口のなかを清潔に保つために、歯を磨く。そんな当たり前の行為ですが、歯磨き剤がどんな働きをしているか知っていますか? 古代の人々が使っていた歯磨き剤の驚きの成分を、専門家が解説します。 素晴らしい質問をありがとう。私は歯科医なので、歯磨き剤がどんな働きをするか、そして歯磨き剤が発明される前に人間が何を使っていたのかを、お話できると思います。 歯磨き剤(練り歯磨き)を使って歯を磨くと、口のなかに爽やかな香りが広がって、気分もすっきりします。また、歯磨き剤を使った歯磨きを1日に2回おこなえば、虫歯にもなりにくくなります。このように、歯磨き剤には素晴らしい働きがあります。では、その働きをひとつずつ見ていきましょう。 口の中を爽やかにする 歯磨き剤のなかには、唾液と混ざり合うと石鹸のように泡立つものがあります。この泡は歯磨き後に吐き出されると、どろりとした液状になります。 多くの歯磨き剤は、口に含む