国土地理院は31日、小笠原諸島・西之島を7月28日に無人航空機で空撮した写真を公開した。最高標高は、撮影時の海面から計測して約150メートルに達し、前回撮影した3月1日の約137メートルから13メートルほど高くなっていた。 面積は約2・74平方キロで、前回の約1・1倍。噴出した溶岩が海面上にある部分の体積は、2年前の最初の噴火から通算して約8511万立方メートルで、前回の約1・3倍に成長していた。 今回の撮影結果は国土地理院ウェブサイトの「地理院地図」で公開している。(吉田晋)
沖縄がまだ琉球王国だった明和8(1771)年3月10日の朝、八重山列島南方を震源に「八重山地震」が発生し、巨大津波が各島を襲った。揺れによる被害はほとんどなかったが、津波の被害は甚大だった。 石垣島の南西部では、海岸線の集落の痕跡も残らないほどだった。仲与銘村は住民283人全員が流されて全滅。1574人が暮らして繁栄していた島南東部の白保では、住民の約98%が波にのまれ、生き残ったのは28人だけだった。 島全体では、人口1万7千人の約半分に当たる8400人が死亡。この人口減少は後々まで影響し、津波前の人口を回復したのは、約140年後の大正時代になってからだった。 後年の調査で、津波の高さは石垣島20~35メートル、西表島10メートル、宮古島10~18メートル、波照間島18・7メートルだったと推定されている。震源から北東に約400キロ離れた沖縄本島でも2~5メートルで、被害の大きさがよく分か
東南海地震の震源断層が延びる紀伊半島沖の海底下で地殻変動の様子を観測し、データを研究者向けに提供する取り組みが始まった。深さ約1000メートルの井戸のような穴を掘削し、断層周辺の変化を高精度にとらえる初の観測システムだ。地震の仕組み解明や予知に役立つと期待されるが、防災への活用には課題もある。(伊藤壽一郎) ◇ ◆地殻内を観測 南海トラフ(浅い海溝)で起きるマグニチュード(M)8級の東南海地震は、西日本を載せた陸側プレート(岩板)と、その下に沈み込むフィリピン海プレートとの境界面が急激に滑ることで発生する。歴史記録では100~150年間隔で起きており、前回の昭和東南海地震から既に70年が経過した。 海洋研究開発機構が設置した観測システムは、プレート境界直上の水深1938メートルの海底下にある。地球深部探査船「ちきゅう」で2010年に第1孔を掘削し、内径約20センチの鉄製パイプで補強。無人探
東京電力福島第1原発から南東約100キロの茨城県沖の海中で、放射性セシウムの濃度が毎年9月ごろに上昇しているとの観測結果を海洋研究開発機構の 本多牧生 (ほんだ・まきお) 上席技術研究員らのチームが18日付の米化学会学術誌に発表した。放射性セシウムを含んだ沿岸の浅い海底の堆積物が台風の影響で巻き上がり、沖合に向かって流されているとみられるという。 チームは2011年7月から14年7月に、観測点の水深500メートルと千メートルで、 微小な 粒状の物質を捉える装置を設置。集まった物質を回収して分析した。 その結果、いずれの水深でも原発事故で放出されたセシウム134を観測開始直後から検出し、濃度は11年9~10月に1グラム当たり1~2ベクレルと最大になった。その後は徐々に減少し低い値で推移したが、12年9~10月と13年9~11月に小規模ながら増加が確認された。 集まった粒子は土砂成分が多く、チ
昨年8月の広島土砂災害を踏まえ、土石流が流れる経路や住宅地に土砂が流出する範囲などを高い精度で予測するシステムを、京都大防災研究所の竹林洋史准教授(河川工学)が開発した。予測結果を防災対策に生かすのが狙いで、来月、予測機能のあるソフトを無料で公開する予定だ。 土石流が堆積(たいせき)する範囲を求める従来のソフトと違い、土砂の流出量を高い精度で算出し、地形データに一戸一戸の家屋の場所を入力することで、流れ方や影響範囲を詳しく求める機能を備えるのが特徴だ。全国で使え、予測結果は空撮写真と重ねて動画で表示する。家屋による土砂の流れ具合の変化を踏まえた、より具体的な避難経路づくりや、砂防ダムをどこに設けるべきか決める際などに役立つという。 都道府県が定める「土砂災害警… この記事は有料会員記事です。有料会員になると続きをお読みいただけます。 この記事は有料会員記事です。有料会員になると続きをお読み
東日本大震災から4年 写真特集 特集・ビジュアル解説 図解 動画 温泉水の特定ガスが増加=御嶽山噴火の10年前から−東大と高知大、化学観測 温泉水の特定ガスが増加=御嶽山噴火の10年前から−東大と高知大、化学観測 昨年9月に水蒸気噴火が起き、多数の犠牲者が出た長野・岐阜県境の御嶽山について、東京大学大気海洋研究所の佐野有司教授や高知大の西尾嘉朗准教授らは19日、火口から北西に約4キロ離れた濁河温泉では2003年以降、温泉水に含まれる特定のガス成分が増加していたと発表した。 このガス成分はヘリウムの同位体「ヘリウム3」で、起源はマグマのもとのマントルにある。山体でマグマに熱せられた地下水が蓄積されるとともに増えたと考えられ、約10年間かけて圧力が高まり、水蒸気噴火に至った可能性があるという。論文は英科学誌サイエンティフィック・リポーツに掲載される。 佐野教授らは、こうした化学観測で噴火の
海上保安庁は18日、南海トラフ巨大地震の想定震源域の海底で、東日本大震災以降の約4年間に観測した地殻変動の調査結果を初めて公表した。南海トラフの陸側プレート上の15カ所の観測点では、おおむね北西方向に1年間で最大5.8センチ移動していた。調査結果は、地震予知連絡会などで震源域や津波の大きさ予測などの参考にされる。南海トラフは東海沖から九州沖の海底に延びる溝状の地形。海保によると、海側プレート
千葉県市原市の養老川沿いで確認された約77万年前の地層が、地球の歴史を区分する「地質年代」の境界として、国際標準地になる可能性が出ている。 来年の国際会議で選定されれば、258万年前から現在までの「第四紀」の中に、「千葉期(チバシアン)」と呼ばれる時代ができる。 地球は歴史上、地磁気のN極とS極が何度も入れ替わっている。養老渓谷近くにある市原市田淵の地層は、地元研究者らが約40年間研究を進めた結果、磁場逆転を示す境になっていることが判明した。堆積物に含まれる磁石の性質を持つ鉱物が、地層上部では現在と同じ磁気の向きを示したのに対し、地層下部では逆になっていたためだ。 国立極地研究所(東京都立川市)や千葉県環境研究センターの研究者らは今年5月、この地層を「約77万年前に起きた最後の磁場逆転を示す」と発表した。
気象庁は21日、活発な火山活動が続いている箱根山(神奈川県)の大涌谷(おおわくだに)で、6月に新たに確認された火口から、噴煙にわずかに火山灰が混じっている現象を確認したと発表した。火山灰の噴出が短時間だったことから、同庁は「現象は噴火だが、住民の不安をあおるなどの防災上の影響もあるので、噴火との表現は適切でない」としている。 箱根山での火山灰の確認は、ごく小規模な噴火があった7月1日以来。大涌谷の火口で21日正午ごろ、火山灰を含んだ噴煙を10秒ほど観測。高さ約10メートルの白色噴煙が一時的に灰色になり、50メートルほどの高さになった。噴火に伴う振動は確認されず、火山性地震も同時間帯に観測されなかった。 気象庁では、火口から火山灰が放出される現象を噴火とする一方、噴火として記録を残すのは「火口から噴出物が100~300メートル飛んだ場合」と説明。6月30日と今月1日のごく小規模な噴火では、火
それはまるで、地球の表面にぱっくりと開いた口のように見えた。 先住民族ネネツ人の言葉で「世界の果て」を意味するロシア・西シベリアのヤマル地方。8日、高度100メートルを飛ぶヘリコプターから見下ろすと、地平線まで広がるツンドラの平原に、月面のクレーターのような巨大な穴が現れた。ロシアメディア以外では最初の現地取材だ。 輸送用ヘリの操縦士が2014年6月、初めて見つけた。最寄りの拠点となる街から約400キロ離れ、トナカイ遊牧民がわずかに行き交う北極圏にある。 地元政府の緊急要請でロシアの科学者が調査を始めた。穴は直径約37メートル、深さ約75メートルあった。その後、同様の穴の報告が相次ぎ、4個が確かめられている。 では、穴はどのようにして生まれたのか。隕石(いんせき)の衝突、不発弾の爆発、宇宙人の襲来――。出来た瞬間を見た者はおらず、さまざまな臆測がされた。 真冬には気温が零下40度まで下がる
【7月13日 AFP】オーストラリア・シドニー(Sydney)の沖合250キロの海底に、これまで存在が知られていなかった海底火山群を発見したと、豪大学などの研究チームが13日、発表した。オーストラリアとニュージーランドの間の海底の謎をひもとく糸口になりそうだという。 4つの死火山で構成された火山群は先月、ロブスターの幼生の生息地を調査中に見つかった。約5000万年前に形成されたと考えられ、最大のものは海底からの高さ700メートル、直径1.5キロのクレーターを備えているという。 水深4900メートルの海底にあるため今まで発見されずにいたが、最新の豪研究船に搭載されたソナーで海底地図の作成が可能になった。 火山に詳しいオーストラリア国立大学(Australian National University)のリチャード・アーキュラス(Richard Arculus)氏は、20キロにわたって広がるこ
煙と有毒ガスを噴出するインドネシア東ジャワ州の泥火山(2013年5月19日撮影、26日公開)。(c)AFP/HO/BPLS/KRISWANTO 【6月30日 AFP】インドネシアで9年前に壊滅的な「噴火」を起こし、現在もすべてをのみ込む泥土を噴出し続けている泥火山について、地質学者チームは29日、噴火の原因が自然的か人為的かに関する議論を再燃させる研究結果を発表した。 米国、英国、オーストラリアの国際研究チームが英科学誌「ネイチャー・ジオサイエンス(Nature Geoscience)」に発表した論文によると、噴火発生当時に測定された地下ガス濃度の新たな分析結果は、噴火を誘発した原因が地震ではなく、天然ガスの掘削調査であることを示しているという。 論文共同執筆者の豪アデレード大学(University of Adelaide)のマーク・ティンゲイ(Mark Tingay)氏は、声明で「まと
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