東京電力福島第一原発から100キロ以上離れた山形市蔵王で採れ、店先に並んだ野生のキノコに食品基準を超える放射性セシウムが含まれていた。出荷規制がない「安全」とされる地域だが、山の幸はまだ原発事故の放射能リスクと隣り合わせ。行政は出荷前の測定を促すものの、費用面で個人には限界があるのが実情だ。 (大野孝志) 蔵王の山でキノコや山菜を採り、「道の駅」に卸して生計を立てている山形県大江町の木村隆一さん(67)は今年九月、思わぬ事態に直面した。厚生労働省の抜き打ち検査で、採取したサクラシメジから食品基準値(一キログラム当たり一〇〇ベクレル)を超えるセシウムを検出したのだ。木村さんは「規制されていないから安全と思って採ったんだけどな。それで引っ掛かるなら、安心して卸せないよ」と嘆く。
去る8月30日から31日にかけて、東京電力福島第一原子力発電所(福島第一:1F)で貯まり続ける「トリチウム水」の海洋放出について社会的同意を求めるための公聴会が福島県と東京都の三会場で経済産業省(経産省:METI)により開催されました。 その7日前に当たる8月23日に河北新報により、8月27日にフリーランスライターの木野龍逸氏により「トリチウム水」には、基準を超えるヨウ素129などの放射性核種が含まれていることが報じられました。 (参照:処理水の放射性物質残留 ヨウ素129基準超え60回 17年度 | 河北新報 2018年08月23日木曜日、トリチウム水と政府は呼ぶけど実際には他の放射性物質が1年で65回も基準超過(木野龍逸) – Y!ニュース 2018年08月27日月曜日) これら報道への反響はたいへんに大きく、30日からの公聴会は全会場、全日程で大荒れとなり、市民からは反対の声が多勢を
◇密閉作業せず。マスク半面 日本原子力研究開発機構の大洗研究開発センター(茨城県大洗町)で作業員5人が被ばくした事故は13日で発生から1週間となる。核燃料物質を扱うにもかかわらず、想定の甘い安全管理の実態が明らかになってきた。 事故は6日午前11時15分ごろ、同センターの燃料研究棟で発生した。室内にいた作業員5人のうち、50代男性職員がプルトニウムやウランの酸化物の粉末が入ったステンレス容器を点検のため開封作業中、中のビニール袋が破裂し、粉末が飛散。5人が被ばくした。 この作業は、密閉されていない「フード」と呼ばれる作業台で行われた。放射性物質が漏れ出さないよう周囲よりも圧力が低く保たれていたが、破裂の勢いで部屋に飛び散った。室内には密閉型の作業台「グローブボックス」もあるが、どちらを使うかの判断基準を明記した内規はなく、容器などに密封された核物質は現場判断でフードで扱うのが慣例化し
「大津波は予見できなかった」との言い訳は、もはや通用しない。 東京電力が、東日本大震災の前に「津波対策は不可避」との文書を作成していたという。18日、東京地裁で行われた福島第1原発の事故をめぐる株主代表訴訟の口頭弁論で、明らかになった。訴訟は東電の勝俣恒久元会長ら歴代経営…
IAEA=国際原子力機関が東京電力福島第一原子力発電所の事故を総括する報告書の内容が明らかになり、最大15メートルの津波が予想されたのに、必要な対応を取らなかったなどと指摘しています。 報告書の作成には40を超える国のおよそ180人の専門家が参加し、IAEAは、日本では原発は安全だという思い込みが広がり、事故の備えが十分でなかったと結論づけています。 具体的には仮にマグニチュード8.3の地震が発生すれば、最大で15メートルの津波が到達することが予想されたのに、東京電力などは必要な対応を取らなかったとか、IAEAの基準に基づく十分な安全評価が行われず、非常用のディーゼル発電機の浸水対策が不十分であるなどの課題があったなどと指摘しています。 また、作業員の非常時の訓練が十分でなかったほか、事故の際、それぞれの組織の役割が不明確で迅速な対応ができなかったとも分析しています。 そして原発の安全基準
こんにちは。核/エネルギー担当の鈴木かずえです。 四国電力伊方原発の再稼働について、国があなたの意見を求めています。 5月20日、国の原子力規制委員会が、伊方原発の再稼働適合審査書案を公表し、パブリックコメントの募集が21日から始まりました。(〆切は6月19日) <6月12日追記 グリーンピースも出しました。くわしくは末尾に> 伊方原発は、瀬戸内海沿岸にあります。 瀬戸内海は瀬戸内住民3000万人の食卓と暮らしを支えているだけでなく、日本中においしい魚介を提供してくれています。絶対に汚したくありません。 あなたの出番です。 ぜひ、一言でも書いて、送ってください。 わたしも、以下を中心に、パブリックコメントを書く予定です。 伊方原発を止めておくべき5つの理由 1.地震のリスクは日本一? 伊方原発は北に日本最大級の断層系である中央構造線、南に、活発で大規模な地震発生源の南海トラフが走っており、
【佐藤潤一の事務局長ブログ】 (© Greenpeace / Christian Åslund) グリーンピースは、IAEA(国際原子力機関)が作成した未公表の福島第一原発事故レポート(以下、レポート)要約を入手し、本日ウェブサイトにて公開した。 (以下がその原文、5つに分割して掲載) The Fukushima Daiichi Accident (IAEA) No1, No2, No3, No4, No5, このレポートは、IAEAが東京電力の福島第一原発事故が発生した原因と学ぶべき教訓についてまとめたもので、6月8日からウィーンで開催される非公開のIAEA理事会において議論される予定のものだ。レポートはIAEAの事務局長である天野之弥氏の報告としてまとめられた。 天野事務局長はこのレポートが「(福島第一原発)事故の原因と結果を示した、信頼でき、事実に基づき、バランスのある評価と教訓」
東京電力福島第一原子力発電所と第二原子力発電所で、作業員が死亡する事故が相次ぎ、第一原発では、21日廃炉作業を中止して、安全点検を実施することになりました。 背景について東京電力は、記者会見で、「作業量が多くなっていることも考えなければならない」と述べ、作業の進め方や安全対策に問題がないか検討する考えを示しました。 20日午前9時半ごろ、福島第二原発で、廃棄物を処理する建物で点検作業をしていた40代の作業員の男性が、点検用の機具に頭を挟まれ、ドクターヘリで病院に搬送されましたが、死亡しました。 福島第一原発でも、19日午前9時ごろ、雨水をためるタンクの点検をしていた50代の作業員の男性が、高さおよそ10メートルのタンクの天井から転落し、20日未明になって死亡しました。 さらに柏崎刈羽原発でも、19日、作業員が足場から3メートル余り下に転落して大けがをしました。 こうした事態を受けて東京電力
東京電力福島第一原子力発電所の事故で放出された放射性物質は、核燃料のメルトダウンや水素爆発が相次いだ事故発生当初の4日間ではなく、その後に全体の75%が放出され汚染を深刻化させていたことが、日本原子力研究開発機構の分析で分かりました。 政府などの事故調査はこの時期に何が起きていたかを解明しておらず、専門家は「放射性物質の大量放出がなぜ長期化したのか、原因の解明が求められる」と話しています。 福島第一原発事故の規模は、放射性物質の放出量からチェルノブイリ原発事故と同じ「レベル7」とされていますが、放出の詳しい全体像は明らかになっていません。日本原子力研究開発機構の茅野政道所長代理らの研究グループは、原発周辺などで観測された放射線量の新たなデータを集め、大気中への放出状況を詳しく分析しました。 その結果、事故が起きてから放出がおおむね収まった3月末までに放出された放射性物質の量は47万テラベク
東京電力福島第一原子力発電所で、「トレンチ」と呼ばれる地下のトンネルに建屋から高濃度の汚染水が流れ込んでいる問題で、流れをせき止める工事が終わったあとも、建屋とトレンチの水位が連動していることが分かりました。 東京電力は「汚染水を遮断できていない可能性がある」として、対応を検討しています。 福島第一原発では、高濃度の汚染水が建屋から「トレンチ」と呼ばれる地下のトンネルに流れ込み、ここから海に流れ出しているとみられています。 このため、東京電力はトレンチから汚染水を抜き取ってセメントで埋める計画で、4月以降、一部の汚染水を凍らせたり、氷の隙間を埋めたりして、流れをせき止める工事を続けてきました。 この工事は今月6日に終わりましたが、東京電力が調べたところ、そのあとも建屋内とトレンチ内の水位が連動していることが分かりました。 東京電力は「汚染水の流れが遮断できていない可能性がある」としたうえで
火山学会と規制委が対立 川内原発、噴火リスク軽視に不信感 [鹿児島県] 2014年11月09日(最終更新 2014年11月09日 03時00分) 原発再稼働 東日本大震災 九電川内原発 写真を見る 九州電力川内原発(鹿児島県薩摩川内市)への火山の噴火影響をめぐり、原子力規制委員会と日本火山学会の対立が深まっている。規制委の影響評価ガイドラインがカルデラを含む巨大噴火の前兆把握が可能とする前提に立って作られているのに対し、日本火山学会の常識は「現在の知見では予知は困難」と食い違っているからだ。川内原発周辺にはカルデラが多い。7日、再稼働への地元同意手続きは完了したが、安全性を問う議論はなお続いている。 両者の対立の発端になったのは、火山学会の原子力問題対応委員会(委員長・石原和弘京都大名誉教授)が2日、福岡市で開いた会合でまとめた「巨大噴火の予測と監視に関する提言」。規制委のガイドライン(2
「現金主義」の学校に“革命” 集金袋いりません!教材費、部活動費、修学旅行の代金…キャッシュレス決済導入広がる 子ども、保護者、職員の負担軽減に
東京電力福島第一原発の事故が発生する約三年前、東電の勝俣恒久元会長(74)が出席した社内の会議で、高さ一四メートルの大津波が福島第一を襲う可能性があると報告されていたことが、三十一日に公表された東京第五検察審査会の議決で分かった。これまでの東電の説明では、勝俣氏は大津波の可能性を知らないとされ、本人も検察に同趣旨の供述をしていたが、検審は「信用できない」と否定、起訴相当と判断した。東京地検は同日、議決を受け、再捜査することを決めた。 (加藤裕治、加藤益丈) 議決によると、この会議は二〇〇七年七月の新潟県中越沖地震で柏崎刈羽原発(新潟県)が被災したのを受け、〇八年二月に開かれ、福島第一の津波想定を七・七メートル以上に変更する資料が配布された。出席した社員から「一四メートル程度の津波が来る可能性があるという人もいて、考える必要がある」との発言もあった。 検察側の捜査資料にあった会議のメモなどか
東京電力福島第1原発で昨年8月のがれき撤去時に放射性物質が飛散し、20キロ以上離れた福島県南相馬市の水田を汚染した可能性がある問題で、東電は14日、同原発からの放射性セシウムの総放出量を最大4兆ベクレルと試算していたことを明らかにした。しかし「かなり大づかみな計算」として公表せず、市にも伝えていなかった。 東電によると、敷地内や同県双葉、浪江町のモニタリングポストで実測した空間放射線量の上昇度合い、気象データを基に放出量を試算。がれき撤去で放出されたのは1時間当たり1000億〜1兆ベクレルで、放出時間は計4時間と推定した。4兆ベクレルは、事故後の福島第1原発から1日に放出される放射性セシウムの1万倍以上に上る。 南相馬市には、セシウムが最大で1平方センチ当たり0・04ベクレルが沈着したと見積もった。東電は「極めて微量な放射性物質が南相馬まで到達した可能性は否定できない」と説明しつつも、
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