深堀り戦術分析スペシャルレビュー アルゼンチン代表がPK戦の末にフランス代表を退け、36年ぶり3度目の栄光を手にし幕を閉じたカタールW杯。メッシとエムバペ、両チームのエースが躍動し歴史的名勝負となった一戦の戦術的なポイントを、らいかーると氏が細かく掘り下げる。 コンディションや累積での選手交代を除くと、グループステージからファイナルまでチームの仕組みを大きく変える必要のなかったフランス代表。一方で、サウジアラビア代表戦での衝撃から突貫工事を始め、徐々にチームとしての最適解にたどり着きつつも相手の対策も忘れない柔軟さを見せてきたアルゼンチン代表。 両者を比較すると、結果を残してきたチームをいじりにくいフランスと、いじることで結果を残してきたアルゼンチンでは、アルゼンチンの方が決勝戦に備えて動きやすい側面があったことは紛れもない事実だろう。実際、最初に仕掛けてきたのはアルゼンチンという構図は、