったのか/成田龍一氏インタビュー - SYNODOS
    takahiro_kihara
    takahiro_kihara 2020/11/14
    "「大正デモクラシー」は大日本帝国憲法下のデモクラシーであったが故に、弱さと限界があり、ファシズムや戦争を止められなかったということです。"
  • 「障害」ということ、「自立」ということ──映画『インディペンデントリビング』から見えるもの/熊谷晋一郎×田中悠輝 - SYNODOS

    「障害」ということ、「自立」ということ──映画『インディペンデントリビング』から見えるもの 熊谷晋一郎×田中悠輝 福祉 障害があっても、地域の中で自立して暮らしたい──。「インディペンデントリビング(自立生活)」を選択して生きる障害者たちの日常を追ったドキュメンタリー映画『インディペンデントリビング』が全国で公開中だ。「障害」とはそもそも何か、自立とはどういうことなのか、そして障害者の「自立生活運動」が直面する課題とは──。田中悠輝監督が、自身も脳性麻痺の障害をもつ小児科医の熊谷晋一郎さんと語り合った。(取材・文 / 仲藤里美) 「自立生活運動(IL)」が直面する「孤立」の問題 熊谷 映画『インディペンデントリビング』を見せていただきました。まさに障害者自立生活運動(IL)の最前線をとらえた、今の時代にしか撮れない貴重な場面を切り取った作品だと感じました。後々まで、ずっと残っていく作品にな

    「障害」ということ、「自立」ということ──映画『インディペンデントリビング』から見えるもの/熊谷晋一郎×田中悠輝 - SYNODOS