現場での “再現性” カギ 大手電機メーカー2社が独自技術を農業に応用する。パナソニックホールディングス(HD)は、葉に散布すると農作物の収穫量を増やす効果がある成長刺激剤について、2024年度内の実用化を目指す。微生物を利用し、製造時に二酸化炭素(CO2)を利用する点から脱炭素への貢献も可能とみる。シャープは空気浄化技術を国内の植物工場に提案する。農業は環境負荷が大きく、他業界の技術を活用する余地がある。農作業の現場で再現性を担保できるかが課題だ。(大阪・森下晃行) パナソニックHDの成長刺激剤「ノビテク」はシアノバクテリアを原料とする。水とCO2から光合成を行い、葉緑体の起源とされている微生物だ。 遺伝子改変により細胞外膜が剥がれ落ちる特性を持たせたシアノバクテリアを培養。細胞外に漏れ出た光合成時の代謝物や、膜脂質などを抽出したものが成長刺激剤になる。 水に希釈して野菜に散布する実証実