宇都宮市の精神科病院が入院患者に不適切な医療行為をしているとして、同市の元嘱託医、朝信泰昌精神科医が20日、行政指導を求める申出書を厚生労働省と県、同市に提出した。県庁で記者会見を開いた朝信医師は「市は多くの問題点を黙認している。不要な治療や入院が行われているのではないか」と訴えた。 申出書は行政手続法に基づくもので、受け取った役所は調査し必要があれば行政指導や処分を行うと規定されている。 申出書によると、同院では2015年1月、同市が生活保護法に基づく個別指導を実施した際、認知症治療に必要な検査が実施されていない事例が3件見つかった。また18年7月の指導でも、長期入院患者9人のカルテについて、うつ病の記載があるのに抗うつ剤の処方がない▽重度のアルツハイマー型認知症患者が任意で入院している▽レセプト(診療報酬明細書)と同市に提出する書類で病名が異なる――など複数の問題点が見つかった…