日本の国会は17日、離婚後も父母双方が親権を持つ「共同親権」を可能とする改正案を可決した。親権に関する法律が改正されるのは数十年来のことで、2026年から施行される予定だ。
わが国に来日して難民認定申請する外国人はコロナ禍が終わると大幅に増え、昨年は1万3823人となった。これは民主党政権の政策変更により激増した2017(平成29)年の約2万人に次いで過去2番目の多さだ。21世紀に入り急増した難民申請の現場で何が起きているのか。 来日→期間満了→申請の「手順」2020年3月、不法滞在のスリランカ人44人を乗せた民間チャーター機が成田空港を離陸した。44人は、強制退去が決まっても送還を拒否していた「送還忌避者」と呼ばれる20~60代の男女。日本での滞在期間は最長12年の人もいた。 出入国在留管理庁によると、チャーター機による集団送還は2013年から8回行われ、6カ国の計339人が本国へ送り返された。このうちスリランカ人は計100人と最も多い。 スリランカ人は過去5年間の難民申請者数でも国籍別で最多の6336人だった。大半がクルド人とみられるトルコ国籍者の5528
「移民」と日本人の平成史は、日系ブラジル人らの「デカセギ」ブームにより本格化した。日系人とは、かつて中南米などへ移民した日本人の子孫。わが国に定住する「移民」の先駆けとして、一時は30万人を超えた。それは日本人にとって「多文化共生」の始まりでもあった。 街宣車放火、機動隊出動日系ブラジル人が多く暮らす愛知県豊田市の「保見(ほみ)団地」。住民約6700人のうち外国人が約3800人で57%を占める。85%以上はトヨタ関連の工場などで働く日系ブラジル人だ。 現在は穏やかな郊外団地の風景が広がるが、かつては日系ブラジル人らによるごみ出しのルール違反や違法駐車、深夜の騒音などをめぐり日本人住民との軋轢が深刻化していた。 1999(平成11)年、一部のブラジル人と右翼関係者のトラブルから大型街宣車が放火され、両者がにらみ合う中で機動隊が出動する騒ぎとなった。住民の一人は「右翼と暴走族が連日『外国人は出
トルコの少数民族クルド人を巡り、欧米への密航を高額な手数料で手引きする違法なネットワークが現地で確立され、渡航費用が安い日本がクルド人の流入先になっていることなどが、日本の専門家による現地調査で明らかになった。調査では、トルコで過去に激しい迫害を受けていたクルド人の立場が、今世紀に入り激変していたことも判明した。 「クルド人への差別はあるが、ルールに従えば命の危険までは感じない」。トルコ国内の建設業の30代男性はいう。 トルコでは長らく、クルド人が迫害を受け、人権団体がたびたび警告を発してきた。男性の父親もクルド人というだけで軍の警察に逮捕され、親族は過去に殺害された。 だが、2003年に首相として政権を掌握したエルドアン現大統領はクルド人との融和政策を推進。その後、副大統領にもクルド系を据えた。 例外が、トルコからの分離独立を求める非合法武装組織「クルド労働者党(PKK)」だ。トルコはP
トルコの少数民族クルド人の欧米への密航を高額な手数料で手引きする違法なネットワークが確立されていることが4日、元国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)駐日代表の滝沢三郎・東洋英和女学院大名誉教授の現地調査で分かった。現地のクルド人の実態が日本の学術調査で判明するのは極めて異例。査証(ビザ)が免除され、相対的に渡航費用が安い日本がクルド人の流入先になってきていることも明らかになった。 トルコ政府がテロ組織と指定する非合法武装組織「クルド労働者党」(PKK)支持を公言するクルド人の一部がトルコ国内で正規に就労を続けていることも判明。日本では反政府勢力の支持などを理由にクルド人の難民認定申請が急増しているが、申請が誤用・悪用されている可能性もある。 滝沢氏が3月、トルコ国内で数週間にわたり現地に住むクルド人らの実態調査を実施。政治社会学会の移民難民研究部会で報告した。 滝沢氏によると、トルコの経
高額な手数料でトルコの少数民族クルド人の欧米への密航を手引きする違法なネットワークの存在が、現地調査で明らかになった。浮かび上がるのは、トルコ政府からの迫害から逃げ延びてきた難民というより、経済的な観点からトルコを出て北米や日本へ移り住もうとするクルド人もいるという、日本国内の議論では語られない「実情」だ。 仕事求め「トルコ経済は最悪。弟は高収入を求めて国外に飛んだんだ」 トルコ国内に住む40代のクルド人男性は、匿名を条件に、弟がトルコから北米へ密航した詳細を産経新聞に打ち明けた。 この男性の弟は30代。2022年末、トルコの最低賃金の3年半分にあたる約1万5千ドル(229万円相当)を遠くメキシコのある組織に支払い、国外への切符を手にした。用意されたのは、大量の偽造書類だったという。 トルコではここ数年、インフレが恒常化。今年3月の消費者物価指数が前年同月比で70%近く上昇したほか、昨年2
理論生物学から始め、歴史を自然科学のように研究してきた進化人類学者のピーター・ターチン。その独得で大胆な主張は、世界から注目を集めてきた。ターチンから話を聞いた、英紙「フィナンシャル・タイムズ」のヘンリー・マンス記者が、その主張を鋭く分析する。 危機を予測した進化人類学者 2010年、英誌「ネイチャー」は、各分野の専門家らに自分の分野が10年後にどうなっているか、予測するよう求めた。グーグルのリサーチ・ディレクターは、インターネット検索がタイプ入力ではなく、ほとんど音声入力でなされるようになるだろうと述べた。 そこにはピーター・ターチンのものもあった。もともと生態学者であった彼の予想は、なかでもおそらく最も大胆だった。「次の10年は米国と西欧が不安定化する時期になる」というのだ。特に「2020年ごろに一気に不安定化する」と示していた。 この予想がなされたのは2010年2月のことだ。同年末に
平成初頭、不法滞在と犯罪という不名誉な行為ばかりが注目された人々がいた。中東から来たイラン人だ。東京の代々木公園や上野公園は彼らの姿で埋まり、変造テレホンカードや薬物の密売が横行した。彼らは日本政府の政策転換の結果、数年後には激減した。 「ジパング」を目指してイラン人が日曜ごとに代々木公園に集まり始めたのは1990(平成2)年。92年には一日に約6千人が詰めかける日もあり、若い男ばかりがたむろする様子は当局から「蝟集(いしゅう)」と呼ばれた。「蝟」はハリネズミを意味し、その毛のように多く寄り集まる状態を表す。 日雇い仕事などの情報交換のほか、磁気情報を不正に改ざんした変造テレカが1枚数百円~千円程度で売られ、ハシシと呼ばれる大麻など薬物の密売、盗品の貴金属の転売など悪質なものもあった。 当時のイランは79年のイラン革命、翌80年から88年まで続いたイラン・イラク戦争で社会が混乱。ちまたに失
社会に受け入れられない移民 「移民を受け入れたのが悪かったとは、私は思いません。むしろ統合がうまくいかなかったと言うべきです」 犯罪作家のイェンス・ラピドゥスはそう述べる。彼はかつて刑事弁護士だったが、作家に転身し、ネットフリックスのドラマ『スナバ・キャッシュ』の脚本を執筆した。彼は、かつて弁護した被告や、ギャングのメンバーのほとんどは、スウェーデンで生まれた人たちだと指摘する。 「ここで生まれても、彼らはまだ外国にいると感じているのです。扉が閉ざされていて、中に入れてもらえていないと。本当の問題は、このような人々の社会への統合に、私たちが失敗したことです」 犯罪作家のイェンス・ラピドゥスが執筆したネットフリックスのドラマ『スナバ・キャッシュ』。スウェーデンに住む移民2世で、シングルマザーの主人公が、起業して成功するために、犯罪集団に加わる親戚から金を借りたことで、さまざまな困難に巻き込ま
増え続ける暴力事件 かつて家だった場所とその周辺に木材、断熱材、被覆材の破片が飛び散り、ぐちゃぐちゃに散乱している。吹き飛んだ窓ガラスの跡には、ギザギザになった破片だけが残っている。カーテンや衣服が散乱し、爆発の威力に押し流されている。 「ニュースで見るような、外国の戦争の現場のようです」と地元住民は言う。 しかし、ここは紛争地帯ではない。スウェーデン第4の都市ウプサラの、かつては平和だった地区だ。昨年9月28日に爆発が起こり、新人教員のソハ・サード(24)が巻き込まれて死亡した。この攻撃は、犯罪組織のメンバーの親戚と思われる隣人を狙ったものだった。 9月末にスウェーデンのウプサラで起きた爆発事件の現場 スウェーデンでは昨年後半、ウプサラとやその南に位置する首都ストックホルムで凶悪な暴力事件が相次いだ。9月から10月にかけての最悪の時期には、毎日のように銃撃や爆破、手榴弾による攻撃が起きて
埼玉県川口市に集住し地元住民との軋轢が表面化しているトルコの少数民族、クルド人。彼らが川口市に住み始めたのは約30年前の平成初め、1990年代初頭といわれる。東京に近く、家賃などの生活費が比較的安いことから、先に来日した親族らを頼って相次ぎ来日し、やがて国内最大の集住地になったという。 山岳地帯から大都会へトルコなどの山岳地帯に暮らすクルド人は「国を持たない最大の民族」と呼ばれ、ドイツやオランダ、カナダなど欧米にも数多く移民している。 クルド人問題に詳しいトルコ人ジャーナリストによると、クルド人はトルコ南東部の山岳地帯の出身が多い。1970~80年代までは社会、経済的に発展から取り残されてきた地域だという。 「彼らの一部は、山岳地帯の小さな村からいきなり川口へ来るケースが多い。そもそも都市の生活に慣れていなかったり、日本の生活や文化に適応が難しい人がいたりするのは仕方がない部分もある。正直
少子化対策にならない子育て支援「子育て支援では出生減は改善されない」 この事実は何度もエビデンスをベースに説明してきた。日本に限らず、欧州などにおいてもそれは同様で、子育て支援政策予算というべき欧州の「家族関係政府支出GDP比」は軒並み日本より高いが、とはいえ出生率も出生数も下がり続けている。そもそも予算の多寡と出生率とは無相関である。 参照→「異次元の少子化対策」を検証する~子育て支援は出生率に影響するのか? 子育て支援予算を拡充したら出生率があがるのならば、30兆円も予算を投じた韓国の出生率が0.72と世界最下位なのはどういうことだろうか。 参照→日本が学ばなければならない「韓国の少子化対策の失敗」出生率激減の根本理由 シンガポールも1980年代から「3人以上の子どもを持とう」というスローガンを掲げて子育て支援予算を投じてきているが、結局一時的に回復したように見えても持続性はなく、あれ
「社会のデフォルトが弱肉強食であることを分かってない人が多すぎる」 ——少し前のことになるが、そう述べる人が波紋を呼んでいた。
女性1人が一生に出産する子どもの数を示した「合計特殊出生率」について、厚生労働省は2022年までの5年間の平均値を調べました。 全国平均は1.33で、前回の調査(2013~2017年)よりも0.1ポイント低くなりました。 市区町村別に調べたところ、最も高かったのは、 ▽鹿児島県徳之島町で2.25、次いで ▽鹿児島県天城町が2.24、 ▽沖縄県宜野座村が2.20と、 上位20の市区町村のすべてを九州と沖縄の自治体が占めました。 一方、最も低かったのは、 ▽京都市東山区で0.76、次いで ▽大阪市浪速区と ▽京都市上京区がともに0.80で、 下位20の市区町村の8割を政令指定都市と東京23区が占め、都市部での出生率が低い傾向が続いていることがわかりました。 東京23区では、豊島区が0.89と最も低く、全国でも7番目に低くなりました。 都市部で出生率が低い傾向にあることについて、人口問題に詳しい
(若狭敬一キャスター)名古屋市中川区の住宅街で行われている、4階建てのビルの解体作業。一部に囲いがなく、粉じんやむき出しのがれきに住民の皆さんが危険を感じています。業者や名古屋市に苦情を訴えましたが…
現在、共同親権の導入を含む民法改正案が国会で審議されています。長年続いた「離婚後は単独親権のみ」という体制からの離脱で、比較的大きな改定になります。この記事では、共同親権を考える上で必要になる背景の知識をいくつか説明します。 記事は長くなりますが、「そもそもお手軽に短く理解したい」という欲求は、考えるとっかかりとしては仕方がないと思いますが、具体的な態度決定・意見表明をする際にはあまり役に立たない気もします。 とはいえ長いですので、要点を下記にまとめています。 親権は親子関係の一部であり、単独親権の現在でも、離婚後の別居親とは法的に親子関係であるし、養育や面会交流、その取り決めがなされることがある。ただ、基本的には当事者間の協議にまかされており、そもそも取り決めがなされていないケースが非常に多いという問題がある。共同親権の導入は、協議および調停の内容に追加の要素をもたらすため、親権あるいは
東京都の小池百合子知事の学歴をめぐり、知事の元側近が月刊誌で、学歴詐称の疑いがあると主張していることについて、小池知事は「大学が卒業を認めている」と強く否定しました。 今月10日発売の月刊誌「文芸春秋」では、東京都の特別顧問などを務めた小島敏郎氏が、小池知事のエジプト・カイロ大学卒業について2020年に大学卒業を証明する声明文が在日エジプト大使館のSNSに掲載された経緯に疑問を呈しました。 これをめぐり小池知事はきのう、卒業証書などを既に公開しているとし、記事を否定しました。 東京都 小池百合子知事 「そもそもが、大前提が違うわけです。『卒業していない』というふうに言っておられるけれども、卒業をし、そして大学がその卒業を認めている」 小池知事はまた、「選挙のたびにこうした記事が出ることは残念なことだ」と述べました。 一方、小島氏もきのう夕方に会見を開きました。 小島敏郎氏 「小池さんがカイ
全SNS民の涙を誘う、そんな投稿があった。 ( https://twitter.com/DaqhneOsmanthus/status/1778612996207763889 より引用 ) ビジネスコミュニケーションアプリ「Teams」のチャット欄で「❤」を使用した40代男性男性がセクハラの嫌疑をかけられ、人事部から調査を受ける羽目になってしまったというものだ。 ちなみに近頃の40~50代くらいの人が、チャットツールなどで若い人に警戒心を持たれなうよう善かれと思い「!」をつかったり「❤」をつかったりするのはそこまで珍しくはない。時事や流行に敏感な人ならなおさらだろう。もしかしたら皆さんの働く会社にもそういう人がいるかもしれない。 若者は文字ベースのコミュニケーションで文末に「。(句点)」が使われていると冷たいとか怒っているような印象を受け委縮してしまうことがあるのも事実だ。そうした事実をニュ
埼玉県川口市の「一部の外国人による迷惑行為の現状を確認する」として、新藤義孝経済再生担当相らが13日、市内の公園を視察し、奥ノ木信夫市長や自民党の同市議団5人と非公開で意見交換した。近年、市内に集住するクルド人に対する排斥運動が頻発し、有識者からは「視察自体が外国人への偏見を助長するのでは」と懸念する声も上がっている。(大久保謙司、出田阿生) ともに同党で、地元選出の新藤氏、中野英幸法務政務官、出入国在留管理庁の君塚宏出入国管理部長が、市内2カ所の公園を訪れた。場所は市が選定したといい、市協働推進課は「クルド人が集まって騒音問題が起きているといった情報が地元市議から複数寄せられており、その中から選んだ」としている。 このうち同市上青木の公園では、1月にトイレが壊された。同課は「防犯カメラ映像に外国人らしき人物が写っていたが、国籍の確認はしていない」という。市は壊した人物を特定していないが、
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