基地と安保の原動力は思考停止の一般有権者 ライター、武田砂鉄さんの今回の対談相手は、沖縄で米軍基地問題に密着してきたドキュメンタリー映画監督の三上智恵さんだ。沖縄から見える日米安保の変化や近年目立つ沖縄へのヘイト発言の背景などを話し合った。【構成・鈴木英生、写真・手塚耕一郎】 武田 先日の衆院選では、沖縄の米軍基地問題が、従来の国政選挙よりもさらに争点にならなかった印象を持ちました。 三上 沖縄の問題が本土に無視されてきたのは昔からですが、特に近年、無視のされ方が変わってきたと感じます。以前は、「基地の押しつけは申し訳ないが、どうしようもないから無視しよう」という感じでした。今は、「沖縄に向き合うと、日本全体が直面している恐ろしい現実を直視せざるを得なくなるから、ないことにしている」のではないでしょうか。