レビュー 「何百万人もの命救った」とカリコ氏らを高く評価 130億回投与の新型コロナワクチン開発、今年のノーベル生理学・医学賞 2023.10.10 内城喜貴 / 科学ジャーナリスト、共同通信客員論説委員 今年のノーベル生理学・医学賞はメッセンジャーRNA(mRNA)と呼ばれる遺伝物質を使った新型コロナウイルスワクチンの開発に道を開いた2人の研究者に贈られることになった。受賞者はドイツのバイオ企業ビオンテック顧問で米ペンシルベニア大学のカタリン・カリコ客員教授(68)と、同大学のドリュー・ワイスマン教授(64)の2人。スウェーデンのカロリンスカ研究所は2日の記者会見で「世界中で130億回も投与され、何百万人もの命を救った。社会が通常に戻ることを可能にした」と2人の研究業績を高く評価した。 カリコ氏らはmRNAを構成する物質の一部を置き換えることにより、炎症反応を起こさずに体内に入れる技術を