滝沢直己氏はイッセイミヤケのデザイナー時代、当時の最新素材を使った薄くて軽い「ウィンドコート」を手がけたことで知られる=東京都港区南青山の三陽商会 本格的なコートの季節が近づいてきた。最近のトレンドは軽量で機能的な商品だが、温暖化やファッションのカジュアル化に伴い、紳士コート市場は不振が続いている。そんな中、英バーバリーなど人気ブランドを抱える三陽商会は今年、自社ブランド「SANYOコート」のデザイナーを戦後初めて外部から起用した。イッセイミヤケの前デザイナーで、国内外で活躍する滝沢直己氏。老舗による大胆な決断は、現状への危機感の表れともいえる。 「SANYOコート」は三陽商会が昭和21年に開発したレインコートから発展した。戦後約60年間、ロゴマークなどを別にすれば、コート部門に外部からデザイナーを迎えたことは一度もない。 しかし、ここ数年、紳士コートは苦戦。昨年の紳士服全体に占めるコート