世界で裕福な層が増加し、健康志向の食事が推進される中、魚介類の漁獲や生産・消費はともに年々増え続けている。例えば中国では、高級魚を食べることは一種のステータスとなっており、天然の魚介類から低脂肪のたんぱく質を摂取することを奨励するキャンペーンも行われている。このような状況の中、1961年には9.0㎏であった世界の一人当たりの魚介類の消費量は、2015年には20.2㎏にまで増加している。これは人口増加率のおよそ2倍であり、魚介類への需要は確かに高まっているということができる。さらに、世界人口の10~12%の人々が漁業や養殖業に関わる仕事で生計を立てているといわれており、職業や雇用の観点から見ても、漁業は非常に大きな役割を果たしている。 しかしながら現在、世界には乱獲や海洋環境の破壊など非常に多くの問題が存在し、このままいくと、2048年には魚介類の漁獲量が激減してしまい、世界の漁業業界が崩壊