材料を切り、鍋に調味料を入れて、ボタンを押すだけで料理ができる「電気調理鍋」は、忙しい共働き世帯の〝救世主〟ともいえる存在だ。簡単に色々なメニューを自炊できるため、新型コロナウイルス禍の巣ごもり需要で一気に広がった。電機各社は一段とおいしく調理できるようにかき混ぜ機能に工夫を凝らして、仕上がりを競い合っている。 50年以上前からある自動調理鍋に革新を起こしたのが平成27年にシャープが発売した「ヘルシオ ホットクック」だ。 独自のかき混ぜ技術と火加減制御で圧力をかけず、調理作業の多くを自動化。予約機能も搭載し、電気調理鍋ブームの火付け役となった。累計60万台以上を販売するヒット商品だ。 料理をおいしくする肝となるのが鍋の上からアームを使い、かき混ぜる独自技術だ。「センサーを活用し、食材の状態に合わせて回転数や回転力、角度を制御する」(調理企画開発部の吉田麻里主任)という。ムラをなくし、全体に