本書の主人公である江藤淳は1978年、新聞での文芸時評の筆を折ってまで、占領時代にGHQが行った検閲の研究へと向かった。その成果である『閉された言語空間』は今日、米国による日本人の「洗脳」を説く陰謀史観だとして、評判は悪い。 しかし文章の背後に書き手の人生がすなおに浮かびあがらない時代が来ることを、江藤は見抜いていたと著者はいう。現に読者が「本人が書こうが、AIが生成しようが同じだ」と割り切るとき、私たちの言語空間は他者へと開かれずに、閉じるだろう。
商店街について、そのポジティブな効果や事例をまとめた類書を、過去に何冊か読んだことがある。そこで紹介されるのは、欧州や国内においてコンパクトな中心市街地形成や商店街再生に成功した各地の事例だ。読むたびに、こういうことをウチの地元でもやってみたいけれど、自動車中心のまちづくりが進められてきた日本の平均的な地方都市では、ましてや地元では事態を好転できるはずがない…などと絶望を感じていた。 だが本書は、商店街を諦めなくていい、いやむしろ自ら主体的に参画し、小さな動きでもいいから主体的に関わってみようという気にさせてくれる。それはなぜか。「なぜ商店街の活性化が難しかったのか」が、政策面を中心にさまざまな角度から考察されているからだ。「なるほど、だからこんなふうにダメになっているのか」と腑(ふ)に落ちる。 加えて、商店街研究の歴史、聞き取り調査の結果、それらから読み取れる商店街の意義なども言語化され
中世を生きた僧侶にして歌人、西行。心という不明なものを多くの歌に詠み込んだ。「心なき身にもあはれは知られけり 鴫(しぎ)立つ沢の秋の夕暮」。この代表歌を巡っては、本書でも一章がさかれている。いい歌だなあと私も思う。心なき身とは何だろう。著者の現代語訳によれば、「ものの情趣を解し得ないこの出家の身」。しかし厳密に意味を取らなくとも、歌の韻律に誘われて漠然と見えてくる風景がある。歌の背景を知り、歌
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1月、トリノ工科大学で行われた機械工学の名誉学位の授与セレモニーでスピーチするマルチェロ・ガンディーニ。 マルチェロ・ガンディーニ──スーパーカー好き、クルマ好きなら、その名を知らないものはいないだろう。その名匠が3月13日に85歳で逝去した。これまで数多くの名作を生み出し、世のデザインに大きな影響を与えてきた偉大なるマエストロの功績に敬意を表し、本誌『GENROQ』2024年4月号に掲載された、トリノ工科大学から機械工学名誉学位が授与された際の記事を転載する。ご冥福をお祈りします。(GENROQ 2024年4月号より転載・再構成) Marcello Gandini トリノ工科大学の名誉学位の授与セレモニーで この日、トリノ工科大学の中庭は、集められたガンディーニの作品たちによって、ちょっとしたミュージアムに変身した。それはもはや工業製品というより、芸術品といった表現の方が相応しい。 「私
北川眞也 × 平田周 × 仙波希望 「広範囲の都市化」から見えてくるもの──ヨーロッパ「境界」研究の視座から 仙波 さてここで、本書にもご寄稿くださった三重大学の北川眞也さんにゲストとしてご登場いただき、「惑星都市理論」そして「プラネタリー・アーバニゼーション」について、また別の切り口からのお話をお願いできれば、と思います。 北川 こんにちは。北川です。今日はこうしてお話をする機会をいただきまして大変嬉しく思っております。 先ほどお二人から、領域的に閉じられた都市論、都市をまるで点のように捉えそこで起きていることを論じていくだけではもはや都市を理解できない、ましてや現代において都市を切り取って語ること自体が現実から乖離しているのではないか、といったお話があったと思うのですが、その議論を踏まえた上で、ここは敢えて自分の研究を簡単に振り返るようなかたちでお話をさせていただけないか、と。 これま
大切な人を思い、生きていく。東日本大震災の犠牲者を悼み、命の重みをかみしめる日がまた巡ってきた。陸前高田市小友町のパート紺野直子さん(53)は、震災で亡くした長男将成(まさなり)さん=当時(14)=の戒名「祐峰将護(ゆうほうしょうご)」をペンネームに、童話や短編小説の執筆に励んでいる。「『時薬(ときぐすり)』という言葉、本当にそうだと思う」。震災から13年がたち、少しずつ前を向けるようになった。 紺野さんは10日、将成さんの遺影が見守る部屋でパソコンに向かった。「天国の息子と一心同体だから。彼にも読んでもらいたい」。時間を見つけて創作に打ち込む。 震災当時は、夫と中学3年の長女、同2年の将成さん、小学2年の次女の3人の子どもと小友町で暮らしていた。大船渡市内の勤め先で地震に見舞われた紺野さんは、湾口防波堤を越え、市内に迫る津波を左に見ながら、車で国道45号を南下した。 ◇ ◇ 記
岩手県の東日本大震災被災地の復興ハード整備は787カ所で完了し、3月時点で残るのは閉伊川水門(宮古市)の1事業となった。工期が延びていた大船渡市の普金海岸防潮堤が昨年12月に運用開始。閉伊川水門は2027年3月の完成を見込む。震災発生から13年を前に、海岸保全施設や復興道路など社会基盤の整備はほぼ完了した。 県内のハード整備は22年度以降、大船渡、宮古、山田、田野畑の4市町村で10事業を終えた。普金海岸防潮堤は、資材の納入遅れなどで工期を延長していたが、昨年12月に陸こう機能が整った。 県と市町村事業で残るのは3度にわたり工期が延長された閉伊川水門のみとなる。県が整備する延長約160メートル、高さ約40メートルの水門は13年度に着工。当初は15年度の完成を予定していたが、川底で巨大な石が多数見つかったことなどから工法を変更した。総工費は約420億円で、計画より大幅に膨らんでいる。 ◇
「失われた30年」と呼ばれる日本経済の長期停滞はどのような要因から生まれ、そこから抜け出すにはどうすればよいのか。著者によれば、日本経済の長期停滞の要因の底には「少子高齢化の進展」があるが、それをさらに悪化させたのが、1990年代から15年間ほど、不良債権の処理に欧米よりも時間がかかりすぎた政策の失敗である。 別の要因としては、「格差拡大による人的資本の劣化」、「財政・社会保障の持続性への将来不安」、「低金利環境の長期化」があった。とくに、金利が恒久的に低下すると、長期的には成長率が低下するという最新の実証研究を丁寧に解説しているところが注目される。 格差是正のための「給付付き税額控除」や金融政策の漸進的な正常化などの政策提言は、そこから導き出されるが、著者独自の提言としては、政治的な独立性と中立性を保証された独立財政機関や社会保障改革の常設検討組織の創設がある。マクロ経済学の最新の知見を
明治が4日、53年の歴史を持つ飴(あめ)「チェルシー」の出荷を月内にやめると明らかにした。2月末で製造を終えており、店頭から在庫がなくなり次第、販売終了となる。CMソングも大ヒットしたロングセラーの突然の終幕に、消費者から惜しむ声が上がり、ネットで高額転売される例も。販売終了の背景に何があるのか。(森本智之) 明治のホームページなどによると、チェルシーは「まるっきり新しいキャンディー」を求め、英北部スコットランドの伝統的なスカッチキャンディーをヒントに開発された。濃厚なバター風味が特徴で1971年に発売。当時の日本では珍しかった、練り合わせた原料をそのまま型に流し込む手法でなめらかな味わいを実現した。商品名はロンドンの地名から取った。故・小林亜星さん作曲の歌をバックに、金髪の少女が「あなたにもチェルシーあげたい」と結ぶCMもはやった。 「遠足には必ず持って行った思い出の味」「小学校低学年の
本書は、ブランド戦略に詳しい3人の専門家が、世界のラグジュアリーブランド業界全体を見渡し、市場構造や顧客の変化、有力高級ブランドの戦略、新興ブランドの動きなど現在起こりつつある変化と未来を展望したものである。「ブランド価値の構築」は、高い利益率を生むために全ての企業にとって必要な経営上の重要テーマであり、ラグジュアリー業界はその頂点に君臨する存在である。ブランドそのものやマーケティングに関心のあ
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