雇止めされたが和解した教授が、和解条項が守られず損害賠償を求めた。和解した週4コマの授業担当から外されたこと、パワハラの申告対応も債務不履行と訴えた。東京地裁は、安全配慮義務上パワハラの審議結果を遅滞なく告知する義務を負うと判断。審議不能の結論が出てから回答まで8カ月余を要する合理的な理由はないとした。授業不担当も債務不履行に当たる。 告知まで8カ月間安配義務に反する 筆者:弁護士 緒方 彰人(経営法曹会議) 事案の概要 被告はD大学(本件大学)等を設置および運営する学校法人、原告は有期労働契約を締結し本件大学のA学部教授として就労してきた。 原告は、被告に対し、平成24年3月31日付雇止めおよび同年3月16日付懲戒解雇の効力を争う労働契約上の地位確認を求める訴訟を提起し、原告の地位確認請求が認容されたため(東京地判平26・2・18)、平成27年2月3日から本件大学に復職した。 同年8月1