芸術祭「あいちトリエンナーレ2019」の企画展を巡る混乱で損害が生じたとして、高須クリニックの高須克弥院長らが、愛知県の大村秀章知事に対し、芸術監督だったジャーナリストの津田大介氏らに損害賠償を請求するよう求めた訴訟の判決が27日、名古屋地裁であり、日置朋弘裁判長は請求を棄却した。 原告は高須氏のほかに、政治団体「減税日本」(代表・河村たかし名古屋市長)の同市議ら。 原告側は、昭和天皇の肖像を燃やすシーンがある映像作品などが展示され、抗議が殺到した企画展「表現の不自由展・その後」を巡る混乱で、文化庁が減額した補助金を津田氏らが賠償すべきだなどと主張していた。 しかし、日置裁判長は判決理由で、減額分は芸術祭実行委員会が県側に戻し入れたと指摘。一時中止となった企画展の再開に伴う警備費も、県ではなく実行委の負担だったとして、県に損害の発生は認められないと結論付けた。