仮面、と聞いて、何を想起するだろうか。 1960年代生まれのぼくの世代だと、まずは「仮面ライダー」か。「仮面の忍者赤影」というのもあったっけ。いずれも、タイトルに「仮面」が入っていたことが強く印象に残っている。さらに、50年代生まれの知人に聞いたところ、回答は「月光仮面」だった。 なぜか、ぼくたちの社会では、仮面は大抵、メディアの中で登場する。もちろん、能のような面(仮面)を使う伝統芸能はあるし、なまはげやら獅子舞やらお祭り中でも見られる。しかし、日常的に接するのはメディアの中で発展してきた「なんとか仮面」の末裔たちだ。 なお、ぼくの知っている小学2年生女子に、仮面が出てくる話はどんなものを知っているかと聞いたら「プリキュア」と答えた。たしかに敵役に仮面めいた風貌の連中がいるのは知っている。でも、それよりも、変身してコスチュームに身を包むヒロインたちに「仮面」を感じたらしい。これは実に筋の