柿の皮が牛のげっぷに含まれるメタンガスを減らす――。長野県畜産試験場は、県特産の「市田柿」の皮の粉末を餌にかけて牛に与えると、胃内部のメタンガス濃度が乳用牛で6分の1、肉用牛は4分の1以下に低下すると明らかにした。酪農肉用牛部は「温暖化対策だけでなく、加工段階で廃棄される柿皮の有効活用にもつながる」と期待する。 牛などの反すう動物の第1胃では微生物が繊維を消化し、動物にエネルギー源を供給している。同時に、メタン産生菌によってメタンガスも発生する。同試験場によると、その量は二酸化炭素(CO2)換算で、農林水産分野から排出される量の35%を占める。 同試験場は、渋柿に含まれているポリフェノールに、メタン産生菌の活動を抑えられる効果があることに着目。「市田柿」(干し柿)に加工する際に出る柿皮を使い、効果を調べることにした。 試験では、低温の水を使い一定時間、加圧して有効成分を抽出する色差分解(特