■第1回の要旨 最近、格差社会という用語をよく見たり聞いたりする。日本においても経済格差をはじめ、様々な点において格差が指摘されている。しかしながら、それらの格差の中には許容できる格差も多いといえる。つまり、格差があるからといって不公平とは一概には言えないのである。それでは公的年金についてはどうか。公的年金も世代間の格差はある。果たしてそれは不公平と言い切れるのであろうか。 ■第2回の要旨 現行の公的年金制度においても、老齢給付以外に障害給付や遺族に対する給付など、私的年金や保険ではそれらすべてをまかなうことができない大変良い役割を果たしている面があることをおさえると同時に、制度を維持・改革するためには消費税増税が不可避であり、増税時期を決める議論をすべきであると説く。 ■第3回の要旨 現行の公的年金制度では、マクロ経済スライドが導入されているため、将来的な負担と給付のバランス調整をとるこ