あらゆるモノがネットにつながる「IoT」時代を迎え、企業の知的財産戦略はモノからコトへの対応に変革を迫られている。せめぎ合いの最前線にあるのが「つながる車」の特許をめぐる攻防だ。通信の主要特許を持つ海外勢に日本の自動車業界は揺さぶられている。日本勢は技術で主導権を取り戻せるか。スズキとライセンス交渉2022年夏、スズキの阿部俊明・知的財産部長は横浜市を訪れた。目指したのは、横浜駅近くの20階
日本発のコンピュータOSで世界シェアの約60%を占めるものがある。1984年にプロジェクトが開始された、組み込み型OS「TRON」だ(現在、正式にはT-Kernel)。このTRONを発案・牽引してきたのが東洋大学の坂村健教授だ。現在のIoTの先駆けとして国際電気通信連合(ITU)の「ITU150周年賞」も受賞している。未来をいちはやく構想してきた坂村氏に、世界に広がった理由などを聞いた。(ジャーナリスト・森健、撮影:塩田亮吾/Yahoo!ニュース 特集編集部) コンピュータを動かす基本的なシステム=OS(オペレーティング・システム)というと、Windows、macOS、あるいはスマートフォンのAndroidやiOSなど「情報処理用OS」が頭に浮かぶだろう。だが、名前こそあまり知られていないが、世界中の多様なコンピュータに関わる日本発のOSがある。「TRON」だ。「組み込み型OS」というタイ
「女性のエンジニア転職は辛いし向いてないって本当?」 エンジニアの多くは男性ですが、最近は女性エンジニアもかなり増加しています。 日本は慢性的なエンジニア不足が続いているので、実は女性でもエンジニアに転職するのは難しくありません。 今回はそんな女性がエンジニアに転職するポイントや、辛い、向いていないと言われる理由などを紹介していきます。 女性エンジニア転職は辛い?向かない? 結論から言うと、女性は未経験からエンジニアへの転職が向いてないということは全然ありません。 今は未経験からエンジニアに転職する女性が増えており、活躍している方も珍しくないからです。 また、女性エンジニアは男性と比べると数が少ないため、多くの企業は女性エンジニアの採用に積極的です。 そのため、全く同じ条件の男性がいた場合、女性というだけで採用されることも珍しくありません。 ただ、以下で紹介するように女性エンジニアの転職は
去年1年間に検知された、サイバー攻撃に関係するとみられる不審な通信が前の年に比べておよそ1.5倍に急増したことが警察庁の調査で分かりました。警察庁はサイバー攻撃の動向などを把握するため、インターネット上に複数の観測点を置いて、接続情報などを分析しています。 なかでも「Mirai」というコンピューターウイルスに感染したIoT機器から別のIoT機器に発信されたとみられるものなど、普及が進むIoT機器を標的にした通信が高い頻度で観測され、こうした機器をねらったサイバー攻撃が活発化している状況がうかがえます。 一方、去年、全国の警察が検挙した、インターネットを悪用した詐欺や不正アクセスなどのサイバー犯罪は9046件と過去最多になっていて、警察庁はサイバー空間の脅威は深刻化しているとして警戒を強めています。
サイバー攻撃対策の一環として、総務省は家庭や企業にあるインターネット家電などのいわゆる「IoT機器」に無差別に侵入して対策が不十分な機器を洗い出す、世界でも例のない調査を行うことになりました。しかし、実質的に不正アクセスと変わらない行為を特例的に国が行うことに懸念の声もあがっています。 それによりますと、調査は家庭や会社などにあるルーターやウェブカメラなどのIoT機器およそ2億台を対象に来月中旬に開始し、無差別に侵入を試みて、初期設定のままになっているなどセキュリティー対策の不十分な機器を洗い出し、ユーザーに注意を促すとしています。 実際、おととし1年間に情報通信研究機構が観測したサイバー攻撃のおよそ54%でIoT機器がねらわれていて、国は東京オリンピックに向けて対策を強化する必要があるとしています。 一方、調査では予想されるIDとパスワードを実際に入力して機器に侵入する計画で、本来は不正
「面白いアイデアだ」「発想の勝利ではないか」――筑波大学と大阪大学がこのほど発表した、カエルの合唱の“ある法則性”を活用する研究結果が、ネット上で注目を集めている。ニホンアマガエルの合唱は、個々では鳴くタイミングをずらし、全体では一斉に休む時間がある。この法則性をIoT機器のネットワークに応用すれば、近くの端末同士のパケット衝突を回避できる一方、省エネにもつながるという。 カエルの合唱とIoT機器のネットワークという、一見すると関係がないように思える事柄を結び付けた研究結果に、ネット上では「すごすぎる」「まさかの応用」などと驚きの声が上がっている。研究の経緯を、筑波大学の合原一究助教(システム情報系)に聞いた。 カエルの合唱に“隠された法則性” ニホンアマガエルの実験で、研究チームが確認した法則性はこうだ。短時間では「オス同士が鳴くタイミングをずらしている」が、長時間では「鳴いている区間(
ニホンアマガエルの合唱の法則性を、IoT機器のネットワークに活用すれば、近くの端末同士のパケット衝突を回避でき、ネットワーク全体の接続性向上やエネルギーの省力化が期待できるという。 ニホンアマガエルの合唱は、個々では鳴くタイミングをずらし、全体では一斉に休む時間がある――筑波大学、大阪大学が1月9日、そんな研究結果を発表した。カエルの合唱の法則性を、IoT機器のネットワークに活用すれば、近くの端末同士のパケット衝突を回避でき、ネットワーク全体の接続性向上やエネルギーの省力化が期待できるという。 研究チームは、オスのカエル3匹を50センチ間隔で並べ、録音した鳴き声を解析。短時間でみると「オス同士は鳴くタイミングをずらしている」という先行研究の結果に加え、長時間でみると「鳴いている区間(時間帯)をそろえる」という性質を確認した。 同チームは、個々のカエルは鳴くたびにエネルギーを失い、疲労度が増
明治大学の渡邊恵太先生の研究室共同研究成果発表展 『IoT時代のインタラクションデザイン』に行ってきました。 渡邊先生の著書の「融けるデザイン」を拝読して自分自身のものの見方、デザインの考え方が変わったこともあり、今回の研究室初の研究成果の展示会に行くのを楽しみにしていました。 ここでは見てきた作品の一部を紹介します。 『WorldConnector』 触覚を映像と一緒に再生する装置。 棒を握ると映像に合わせて棒に伝わる触覚が再生されます。 市販のカメラで映像と音(振動)を収録し、振動スピーカーと棒についたプロジェクターで映像を再生。 映像に合わせて自分も棒を動かすとよりリッチな触覚が返ってきました。 身近な機器を使って新しい体験を生み出していました。
「Mirai(ミライ)」というウイルス(マルウエア)を覚えているだろうか。2016年9月、インターネットにつながる監視カメラや複合機といったIoT(インターネット・オブ・シングス)機器およそ数十万台に感染し、標的としたサーバーに600ギガビット/秒を超える大量のデータを一斉に送信させて麻痺させた。 IoTの普及とともに危惧されていた「IoTウイルスの脅威」。それを広く知らしめたのがMiraiだった。このMiraiに関わったとされる3人が2017年12月に米国司法省に訴追され、罪状を認めたという。Miraiウイルスの作者の末路やいかに。 多数のIoT機器から一斉攻撃 Miraiは、セキュリティを設定していない機器や初期パスワードを変更していない機器などに勝手に接続し、自分自身を送り込んで感染する。ネットワーク経由でパソコンに感染を広げるウイルスと、基本的な挙動は同じだ。 IoT機器に感染した
農業のIT化が進む中、農協の業務の中でもやっかいな出荷物の配送予定の作成時間を大幅に短縮するシステムが登場した。1日8時間かかっていた作業がわずか1秒で済むという。導入するのは、神奈川県の三浦市農業協同組合(以下三浦市農協)とサイボウズ。独自のアルゴリズムを使って、人間が計算するよりも速く、かつ効率的な配車予定を組むことが可能になる。 時間かかるうえにトラック台数多く非効率 農協にとって出荷振り分け作業というのは、最も面倒な作業の一つ。翌日に農家から出荷される出荷物の量を把握し、市場などの配送先ごとの出荷数量と、荷物をどの運送会社のトラックにどう積み分けるかを決める。この作業は基本的に手作業で行われていて、三浦市農協の場合、まずは農家が各出荷所に翌日の出荷予定を連絡し、各出荷所が農協に連絡。農協は全出荷所から受け付けた数量をExcelへ入力し、北海道から大阪までの約50の市場への出荷数量を
シリア、イラク、ウクライナではすでに民生ドローンの軍事転用が盛んに展開されている。ウクライナの世界最大の弾薬庫がドローンによって爆破され、米国の戦略家たちの間で議論が起きたことは、本コラムでお伝えしたとおりだ。 (参考)「自衛隊はドローン1機の攻撃を防げない」 http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/50754 さらにここにきて、人類史上初の自家製ドローンによる集団攻撃が実施され、大きな衝撃となって報じられている。今回は、その概要と意味について論じてみたい。まずは、その概略を見てみよう。 手作りドローン集団がロシア空軍基地を襲撃 1月5日、13機のドローンがシリアに展開するロシア軍を襲撃した。10機がフメイミム空軍基地へ、3機がタルトゥース海軍基地に向かい、攻撃を敢行した。これらは固定翼タイプの無人機であり、10発の爆弾を抱えていた。 ロシア国防総省の公式
シングルボードコンピューターは、「Raspberry Pi(ラズベリーパイ)」を筆頭にIoT製品などに組み込まれることも多い小型コンピューターです。しかし、ニーズが高まってくると、PC並のパワーが必要な場面が出てくることも考えられます。「LattePanda Alpha」を使えば、シングルボードコンピューターでありながら、MacBookと同等以上の性能で、よりリッチなIoTシステムを作ったり、Linuxをインストールして小型の家庭用サーバーの構築や開発環境として使えるとのこと。また、Windows 10がプリインストールされているので、macOSユーザーの場合、Windowsで作業するためだけに、Boot Campを使って、ハードディスクのパーティションを分ける必要もなくなるようです。 Introducing LattePanda Alpha – LattePanda http://www
さまざまなものをインターネットに接続する「IoT」の普及が進む中、日本国内でIoT機器を狙ったコンピューターウイルスの感染が今月に入って先月の100倍に急増し、大規模なサイバー攻撃の危険が高まっていることが、大手通信事業者の調査でわかりました。 こうした中、大手インターネット通信事業者の「IIJ」が国内のIoT機器の感染状況を調べたところ、先月の観測では100台余りにとどまっていたのが、今月に入って1万2000台余りと100倍以上に急増したことがわかりました。 こうした傾向はほかの通信事業者なども捉えていて、感染したIoT機器が何者かに遠隔操作されれば、国内を発信源にした大規模なサイバー攻撃が起きるおそれがあることから、現在、複数の通信事業者や研究機関が協力して感染した機器の特定を進めているということです。 IIJセキュリティ本部長の齋藤衛さんは「サイバー攻撃への備えを強化するとともに、I
AI(人工知能)に関わる技術、なかでもディープラーニングが急速に発達し、社会のさまざまな領域で実際に利用されるようになりました。その背景のひとつには、AI分野での研究開発に多大な投資を行っている大手IT企業が、その成果の一部をオープンソースとして公開し、世界中のエンジニアが自由に使えるようになったことがあります。 こうしたオープンソースのAI関連ライブラリには、Googleの「TensorFlow」やFacebookの「Torch」といった海外のIT企業のものだけでなく、国内にもPreferred Networksの「Chainer」やソニーの「Neural Network Libraries」などがあります。最近では、関連した情報も数多く手に入るようになりました。 また、これらのライブラリの多くには親切なチュートリアルも用意されており、AIの開発経験がないエンジニアでもさほど手間を掛ける
人は五感を使ってさまざまなものを知覚している。その中でも動作に関わるのは視覚と聴覚、そして触覚だ。テレビで放送中の番組や録画した番組を見ること、ライブで音楽を聴くことや録音された音楽を聴くこと――「視覚(=見る)」と「聴覚(=聴く)」については、それを保存したり、遠隔地に伝えるといった技術はすでに実現している。 ところが、「触覚(=触る)」ついては、保存したり、遠隔地に伝える技術が実用化に至っておらず、感覚技術最後の「ブルーオーシャン」とも言われ、産業界でも熱い期待がもたれている。慶應義塾大学理工学部システムデザイン工学科 助教の野崎貴裕氏がTREND EXPO TOKYO 2017に登壇。「触る」技術についてのこれからを語った。 「現在、少子高齢化が進んでいます。若年労働力の減少や介護負担の増加、熟練技術者の喪失が起こっていく中で、人工的に労働力を創成していく必要があるんです」と、日本が
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