岩手大学の宮崎雅雄教授と上野山怜子大学院生らは、ネコがマーキングする時の尿が通常の尿よりもにおいが強い理由を解明した。尿の成分は同じで、スプレー状に広く壁に吹きかけることで、においを広がりやすくしていた。研究成果は消臭方法の開発などに役立つと期待している。ネコは通常の尿以外に、尻尾を上げて壁などにスプレー状に尿を吹きかけて、縄張りを示す。生後7〜8カ月の性成熟するころから始まり、去勢していない
Published 2022/01/08 04:46 (JST) Updated 2022/01/08 10:06 (JST) 犬は東アジアに生息していたハイイロオオカミから進化した可能性が高く、20世紀初めに絶滅したニホンオオカミが最も近縁だとする研究結果を、総合研究大学院大や岐阜大などのチームが8日までにまとめた。ハイイロオオカミの亜種とされるニホンオオカミの残された骨からDNAを調べ、系統関係を分析した。 査読前の論文をウェブに発表した。チームの寺井洋平・総研大助教(進化生物学)は「東アジアのハイイロオオカミが、犬とニホンオオカミの祖先に分岐したと考えられる」と指摘。 犬が人と暮らすようになった地域の解明に役立つ可能性があるという。
キンギョの祖先は約1400万年前に遺伝子が倍になって進化の原動力になってキンギョができた―。大阪大学などの研究グループがキンギョのゲノム(全遺伝情報)を解読してこのような興味深い研究成果をまとめた。脊椎動物の進化解明のほか、人の病気発症メカニズムの研究にも役立ちそうだという。研究論文は27日に米科学誌サイエンス・アドバンシズに掲載された。 キンギョとフナの祖先種での全ゲノム重複と進化 キンギョやフナの祖先種では、約1400万年前に全ゲノム重複が起こり、遺伝子が一般の魚類の2倍となった。その後、倍加した遺伝子の一部は進化・淘汰されている。その変遷の様子が今回のゲノム解読により明らかとなった。(提供・大阪大学) 研究グループには、大阪大学蛋白質研究所・分子発生学研究室の大森義裕招へい教授のほか、国立遺伝学研究所の川上浩一教授、藤山秋佐夫特任教授らも加わった。 研究グループによると、キンギョはコ
猫のふんの悪臭の一因となる揮発性の硫黄含有化合物の一種が、ふんをした猫の性を識別するフェロモンとして機能していることが、宮崎雅雄・岩手大准教授(生化学)らの研究で分かった。硫黄含有化合物の放出量は雄の方が雌より多く、別の猫がにおいを嗅ぎつけた際、この物質のにおいが強ければ雄由来のふんと識別できていると予想されるという。 ふんから検出されたのは、「3-メルカプト-3-メチル-1-ブタノール」(MMB)。猫に特有のアミノ酸「フェリニン」の分解物で、宮崎氏らの研究グループが2006年に猫の尿から初めて検出し、猫特有の尿のにおいの原因物質であることを突き止めた。今回、ふんのにおいの形成にも関わっていることを初めて発見した。
オオカミの亜種メキシコオオカミ。メキシコ・メキシコ市の動物園で(2017年7月6日撮影、資料写真)。(c)AFP/PEDRO PARDO 【7月19日 AFP】小型犬のチワワから大型犬のセントバーナードまで、今日の飼い犬はその起源を単一のオオカミの群れにまでさかのぼることができるとの研究結果が18日、発表された。人とこのオオカミの群れとの遭遇は、最大4万年前にさかのぼるとしている。 今回の結果をめぐっては、「人間の最良の友」であるイヌがその祖先のオオカミからいつ、どこで最初に枝分かれしたかをめぐる科学的論争を再燃させるとみられている。 オオカミからイヌの分岐が起きた時期と場所については、学派ごとにそれぞれ異なっており、約1万5000年前に欧州でと主張するものや、約1万2500年前に中央アジアまたは中国でと主張するものまで様々だ。 他方で、2016年に米科学誌サイエンス(Science)に掲
ネコの腎不全は、血液中のあるたんぱく質が働かないために起きることをマウス実験で突き止めたと、東京大などの研究チームが12日発表した。ネコは他の動物と比べて腎不全で死ぬ割合が突出して高いが、原因は謎だった。治療法の開発につなげたいとしている。 東大の宮崎徹教授(疾患生命科学)によると、人間やマウスでは、血液中にある「AIM」というたんぱく質が、急性腎不全で腎機能が低下すると活発化し、腎臓内の尿の通り道にたまった老廃物の除去にかかわっている。ネコのAIMを調べると、人間やマウスよりも血液中に多く存在しているが、急性腎不全の時に働いていなかった。 さらに、ネコのAIMをつくる…
モザンビークのニアッサ国立保護区で、オスのノドグロミツオシエを手に乗せるヤオ族の蜂蜜ハンター、オーランド・ヤセニ氏。ノドグロミツオシエは研究のため一時的に捕獲した。(PHOTOGRAPH BY CLAIRE SPOTTISWOODE) ノドグロミツオシエ(学名:Indicator indicator、英名:ハニーガイド)と呼ばれるアフリカの小鳥は、人の声を聞きとり、その意味を理解できることが、最新の研究で初めて確認された。研究結果は科学誌「サイエンス」に掲載された。 モザンビーク北部。ある男性が声を震わせて特殊な音を出すと、ノドグロミツオシエがそれに気付く。男性は蜂蜜を求めて、ハチの巣を探しそうとしている。ノドグロミツオシエは、彼を巣の場所まで案内し、ごほうびに人間が取り出したハチの巣をもらう。 飼い慣らされた種が人間とコミュニケーションを取れることはよく知られているが、「野生動物と人間も
ロシア東シベリア・サハ共和国北部の北極圏で8日までに、推定1万2千年前の子犬の死骸が良好な保存状態で見つかり、日本にも鑑定のため検体が送られた。氷河期の犬が細胞組織を採取できる形で見つかるのは極めて珍しく、組織を詳しく調べれば犬の起源を推定する上で大きな発見につながる可能性がある。 北東連邦大付属マンモス博物館(ヤクーツク市)によると、1匹目は2011年8月、北極海に面したウスチヤンスキー地区の川岸でマンモスの牙を探していた人が凍土から発見。15年に博物館の調査団が、付近でもう1匹を見つけた。 同博物館は、2匹の組織などを調べた結果、約1万2千年前に死んだ生後約3カ月の子犬と推定。2匹は兄弟とみられている。付近では焼かれたマンモスの骨も見つかり、人がいた可能性もある。(共同)
飼いネコとより良いコミュニケーションを取るため、スウェーデンの研究者がネコの鳴き声の解読へ。(説明は英語です) 米ニューヨーク州で昨年行われたアンケート調査によると、ペットを飼っている人のほとんどが、人間に話しかけるようにペットに話しかけているという。また多くの飼い主は、イヌやネコが吠えたり鳴いたりして、空腹や恐れ、トイレに行きたいなどの意思を人に伝えていると考えている。 だとすると、そのとき動物たちが発する声には、ニューヨークなまりがあるのだろうか? そんな疑問を抱き、ネコとの音声コミュニケーションについての研究を立ち上げたのは、スウェーデンの愛猫家でルンド大学の音声学研究者、スザン・ショッツ氏だ。氏自身も3匹のネコを飼っている。(参考記事:「ネコは飼い主をネコと思っている?」) 実験のため、スウェーデン最南端の町ルンドと、そこから500キロ北にあるストックホルムで氏は協力者を募っている
サハ共和国の首都ヤクーツクにある北東連邦大学で、子犬の解剖をする科学者たち。同大学マンモス博物館提供(2016年3月15日撮影)。(c)AFP/MAMMOTH MUSEUM OF THE NORTH-EASTERN FEDERAL UNIVERSITY 【3月29日 AFP】シベリア東部ヤクチア(Yakutia)地方でマンモスの牙を探していたハンターらは、急こう配の川岸に引き寄せられた。古い骨が埋まっていたからだ。驚いたことに、それは永久凍土から突き出た氷河期の子犬の鼻だった――。それから5年後の現在、完全な状態で保存されていた1万2460年前の子犬2匹は、世界中の科学者の注目を集めている。 「皮や毛、内臓が損傷していない肉食哺乳類の発見は史上初」と、サハ共和国の首都ヤクーツク(Yakutsk)にある北東連邦大学(Northeastern Federal University)マンモス博物
ペットのネコもヒトと同じような仕組みでアルツハイマー病になる事例を、東京大などの研究グループが見つけ、欧州の専門誌に発表した。人工的に病気を発生させる実験用マウスとは違い、ネコの病変は自然に起きる。さらに調べることで、ヒトの病気の仕組み解明にもつながりそうだ。 ヒトのアルツハイマー病患者の脳では、アミロイドβとタウという2種類のたんぱく質の蓄積がみられる。研究グループは、ペットとして飼われていた22歳までの23頭のネコの脳を死亡後に解剖した。8歳ごろから脳にアミロイドβがたまり、14歳ごろからタウがたまることがわかった。異常なタウの蓄積がみられたネコの脳では、神経細胞が減っていた。 アミロイドβとタウの蓄積で神経が傷つけられる過程はヒトの脳でもよくわかっておらず、「ネコの研究が病気の解明に役立つだろう」と東京大大学院農学生命科学研究科のチェンバーズ・ジェームズ助教は話す。(瀬川茂子)
現代のイヌの起源は中央アジア――。5000匹以上の犬を対象にしたこれまでで最も詳細な遺伝子調査にもとづく結論を、米コーネル大学の研究チームが米国科学アカデミー紀要(PNAS)に発表した。 イヌは何千年にもわたり人間の手で品種改良が重ねられた結果、他のどの動物よりも種類が多様だ。しかしその祖先は野生のオオカミで、おそらくモンゴルやネパール周辺で、狩りをする人間の集団によって次第に飼いならされ、人間と行動を共にするようになったとみられている。
米ユタ州プロボ川でフライフィッシングを楽しむ釣り人とゴールデンレトリバー。犬は、人が思っているよりもずっと人間らしいことが、最近の研究でわかってきた。(PHOTOGRAPH BY CAMERON LAWSON, NATIONAL GEOGRAPHIC CREATIVE) 犬を飼っている人なら驚かないかもしれないが、人類最高の友人である犬は、人っぽい行動をとることが多いことが、研究によって明らかになってきている。 これまでの研究により、犬は表情を読み、嫉妬を伝え、同情を表現し、テレビを見られることがわかっている。専門家によると、彼らが人間みたいなこれらの特技を身につけたのは、オオカミから家庭用ペットへと進化を遂げた、1万1000年前から1万6000年前の間のことなのだそうだ。(参考記事:「犬がテレビに夢中になる理由」) 米エール大学比較認知科学研究所のローリー・サントス所長は、とりわけ、犬が
人に飼われている犬は、飼い主に対し不親切な人を嫌う傾向があることが分かったと、京都大学の研究グループが発表しました。犬の感情を知る手がかりになるのではないかと注目されています。 実験では、飼い主が缶のふたを開けられず困っているふりをして、両脇にいる2人のうちの1人に協力を求め缶を渡そうとしたところ、その人がそっぽを向いて拒否するという様子を犬に見せました。そして、その直後に両脇にいる2人が同時に餌を差し出し、どちらの餌を食べるか調べました。 18匹の犬で繰り返し調べたところ、11匹で、飼い主に協力しなかった人からは餌を食べない傾向がみられ、研究グループは犬は飼い主に不親切な人を嫌う感情があるとしています。 一方で、1人が飼い主から缶を受け取って協力する様子を見せる実験も行いましたが、飼い主に協力的な人を好む傾向は特に確認できなかったということです。 藤田教授は「犬は飼い主への態度を読み取っ
遠吠えをするハイイロオオカミ(学名:Canis lupus)と、それを聞いて興奮する子オオカミ。米モンタナ州にて撮影。(Photograph by Norbert Rosing, National Geographic Creative) 「なぜオオカミは遠吠えをするのだろう」。先日、そう知人に質問されたとき、私の頭をよぎったのは「もしあなたが遠吠えをできるとしたら、吠えずにいられるだろうか」という考えだった。いかがなものだろう。 野生の呼び声に応えるような響きには魅了されるが、実は遠吠えをする動物はそう多くない。 遠吠えをする動物の代表格といえばオオカミだろう。その声には独特の調べもある。米ワイオミング州イエローストーン国立公園の上席野生生物学者ダグ・スミス氏によると、オオカミの遠吠えには3つの理由がある。 まずは他の個体に自分のなわばりを知らせ、近づかないようにさせるため。2つめは群れ
イグ・ノーベル賞の授賞式で、ゴジラがバナナの皮を踏んで足を滑らせる絵を使って、研究内容を説明し、爆笑を誘った北里大の馬渕清資教授(18日、米ハーバード大で)=中島達雄撮影 【ケンブリッジ(米マサチューセッツ州)=中島達雄】ユーモアあふれる研究に贈られる米国の「イグ・ノーベル賞」の授賞式が18日、米ハーバード大で開かれた。 24回目となる今年は、バナナの皮を踏んだ時の滑りやすさを研究した、北里大医療衛生学部の馬渕清資(きよし)教授(63)らが物理学賞を受賞した。日本人の受賞は20組目で、2007年から8年連続。 馬渕教授らのグループは、ふだん研究する人工関節の性能向上に、バナナの皮の滑りやすい仕組みを応用できないかと考えた。バナナの皮の内側を下にして床に置き、靴で踏む実験を100回以上繰り返した結果、皮がない時に比べて、6倍滑りやすくなることがわかったという。皮の外側を下にした場合は3倍だっ
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