90年代初頭、ソ連の崩壊にともない衛星国であった東欧諸国では激しい政治的変革がおこった。この政変と民族・宗教的対立が組み合わさったボスニア・ヘルツェゴビナ紛争は多数の市民を巻き込み、戦後ヨーロッパ最悪の紛争と言われる。その真っ只中でチューンアップしたアメ車を駆り、人道支援を行ったとあるデンマーク人がいる。 元デンマーク軍特殊部隊員ヘルガ・メイヤーは、ある日神の声を聞き、ボスニアに向かうことを決意したという。 ボスニア・ヘルツェゴビナ紛争では多数の難民、避難民が発生していた。彼らに対し国連やその他の団体が支援物資を送ったが、このコンボイが武装勢力に襲われ、物資が強奪されるのが問題となっていた。 そこで、メイヤーは現地の米軍指揮官にとんでもないアイディアを提案した……「遅いトラックではなく小さな目立たない高速な車両であれば、包囲を突破し物資を届けることができるのではないか?」……驚くべきことに