会議や記者会見などで「求められれば,協力するにやぶさかでない。」のように使われることのある「やぶさかでない」。「国語に関する世論調査」の結果では,この言葉を「仕方なくする」という意味で使う人が多いことが分かりました。これは,本来の意味と違っているのですが,実際の使われ方を調べると,意味が揺れている状況や理由が見えてきます。「やぶさかでない」という言葉について考えましょう。 問1 「やぶさかでない」とは, 本来どのような意味でしょうか。 答 「喜んでする」という意味です。 「やぶさかでない」の意味を辞書で調べてみましょう。「やぶさか」の項を引いてみます。 「広辞苑 第6版」(平成20年・岩波書店) やぶさか【吝か】 (1)物惜しみするさま。けちなこと。吝嗇(りんしょく) (2)未練なさま。思い切りの悪いさま。 (3)(「…に―でない」の形で)…する努力を惜しまない。ためらうことなく,…する。