殺害されたアンナ・ポリトコフスカヤ氏の命日に開かれた追悼集会=2012年10月7日、モスクワ中心部、関根和弘撮影 ポリトコフスカヤ氏は第2次チェチェン紛争(1999~2009年)を熱心に取材していた。この紛争は、ロシア南部のイスラム教徒が多くチェチェンの一部勢力が、政府から分離独立を目指し、政府側と激しい戦闘を繰り広げた出来事だ。 彼女は紛争の過程で起きたロシア軍による民間人に対する武力の乱用や拷問などの人権問題を調査報道し、次々と記事で「告発」した。さらには、そうした作戦を進めたプーチン大統領の強権ぶりを非難した。 舌鋒鋭く政権批判を展開するポリトコフスカヤ氏の存在感はどんどん高まっていったが、それに伴って何者かによる彼女への「攻撃」が始まった。2004年にはチェチェンに向かう飛行機の中で飲んだ紅茶に毒を盛られ、一時重体に陥った。 そして2006年10月7日。彼女はモスクワの自宅があるア