山崎は近年、タイトル経験者と若手精鋭の間で埋もれていたが、独創的な指し方を駆使してタイトル戦の大舞台に登場した。「山ちゃん」の愛称でファンから愛される山崎将棋の特徴、公式戦での好調の要因、打倒藤井の決意などについて、田丸昇九段が解説する。また、羽生に挑戦したタイトル戦、2016年に電王戦二番勝負で最強将棋ソフト『PONANZA』(ポナンザ)との激闘も合わせて紹介しよう。【棋士の肩書は当時】 15年前、王座戦17連覇の羽生善治に挑んだ日 山崎八段は、1992年に森信雄七段門下で奨励会(棋士養成機関)に入会し、98年に四段に昇段して17歳(当時は最年少)で棋士になった。やがて頭角を現すと、2000年に新人王戦、05年にNHK杯戦で初優勝した。盤外では美青年棋士として注目され、女性ファンが多かった。 2009年の第57期王座戦五番勝負で、17連覇していた羽生善治王座(当時38)に対して山崎七段が