米航空宇宙局(NASA)などが18日発表したデータによると、2016年の世界平均気温は前年を0.07度上回り、史上最高を記録した。 上昇幅は誤差の範囲内だが、記録を更新するのは3年連続。科学者らは、南米沖の太平洋で海面水温が平年より高くなるエルニーニョ現象が影響したものの、人間活動による二酸化炭素(CO2)排出が主な要因だったと指摘した。
米航空宇宙局(NASA)などが18日発表したデータによると、2016年の世界平均気温は前年を0.07度上回り、史上最高を記録した。 上昇幅は誤差の範囲内だが、記録を更新するのは3年連続。科学者らは、南米沖の太平洋で海面水温が平年より高くなるエルニーニョ現象が影響したものの、人間活動による二酸化炭素(CO2)排出が主な要因だったと指摘した。
海底に沈んだ「第7大陸」の存在が明らかになった。オーストラリアに次ぐ面積を持つ規模で「ジーランディア」と命名されている。日本の海洋研究開発機構(JAMSTEC)も調査に着手しており、2019年にも地球深部探査船「ちきゅう」を投入してジーランディアを掘削し、得られる地質情報から水没の原因や過程などの詳細解明に挑む計画だ。この失われた大陸の調査研究を通じて地球史や生物進化などの分野で画期的な発見が相次ぐものと期待されている。 ■ こう書けば1面トップに値するビッグニュースだろう。何しろ伝説のアトランティスやムー大陸さながらに、海底に沈んでいた大陸が発見されたのだから。 では、どうして、このコラムで紹介することになったのか。 理由は、日本では初耳でも、関係国では1990年代の半ばくらいから一大関心事となっていたからだ。関係国とは主にニュージーランドのことである。 ジーランディアは、全体の5~7%
日本沿岸部で海水のアルカリ性が弱くなる「海洋酸性化」が進んでいることが、海洋研究開発機構などの分析で17日分かった。中には外洋の10倍以上のペースで酸性化が進行している海域もあった。大気中の二酸化炭素(CO2)濃度の上昇に加え、陸から流入する汚染物質が影響している可能性がある。進行すると、貝や甲殻類、動物プランクトンなど炭酸カルシウムの殻をつくる生物の生息に悪影響を与える懸念がある。専門家は詳
東日本大震災で、宮城県沖の海底断層が最大約65メートルずれ動いたとする研究成果を、海洋研究開発機構などの研究チームがまとめた。 11日に論文が英科学誌「ネイチャー・コミュニケーションズ」(電子版)に掲載された。 宮城県沖では、海側のプレート(岩板)が陸側のプレートの下に沈み込むように動いている。大震災の際には、ひずみがたまった陸側のプレートが、跳ね上がるようにずれ動き、巨大な津波が発生した。 研究チームは、地震前後の宮城県沖約200キロ・メートルにある日本海溝付近の海底地形の変化などをもとに、地震の際に断層がどの程度動いたかを精密に計算。その結果、海溝に近づくほど断層がずれる量が増え、平均で約62メートル、海溝の最深部では約65メートル動いていたことが分かった。
南極半島西方沖に浮かぶ氷山(2016年3月2日撮影、資料写真)。(c)AFP/EITAN ABRAMOVICH 【1月5日 AFP】1998~2014年に地球温暖化の一時的な休止があったとの見方は誤りだとする米英大チームの研究論文が4日、米科学誌「サイエンス・アドバンシズ(Science Advances)」に掲載された。 論文を発表したのは米カリフォルニア大学バークレー校(University of California at Berkeley)と英ヨーク大学(University of York)の合同研究チーム。地球温暖化の休止をめぐっては2015年に米海洋大気局(NOAA)が発表した報告書が物議を醸していたが、今回の論文はNOAAの報告書を裏付けるものとなった。 NOAAは報告書で、現在の海洋気象ブイによる海水温測定値は、以前の海洋気象観測船によるものよりやや低い温度を示す傾向にあ
鬼界カルデラの海中や海底を示すデータ。中央で赤や黄色に盛り上がっている部分が熱水プルーム(巽教授提供) 神戸大学海洋底探査センター(神戸市東灘区)は18日、九州南方の海底に広がるくぼみ「鬼界(きかい)カルデラ」を調べた結果、熱くて濁った水が海底から湧き出る「熱水プルーム」を5カ所で確認した、と発表した。海底からの高さは最大約100メートルに上る。現時点では噴火予測はできないが、カルデラ直下のマグマが活動的であることを示しているという。 同センター長の巽好幸教授(マグマ学)のチームは10月13~27日、大学保有の練習船「深江丸」を使い、鹿児島県の薩摩半島南約50キロに位置する鬼界カルデラ(直径約20キロ)内で、ドーム状に盛り上がっている場所などを調べた。 音響測深装置で、水深約200~300メートルの海底に向けて船から音波を出し、反射波を観測。少なくとも5カ所で、海底からの高さ数十メートル~
東北大学は11月16日、恐竜絶滅を引き起こした白亜紀末の天体衝突クレーターをメキシコ沖にて掘削し、物理探査と数値計算により同クレーターの形成過程を詳細に明らかにしたと発表した。 同成果は、東北大学 後藤和久准教授、海洋研究開発機構 佐藤峰南JSPS特別研究員、富岡尚敬主任技術研究員、東邦大学 山口耕生准教授らを含む国際研究グループによるもので、11月18日付けの米国科学誌「Science」に掲載された。 メキシコ・ユカタン半島北部に位置するチチュルブ・クレーターは、約6600万年前の白亜紀末の天体衝突により形成された。この天体衝突が、恐竜を含む生物の大量絶滅を引き起こしたと考えられているが、同クレーターは直径約200kmと巨大であり、さらに白亜紀末ごろの地層は地下数百mに埋没しているため、その構造や形成過程についてはほとんど明らかになっていなかった。 今回、世界25カ国が参加する国際深海科
断層が約1千年前以降にずれて地震を起こしたかどうかを、断層部分の岩石などを詳しく分析して見分ける方法を、大阪大の研究チームが開発した。 9日、英科学誌サイエンティフィック・リポーツに掲載した。断層が動いた時期を知るには、断層がある地層に含まれる放射性炭素や火山灰を調べる方法がある。だが、地表付近にある比較的新しい時期の地層が造成などによってない場合、動いた時期を特定するのは難しかった。 研究チームは1596年の慶長伏見地震で動いた、神戸市や大阪府北部に位置する活断層「有馬―高槻断層帯」の一部を採取。電子顕微鏡で観察した結果、断層が動いた部分だけ摩擦によってできる、特殊な微粒子があることを確認した。 このタイプの微粒子は日本だと長くても約千年で水に溶けてなくなると推定。断層にこの微粒子があれば、約千年前以降に動いたと判断できるとした。阪大の広野哲朗准教授(地震断層学)は「微粒子がなくなる速度
5600万年前に彗星衝突か=降着の微粒子発見-米大学チーム 米東海岸付近の約5600万年前の地層から発見された微粒子。彗星(すいせい)などが衝突し、高温で気化した物質が大気中で冷えて降着したと米レンセラー工科大などが発表した(米サイエンス誌提供) 米東海岸付近の約5600万年前の地層から、彗星(すいせい)などの小天体が地表に衝突した際に形成され、降着したとみられる微粒子を多数発見したと、米レンセラー工科大などの研究チームが15日までに米科学誌サイエンスに発表した。 この時期は、地質年代の暁新世と始新世の境界に当たり、温暖化が急速に進んで哺乳類や陸上の植物の繁栄につながったことが知られる。主因は火山活動の活発化による二酸化炭素の放出や海底のメタンハイドレートの融解によるメタン放出と考えられているが、研究チームは彗星などの衝突も一因ではないかとしている。 調査対象は米ニュージャージー州沿岸
神戸大海洋底探査センター(神戸市)は、7300年前に鹿児島沖で海底火山が巨大噴火を起こしてできた「鬼界カルデラ」の調査を13日から始めると発表した。 海底からさらに地中深くにたまっている可能性があるマグマの位置や大きさの測定を5~10年かけて進める。同大によると、マグマを継続的に観測し、膨張などの変化を捉えられれば世界初で、噴火の予測につながる可能性があるという。 担当するのは、通常よりもはるかに規模の大きい「超巨大噴火」が専門の同センター長、巽 好幸 ( よしゆき ) 教授(マグマ学)のチーム。 巽教授によると、鬼界カルデラは、日本では最も新しい時期に起きた超巨大噴火で形成され、南九州の縄文人の絶滅を招いたとされる。再噴火すれば、日本に壊滅的な被害を与えかねないが、噴火の恐れがあるかはよくわかっていない。 火山は、地下に蓄えられたマグマだまりに圧力が加わり、上部や側面の地盤や壁に割れ目が
電子の数を測定するイメージ 東日本大震災やその前後にあったマグニチュード(M)7.0以上の地震が発生する20分~1時間ほど前に、上空300キロ付近の「電離圏」で電子の数が増える異常があったことが京都大の梅野健教授(通信工学)のチームの分析で判明し、米専門誌に30日発表した。 チームによると、M8.0以上の地震で電離圏の電子数が増えていることは知られていた。チームの手法は従来法と違い地震後のデータとの比較が不要で、分析速度を上げられれば地震を予測できる可能性がある。 梅野教授は「現在はパソコンでの分析に時間がかかるが、将来は地震の警報システムに生かせるのでは」と話している。
台風16号の水害を軽減したとして注目された宮崎県延岡市北川町長井の北川の霞堤(かすみてい)で、川の水が堤防の地下を通じて周囲の田畑に漏れ出していたことが24日、わかった。冠水した田畑の水が引いた後に多数の穴が見つかった。このまま放置すれば大雨時の漏水で堤防の地盤が沈み、堤防が決壊する可能性もあるといい、県は対策を検討する。 霞堤は切れ目のある堤防で、川の増水時にそこから水を田畑に逃がして洪水を避ける古来の治水技術。田畑は緩やかに冠水して緩やかに水が引くため、被害を抑制できる。今回、町内の被災率(全戸数に占める建物被害戸数の割合)は1%未満で、霞堤も被害軽減に一役買ったとされている。 だが、北川の霞堤の一部がある川坂地区では、水が引いた田畑から大小の穴が多数見つかった。川坂大橋に近い堤防沿いのダイコン畑では約70平方メートル内に、すり鉢状に盛り上がった穴が40個ほど確認された。田んぼでは縦横
潮の満ち引きの幅が大きくなる大潮の前後は、巨大地震の発生頻度が高まるとの研究成果を、東京大のグループが発表した。巨大地震の発生頻度は元々低く、大潮前後の危険性が目立って高くなるわけではないが、地震の発生確率を計算する際の精度向上につながる可能性がある。 東大の井出哲教授(地震物理学)らは、過去の地震発生時の潮の状況を分析。マグニチュード(M)8・2より大きい巨大地震12件の場合、10件は大潮や前後の干満差が大きい日に起きていた。実際に、スマトラ島沖地震(2004年、M9・1)は大潮の日に発生。東日本大震災(11年、M9・0)も干満差が大きい時期だった。 井出教授によると、潮位が1メートル上下すると、海底を押す力は10キロパスカル程度変化し、圧力が大きく変わるほど、地震を起こす断層の動きに影響を与えると考えられるという。大潮を考慮して地震の発生頻度の予測を算出すると、M8・2より大きい地震で
東日本大震災のような巨大地震は、潮の満ち引きの原因となる月の引力が強く働く時に発生しやすくなるとの研究結果を東京大の井出哲教授らのチームが12日付の英科学誌ネイチャージオサイエンス電子版に発表した。月の引力によって海の水位が変わるように、地面の中の圧力にも変化が起きる。この変化は地震によって解放されるエネルギーと比べると非常に小さいが、大地震へ進展する一押しとなり得ることを示した。チームは「
重力が大きいところでは時間がゆっくり進むとするアインシュタインの相対性理論に基づき、東京都と埼玉県で標高の差によって生じる重力のわずかな違いのために時間の進み方が異なることを計測し、標高差を約15メートルと算出できたと東京大などのチームが15日付の英科学誌電子版に発表した。 香取秀俊東大教授が開発した160億年に1秒しかずれない「光格子時計」を使った成果で、実測の標高差と数センチしか違わなかった。時計を使って大地の測量が可能なことを、実用レベルで実証したのは初めて。
今から6600万年前に起きた恐竜など生物の大量絶滅は、地球に小惑星が衝突して舞い上がった「すす」による気候変動が原因だったとする新説を、東北大大学院理学研究科と気象庁気象研究所が発表した。 大量絶滅を引き起こした要因として最も有力なのが、メキシコ・ユカタン半島に落下した小惑星原因説。だが、小惑星の衝突と気候変動の因果関係を巡っては、巻き上げられた「ちり」が太陽光を遮って起きた地表寒冷化、大量発生した酸性雨による海水の酸性化など諸説ある。 東北大の海保邦夫教授(有機地球化学)らは、カリブ海のハイチとスペインで小惑星衝突後に堆積した地層からすすを採取し、成分を分析。炭化水素の一種「コロネン」の含有率が高いことを突き止めた。 コロネンは超高温で有機質が焼けた場合に限って含有率が高くなる性質があり、小惑星衝突の熱で生成されたと結論付けた。 コンピューターで当時の気象変動を再現すると、舞い上
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