2012年9月に発売された米アップルのスマートフォン「iPhone 5」。その中をのぞくと、日本の電子部品メーカーがiPhone 5に大きく貢献していることが分かる。しかし、安穏としてはいられない。部品をさらに詳しく分析すると、電子部品メーカーの付加価値を奪おうとするアップルの戦略が浮かび上がってきた。 この連載では、日経BP社の電子技術専門誌『日経エレクトロニクス』が実施した分解調査から見えたiPhone 5の進化の秘密とアップルの“部品力”、そしてアップルの新たなビジネスモデルに迫る。第1回は、iPhone 5を構成する部品を見ていく。 「驚きがない」など一部で言われながらも、着実にユーザーを増やすiPhone 5。従来製品の「iPhone 4S」に比べ、(1)ディスプレイを3.5型から4.0型に大型化した、(2)高速の移動通信規格「LTE」に対応した、(3)CPU性能とグラフィックス