東日本大震災直後の放送を振り返り、災害報道を語る横尾泰輔さん=神戸市中央区中山手通2、NHK神戸放送局(撮影・小林良多) 早く安全な高台に避難してください-。NHK神戸放送局の横尾泰輔チーフ・アナウンサー(49)は東日本大震災当日、東京・渋谷のスタジオから生放送で呼びかけを続けた。だが、逃げ遅れによる犠牲者は増え続けた。「もっと強く呼びかけるべきではなかったか。失われた命は自分の放送のせいではないか」。そんな自責の念を胸に、命を守る言葉を追求してきた。(上田勇紀) 【別カット】東日本大震災直後の放送を振り返り、災害報道を語る横尾泰輔さん 2011年3月11日午後2時46分。東京のNHK放送センターに勤務していた横尾さんは、午後1時のニュースを読み終えて自席にいた。緊急地震速報が鳴り響く。揺れの中で階段を駆け上り、キャスター席に座った。 「岩手県3メートル 宮城県6メートル 福島県3メートル