精神科医 福井裕輝 ストーカー被害者に対する、国レベルでの更なる支援の充実が必要なのは、言うまでもありません。一例として、早急に、警察以外の公的な被害者相談窓口を作るべきだと思います。一般市民にとって、警察への相談はハードルが高いです。また、ストーカー事件に対して、警察に、適切な判断・対処が求められるのも当然です。これまで起こしてきたような失態は決して許されません。 そのためには、必要に応じて、ストーカー規制法の法改正もどんどん進めていくべきでしょう。 しかし、それだけではストーカー重大事案を防ぐことはできません。 これまでに私は、警察庁からストーカー等の被害者・加害者に関する3000件近いデータの提供を受け、解析を行いました。また、100名以上のストーカー加害者の治療に携わってきました。そこから見えてくるストーカー加害者の精神病理は、非常に似通っています。多くは、失恋直後の状態が