四本さんは東大の教養学部がある駒場キャンパスの准教授なので、大学に入ってほやほやの1年生の講義を受け持つことがある。その時のエピソードをもって、まず想像してほしい。 「駒場の1年生の心理学の講義で、最初にやるんですよ。血液型性格判断がいかに正しくないか、科学的じゃないか。でも、結構な数の子があれでショックを受けちゃうんですよね。今まで信じてましたって。でも、サイエンスとしての心理学の講義をとる以上、そこのところはちゃんとしてほしいです。血液型性格判断は、もう100パーセント非科学的なんですけど、ただ、血液型性格判断を信じてしまう人の心理っていうのは、おもしろい研究対象ではありますね」 血液型性格判断については、もう信奉する人が度を越していて、ぼくもうんざりなので、四本さんのこの姿勢には大いに共感する。それが「正しくない」「科学的じゃない」理由については、本稿のカバーする範囲ではないと思うの
【脳研究 – issues&ニセ科学問題】 2010年10月29日:脳にまつわるお得な話!あなたの脳も目を覚ます!?「たけしのニッポンのミカタ!」 – テレビ東京 「脳トレ」に効果なし:英国での大規模な疫学的調査がもたらした結論と今後の展望(追記5件あり) / 「治療は結果が全て」というのなら医学的に信頼できる疫学調査を実施すべきであって、代わりに詭弁を弄するというのはおかしい(追記3件あり) – 当blog 実は以前から(テレ東ラブ派としては)番宣をちらちら見ていたので把握はしていたのですが、気がすすまないながらも見てみました。それが「たけしのニッポンのミカタ!」。何で気がすすまなかったかといえば、「脳トレ」のK氏が出ると知っていたから。 ところが、見ていてびっくり。何と、『脳ブームの迷信』でまさに「脳トレ」とそれを喧伝するK氏の姿勢を批判しておられる藤田一郎先生までもが登場されている
2010/10/67:0 科学者が発言するということ 八代嘉美 ここ数年、書店に行くとかなり多くの科学系著作物をみかけるようになった。だが、そうした書籍が詰まれた棚から何冊かを手に取ると、逆に暗澹たる気分にさせられてしまう。たとえば「脳」にかかわる書籍である。脳は何秒だかで恋をする、脳がグングン動き出すナントカ式勉強法、なんて飛びつきやすい言葉が並んでいる。現在の脳科学は、そんなことを示せているのだろうか。 たしかに、さまざまな新しい技術が生まれ、脳科学は発展しつづけている。頭皮の上からニューロン(神経細胞)で生じた電位変化を測定するEEG、脳内の電流によって生じる磁界を測定するMEGといった、脳の活動を電気生理的に調べようとするもの。また、fMRIなどといって、ニューロン活動が盛んな脳部位をモニターすることができるようになる装置があげられる。 こうした機器を駆使することによって、ある条件
【脳研究 – issues&ニセ科学問題】 脳について意外と知られていない15の豆知識 – GIGAZINE 15 Things You Didn’t Know about the Brain – Online Nursing Program 何かはてブでブクマが伸びてる記事があるなぁと思ったらこの記事ですよ。 まぁ世の中懲りずによくやるわと思いますね・・・取り上げる方も取り上げる方だと思いますが。もっとも翻訳しただけのGIGAZINEには何の責任もないはずですので、あくまでもその記事内容の方を色々論ってみようと思います。 基本的に、15項目挙げられたもののうち専門家の視点で見ると2, 6, 9, 13, 14に問題があります。中には「どう見ても神経神話(neuromyth)」と断言できるものもあれば、グレーゾーンかなぁ・・・というものもあります。ただいずれにせよ、科学的結論の出ない代物
【脳研究 – issues&ニセ科学問題】 これは、脳科学ではない – Procrastinator’s column 問題の記事群 神経神話に乗せられる政治は、さしずめ「神経政治」といったところか? / ミスリードされる「脳から見た男女差」:現代の神経科学はそこまで男女差を明確に示せるわけではない – 当blog 脳の解剖学的な男女差 – 生命の理解、そして「理解」の理解。 未熟な繁茂から選択による成熟 – 脳とネットワーク/The Swingy Brain 時々拝読しているblog「Procrastinator’s column」にて、面白い記事を見つけてしまいました。 それが、上記1番目リンク先のエントリ。 要するに2番目のリンク先の論説の数々についてのコメントなのですが、僕も当該論説をいくつか読んでみて呆れてしまいました。 ただ、この御仁は知る人ぞ知る曰く付きの人物で、以前にも
神経科学系のポスドクが、脳研究に関する論文・神経科学の大衆化・ポスドク問題・ワインetc.についてマニアックに綴るblog 【脳研究 - issues&ニセ科学問題】 合冊記念対談「社会の中の脳科学:定藤規弘×大隅典子」 - ニュースレター Brain & Mind 今春終了した東北大・大隅典子先生のCRESTプロジェクトの中で、市民向けニュースレターとして年2回発行してきた「Brain & Mind」がプロジェクト終了を記念して一冊の本にまとめられたとのことで、その特集として生理研の定藤規弘先生との記念対談をなさったそうです。その記事が上記リンク。 この対談中では、日本の神経科学を代表するお二人の大先生方が「神経科学(脳科学)はいかにして社会に対して研究成果を発信し、社会に貢献していけるか」という大きなテーマについて議論なさっているのですが、それに関連して「似非脳科学」の存在についても事
世は空前の脳科学ブーム。タイトルに脳のつく書籍は、この5年間で3000冊以上も出版された。しかし、脳に関する気になる話は、研究結果を拡大解釈した俗説も少なくない。 経済協力開発機構(OECD)は、こうした俗説を「神経神話」と呼ぶ。典型的な例として「〈論理的な左脳〉と〈創造的な右脳〉」というような単純な区分けと、3歳児までに豊かで多様な刺激を与えた方が頭が良くなるという「3歳児神話」の二つをあげる。 テレビゲームをやり続けると、子供がキレやすく反社会的になるという「ゲーム脳」も、神話のひとつ。「前頭葉で脳波のアルファ波が増え、逆にベータ波が激減するパターンは認知症と一緒」というのが根拠で、教育関係者らに広く支持された。しかし、「脳科学の真実」という著書もある坂井克之・東京大学准教授(脳科学)は「ベータ波はリラックス時にも減る。結論が先にあってデータを使っただけで、脳活動のデータが何を示し
【脳研究 - issues&ニセ科学問題】 Myth [1] - BrainHackers - Naotaka Fujii fMRIでは、そんなこと分かりません!! [2] - Procrastinator's column Procrastinatorさんのblog経由で、さらに理研BSIの藤井直敬先生のblogエントリを知ったのでご紹介(BMIの件以降全部英語で書かれるようになったのは気のせいでしょうか?日本語だろうと英語だろうと僕には大差ありませんが・・・:cool:)。ひとまず、まずは上記2つのblogエントリをお読み下さい(Procrastinatorさんには当blogでのMR. BRAIN批評への言及とリンク [3]をいただきまして、ありがとうございました)。 ということで、皆様にはもうお読みいただいたものとして話を進めます(直接引用するとまた藤井先生のblogに変化が起きるか
【脳研究 - issues&ニセ科学問題】 MR. BRAIN第8話あらすじ [1] - TBS ようやく終わりましたね・・・こんなくだらないドラマがよくもまぁ8回も続いたものだと感心してしまいます。:cool: 一応まとめの前に今回のエピソードについても突っ込んでおきましょう。 犯人とグルの派遣社員をfMRIに突っ込んで海馬傍回(笑)が光るか光らないかを見て「ウソはついてませんねぇ」(キムタク曰く) ⇒アウト。理由は第1話に対する解説 [2]を参照のこと 「微笑みには2種類ある。人間は笑いたいなぁと思うと前頭葉にある心に関連する部位が自然な笑顔を作るが、作り笑いだと運動中枢が働いて無理に笑わせようとするので不自然な顔になる」(キムタクが上川に向かって曰く) ⇒そんな話聞いたことがない。「笑顔を見た時の」脳賦活に関する報告 [3]ならあるにはあるが・・・ 「本物だぞ!」と爆弾を体に巻きつけ
神経科学系のポスドクが、脳研究に関する論文のreview・インド料理・ワイン・テニスその他についてマニアックに綴るblog 【脳研究 - issues&ニセ科学問題】 MR. BRAIN第1話あらすじ - TBS さて、昨日のエントリの続きですが。何とうちの研究所の友人の一人が第1話を全部動画に録画していて、mp4ファイルで送ってくれたのでした。ということで、改めて第1話本編をざっとですが通しで視聴してみましたので、その感想および以前本放送前に書いたエントリの内容を踏まえて正確なコメントをつけてみようと思います。 (以下ネタバレ注意!:未見の方はご覧にならずに「戻る」ボタンをクリックしてください) いきなりネタバレ部を書くと未見の方に失礼なので、とりあえず僕が実際に視聴して確認したどうでもいい部分だけ列挙しておきましょう。 <神経神話> 「ヒトの脳は普段は5%しか使われていない」(オープニ
サイエンスアゴラ、「脳科学と神経神話〜科学と社会の健全な関係を探る〜」に出席して、うまくいえなかったことがいくつかあって、その中でもとりわけ困難を覚えたのは、「一般の人が統計学をもう少し知ることが、意外に大事ではないか」という指摘。 これは本当に大事なことだと信じているのだけれど、問題が大きすぎてうまく言えなかった。 そこで、家に帰ってから、ツンドクになっていたこの本を読み始めたら、いきなりまえがきに書いてあった。 ぼくがいいたかったこと。 まさにこの記述。 ……19世紀になっても誤差は増え続けた。測定が精緻になればなるほど、さらに誤差が生じたのだ。時計仕掛けの世界はめちゃめちゃになった。生物学や社会学の法則を発見する試みは失敗に終わった。物理学や化学のような旧来の科学では、ニュートンやラプラスが用いた法則は、大雑把な近似にすぎないことが証明されたのである。徐々に科学は実在(リアリティ
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