2020年9月19日、日本が誇る研究船「みらい」が、北極に向けて出航しました。総勢11名の研究者たちが、激変する北極の“今”を調査するのです。北極は、今後、地球に起こる異変が、はじめに現れる場所―いわば、「炭鉱のカナリア」として注目を集めています。 この1か月半に及ぶ北極調査に、NHKコズミックフロント取材班が、まるごと密着! 研究者たちと寝食を共にする中で、激変する地球環境の“リアル”が見えてきました。私たちの未来を占う最新観測結果と、研究者たちの奮闘をリポートします。 コロナ禍での挑戦 いざ北極へ! 2020年9月。厳しい残暑の中、私たち取材班は静岡県清水港に停泊中のみらいの中で、鼻に棒を突っ込まれていました。フガフガ…新型コロナウイルス感染対策のためのPCR検査です。今回の航海は、日本から北極へ行き、どこの港にも寄らず、日本に戻ってくる無寄港航海。そして、みらいの定員は80名。もし船
海上自衛隊の練習艦「かしま」は9月上旬、北極海を約30時間航行した。海自の艦艇が北極圏に入ったのは創設以来初めてだ。かつての冷戦時代は氷の下で米ソの潜水艦が往来するなど緊迫し、自衛隊は近寄ることが難しかった海域だ。55日間にわたる遠洋練習航海の一環だが、今なぜ、北極海へ向かったのだろうか。 防衛大などを卒業して自衛隊に入った幹部候補生たち。海自では、広島県江田島市にある幹部候補生学校で1年間の教育を受け、修了後に実習生として遠洋練習航海に入る。実任務にあたる艦艇ではなく、訓練専用の練習艦を使って世界各地を航行して技術を磨き、寄港先での交流行事などを通じて国際情勢の理解や親善を図る目的がある。今回参加したのは実習生110人や航海に習熟した乗員を含む約310人。千島列島沿いにオホーツク海を北上し、ベーリング海、米国のアラスカ州のノームとアンカレジやハワイ、サイパンを回って帰国する約2万2000
ノルウェー、スバールバル諸島北、氷の海で研究船に乗る北極圏研究者たち。極夜の最中で、光はほとんど見えない。ボートが転覆した場合に備えてサバイバルスーツを着用し、ホッキョクグマに出くわした場合に備えてライフルを携行している。(PHOTOGRAPH BY MICHAEL O. SNYDER) 真冬の北極圏では、太陽が地平線より上に昇ることはなく、夜が明けない日が続く。いわゆる極夜だ。 「常に夜勤で働いているような感じです」と英スコットランド海洋科学協会の海洋学者フィンロ・コッティエ氏は話す。 2018年、コッティエ氏らの研究チームは真冬の北極圏を訪れ、極北の海に暮らす生きものに光が及ぼす影響を調べた。その結果、光害が海洋生物の生態系を大きく変えてしまう可能性が示され、3月5日付けの学術誌「Communications Biology」に論文が発表された。 今回の結果が海洋生物にとって一体どんな
リリース、障害情報などのサービスのお知らせ
最新の人気エントリーの配信
処理を実行中です
j次のブックマーク
k前のブックマーク
lあとで読む
eコメント一覧を開く
oページを開く