8月15日は第二次世界対戦の終結から78年となる終戦の日です。戦後、旧ソ連軍によって57万人以上の日本人が連行され、強制的に働かされたシベリア抑留。その中に女性もいたことはあまり語られていません。2年間の抑…
8月15日は第二次世界対戦の終結から78年となる終戦の日です。戦後、旧ソ連軍によって57万人以上の日本人が連行され、強制的に働かされたシベリア抑留。その中に女性もいたことはあまり語られていません。2年間の抑…
ロシアのプーチン政権をロシア・ウクライナ戦争へ駆り立てたナショナリズムの思想はどのようなものなのでしょうか。長引くロシア・ウクライナ戦争の思想的背景について、近代ロシア文学・思想を専門とする、総合文化研究科の乗松亨平教授に聞きました。 イリヤ・レーピン〈トルコのスルタンに手紙を書くザポリッジャ・コサック〉(1880-91) ©Ilya Repin プーチン政権の帝国的ナショナリズムとロシア民族主義 ―― 今回の戦争をどのようにご覧になっていますか? 従来、プーチン大統領は現実判断に基づいてプラグマティックな行動をとる冷静な政治家であると一般的に評価されていましたが、2014年のウクライナ危機以降、今回の戦争に至るまでを見ると、その評価を変えざるをえません。プーチンのこうした変化の一因として、ロシア・ナショナリズムの思想が注目されています。 プーチンは、9月30日にウクライナ4州の併合を宣言
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2023年 3月 24日 コメントは受け付けていません。 ソヴィエト科学の裏庭 イデオロギーをめぐる葛藤と共存 《水声文庫》 金山浩司(編) 藤岡毅+セルゲイ・コルサコフ+市川浩+コンスタンチン・トミーリン+齋藤宏文(執筆) 判型:四六判上製 頁数:306頁+モノクロ別丁4頁 定価:3500円+税 ISBN:978-4-8010-0708-6 C0022 装幀:宗利淳一 4月中旬発売! 閉鎖された〈イデオクラシー国家〉における科学研究の実像 スターリン時代の哲学者・科学者たちは、教条的なイデオロギーと権力に翻弄されるばかりであったのか。 マルクス主義、遺伝学、量子力学、植林計画をめぐる論争を中心に、闘争する研究者たちの科学的探求の試みに光を当てる、ソヴィエト科学史研究の最前線。 【目次】 序章 ソヴィエト・マルクス主義哲学史の再解釈に向けて 金山浩司 Ⅰ イデオロギーの側から 第1章 ソ
リトビシコ・タラス・ニコライエビッチ(65)、マカロフ・アレクサンドル・レオニドビッチ(67)、メランチェコ・アレクサンドル・ケナジエビッチ(70)――。2017年当時、北朝鮮の秘密警察、国家保衛省に務めていた脱北者が「北朝鮮で働くウクライナ人科学者」だと明かした人々の名簿だ。名簿は計9人にのぼった。 別の元北朝鮮外交官だった脱北者によれば、北朝鮮は1991年12月のソ連崩壊で職を失ったウクライナやロシアなど旧ソ連の科学者約50人を雇った。核とミサイル開発が目的だった。金正日総書記が指示し、「北朝鮮に来てくれれば、米国に行く場合の2倍の給料を保証する」という条件で個別にスカウトした。 科学者らには、首都平壌の北朝鮮エリート層が住む中区域にある栄光駅そばと、金日成主席が生まれた「聖地」がある万景台区域に、それぞれ新築の高級アパートをあてがわれた。こうした人々の一部は死亡し、一部は本国に戻った
旧ソビエトの最後の指導者で東西冷戦を終結に導いたミハイル・ゴルバチョフ氏が30日に亡くなりました。91歳でした。 国際社会からは、東西冷戦を終結に導き、核兵器の削減に取り組んだゴルバチョフ氏の死を悼む声が相次いでいる一方、その業績に対してはロシアの市民から批判の声が聞かれるほか、ロシアメディアも比較的冷ややかに伝えています。 「ペレストロイカ」「グラスノスチ」 ゴルバチョフ氏は1931年、ロシア南部のスタブロポリ地方に生まれ、共産党の要職を歴任したあと、1985年に54歳でソビエトの最高指導者にあたる書記長に就任しました。書記長として、ペレストロイカと呼ばれた政治改革や、情報公開を意味するグラスノスチなど、閉鎖的な社会を民主化する政策を進めました。 外交政策でも、欧米諸国などとの対立の緩和を目指す「新思考外交」を掲げ、社会主義圏だった東ヨーロッパ諸国の民主化や東西ドイツの統一を容認したほか
ラトビアの首都リガで、ソ連時代建設の記念塔が倒された/Kaspar Krafts/f64/AFP/Getty Images (CNN) バルト三国の一つ、ラトビアがソ連時代に建設された高さ79メートルの記念塔を解体した。「歴史の痛ましいページをまた一つ閉じる」ためだと説明している。 1985年に建てられた記念塔はナチス・ドイツに対するソ連の勝利を祝うもので、首都リガの公園に位置する。解体の様子は25日にラトビアメディアで生中継された。 ラトビアのリンケービッチ外相は同日ツイッターで、「ソ連のリガ占領を象徴するシンボルの一つを解体した。歴史の痛ましいページをまた一つ閉じ、より良い未来を模索することになる」とつづった。 記念塔を飾る金の星5つはそれぞれ第2次世界大戦の各1年間を象徴し、塔の両脇には兵士3人の銅像と、「祖国」を表す女性の像が立っていた。 ラトビア議会は6月、ソ連やナチスを美化する
ウクライナに寄付するため募金により購入した軍用ドローンが公開され、一目見ようと集まったリトアニアの市民たち=リトアニア北部シャウレイで2022年7月6日、BNS/Scanpix・ロイター バルト3国のリトアニアが、ロシアや中国に強い態度で臨む姿が注目されている。冷戦時代はソ連の一部だったが、今年に入り、ロシア産のエネルギーの輸入をやめるなど急速に「脱ロシア」を進める。人口約280万人の小国が、なぜそんなに「とがって」いるのか。リトアニア政府高官や識者に話を聞いた。 人口280万の小国 リトアニアがひときわ関心を集めたのは5月、ロシアから電気、原油、ガスの輸入をすべて取りやめた時だ。「ウクライナへの連帯の表明になる。ロシアの戦争に出資することはやめなければならない」。リトアニアのエネルギー庁は声明で、その狙いを説明した。 リトアニアは2013年ごろまで、天然ガスの100%、石油もほぼ100%
ロシアから侵攻を受けているウクライナで、国防に参加する女性が後を絶たず、欧米メディアに注目されている。また、民間女性が武装したロシア兵に立ち向かう動画がSNS(ネット交流サービス)で拡散されている。戦争で無視されがちだった女性の「語り」が、なぜ今回は人々に響いているのか。戦争史やパブリックヒストリーに詳しい東京女子大の柳原伸洋准教授は、個々の市民の顔が見える「戦争の個人化」という新しい潮流が生まれていると指摘する。その変化から見えるものは――。【日下部元美】 女性兵3万人以上、インスタで募集も ――なぜこれだけ多くのウクライナ人女性が国防に参加しているのでしょうか。 ◆歴史的背景として、第二次世界大戦での経験が、ウクライナやバルト3国に強く影響を与えている。当時、ソ連では90万~100万ぐらい女性が前線で戦い、ウクライナはソ連側やナチス・ドイツ側、そして両者に抵抗するパルチザンでも戦い、そ
ロシアの1人当たりGDPは日本の4分の1で、マレーシアと同じくらい。先進国には入らない。輸出の大半が原油なので、原油価格が下落すると、経済が痛手を受ける。それに加えて西側の経済制裁があったため、経済が大きく落ち込んだ。それにもかかわらず、なぜウクライナに侵攻したのか? ロシアは何と貧しい国! ロシアは、多くの日本人が想像しているよりずっと貧しい国だ。 百聞は一見にしかず。グーグル・ストリートビューで歩いて見ると、よくわかる。どんな都市に行っても、都心部には立派な建物が並んでいるが、そこから離れると、驚くほどの貧しい町並みになる。 シベリア鉄道の終点ハバロフスク中央駅は、壮大な建物だ。しかし、一歩裏に回ると、道路は水溜まりだらけで、掘立て小屋のような家もある。その様子をこの「風景」(クリックすると開示)でご覧いただきたい。 中央の遠景に、中央駅の壮大な建物が見える。ここは、東京でいえば皇居前
海外旅行をする人が必ず持つべきクレジットカードの決定版は? 国際ブランド、付帯保険、旅行中の特典、カードを選ぶポイントは様々。 海外40ヵ国以上を訪れた旅のプロがヨーロッパ向けクレカの選び方とおすすめを伝授している人気記事をチェック! リトアニアの首都ヴィリニュスにある重要な博物館の1つ、KGBジェノサイド博物館。 戦勝国の戦争犯罪についてはほとんど問題視されていない現代において、旧ソ連共産党政権下の秘密警察KGBによって行われた恐怖政治の実態もしっかりと伝えているヨーロッパでも最大級の博物館として知られています。 テーマは主にソ連秘密警察KGBによる抑圧、それに加えユダヤ人を対象に行われたナチスドイツのジェノサイドなどリトアニアの立地が生んだ悲劇に焦点が当てられており、過去に起こった悲劇を忘れないため老若男女問わず世界中から見学者が訪れています。 今回は実際にKGBジェノサイド博物館を訪
ホロドモールによる餓死者とされる写真[要出典]。群集が集まる中、路上に放置されている。 ホロドモール(ウクライナ語: Голодомо́р; ロシア語: Голод в Украине; 英語: Holodomor)は、ウクライナ語で飢え・飢饉を意味するホロド(ウクライナ語: Голодо[注釈 1])と、殺害[注釈 2]、絶滅、抹殺、または疫病[2]を意味するモル(мо́р)との合成語[3]・造語 [1]で、飢餓による殺害 (death by hunger) を意味する[4][5][注釈 3]。具体的には、1932年から1933年(または1934年[注釈 4])にかけてウクライナ・北カフカース・クバーニなどウクライナ人が住んでいた地域をはじめ、カザフスタンなど、ソビエト連邦各地でおきた大飢饉を指す[6][7]。この飢饉は、当時のソ連のスターリン政権による計画的な飢餓、または不作為による人
プーチン大統領が2月21日の夜、ロシア国民に向けて、テレビで約1時間演説を放送した。生放送ではなく、ビデオ演説だったという。 自称「ドネツク人民共和国」「ルガンスク人民共和国」を国家承認する際に行われたものだった。 これは「ロシア国民に向けた、ウクライナ侵攻の説明」と思って良いだろう。 歴史上、大変重要な演説だと思うので、ここに全訳を載せる。プーチン大統領の歴史観や価値観、心のあり方がわかって、大変興味深いものでもある。 何と言ってもロシアは、日本の隣国だ。命令一つで、世界でも有数の強力な軍隊を動かせる、表情がほとんどない隣国の独裁者が、何を考えている人なのか、どういう思考をする人なのかを知るのは重要だろう。 もとの文章は、クレムリンの公式サイトが発表している、英語の書き起こし文章である。しばらくの間、サイトの文章は「続く(to be continued)」の状態で、全文の書き起こしが終わ
ソ連が崩壊してから12月25日で30年になる。史上初の社会主義超大国としてアメリカと世界を二分し、冷戦を繰り広げたが、経済の悪化や、政権弱体化を招いたゴルバチョフ氏の改革などにより、1991年に消滅した。 物不足、厳しい情報統制…そんなイメージが強いソ連だが、実際はどうだったのか。1980年代末から崩壊までのソ連で子ども時代をすごし、現在は日本で声優として活躍しているジェーニャさんに「私が生きたソ連」を語ってもらった。 ソ連の記憶について語る声優のジェーニャさん ――ソ連での暮らしぶりを教えて下さい。 私はシベリアのノボシビリスクという都市で生まれたんですけど、父が軍人だった関係でリャザンやゴーリキー(現在のニジニノブゴロド)など転々としていました。 ものは少なかったですね。それはあとから分かったことで、当時は普通だと思っていました。商店に行っても、陳列棚が空っぽの記憶しか残っていません。
■決戦用の戦車部隊 私たちは10月半ばの午前9時半、音威子府から52キロ南に下った名寄を出発した。郊外には、音威子府に一番近い陸自名寄駐屯地がある。 松村さんによれば、自衛隊は当時、定員割れに苦しんでいたが、北海道の部隊だけは定員を満たしていた。第2師団は当時9千人で充足率100%だった。陸自の隊舎は2段ベッドが普通だが、名寄だけは3段ベッドが導入されていたという。有事になれば、松村さんらの戦車部隊は名寄の普通科(歩兵)部隊などと合流し、戦闘団をつくって現地に向かう手はずになっていた。 陸上自衛隊第2師団名寄駐屯地=牧野愛博撮影 松村さんは当時、自衛隊が導入を始めた74式戦車4両を指揮する戦車小隊長だった。74式は61式に次ぐ2代目の国産戦車で、音威子府付近を流れる天塩川を渡河できるように設計されていた。重量38トン。不整地での燃費は1リットルあたり約200メートル。約800リットルを積載
旧ソ連の独裁者ヨシフ・スターリン(撮影日・場所不明、資料写真)。(c)STF / AFP FILES / AFP 【8月26日 AFP】ウクライナ南部の都市オデッサ(Odessa)で、旧ソ連の独裁者ヨシフ・スターリン(Joseph Stalin)による「大粛清」の犠牲者とみられる数千人の遺骨が発見された。地元当局が25日、明らかにした。 およそ5000~8000人の遺骨は、オデッサの空港付近の20か所余りで見つかった。ウクライナで発見されたものとしては最大規模。 国立記憶研究所(Institute of National Memory)の地方館長を務めるセルギー・グツァリュク(Sergiy Gutsalyuk)氏はこれらの遺骨について、国家保安委員会(KGB)の前身で、スターリンの秘密警察として知られた内務人民委員部(NKVD)が1930年代に処刑した人々とみている。 グツァリュク氏はAF
「この原作をマンガ化しようと考えた作家がいるとは想像しなかった。瞠目する。原作者の慧眼をもって、酷寒のロシア戦線での女性の洗濯兵と狙撃兵の異形をあぶり出した辣腕には敬意を表したい。それをマンガ化した作者の蛮勇にも脱帽する。男性の政治家と経済人たちの必読の書である。女たちは美しくも切なく強靭であったのは事実なのだ。」――本作の単行本第1巻が発売された際、『機動戦士ガンダム』『Gのレコンギスタ』を手掛ける富野由悠季監督が熱い檄文を寄せた。今回は著者の小梅けいとと監修の速水螺旋人をまじえて、本書にかける思いを語り合っていただいた。 速水 ありがたい言葉をいただき、光栄でした。「蛮勇」という言葉は、作品をお手伝いしている僕の立場からも、ふさわしい言葉だなと思っていました。富野監督からご覧になっても「蛮勇」に見えるのだなと、あらためて実感しました。 ──富野監督は、この帯文にどのような思いを込められ
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