久しぶりに角川書店のFさんとSさんと打ち合わせをして食事をする。 奥湯河原の伊藤さんのお店「アンリ・エルルカン」へ。前菜の焼き茄子のムースがすばらしかった。おかわりしたいほど。ご飯にかけて食べたい……と下品なことを考えた。 野生時代の連載と同時進行で、角川学芸出版のウェブで「マージナル」のノンフィクション版を連載する。同時に秋に短編集を出すための準備を進めていて、今年はたくさん角川書店で仕事をすることに……。角川の編集者の方とはすでに十年近いつきあいになるのに、小説の出版は初めてである。それなのに見捨てずつきあってくれてほんとうにすみません。作家生活も十年になろうとすると、編集者には頭が上がらないというか、ほんとうによくもまあこんなに仕事しないのにつきあってくださったなあ……と、申し訳ない気持ちでいっぱいになり、それを原動力に長編を書いているようなところがある。西村京太郎先生が「なぜ、こん