経営状態の悪化により昨年10月6日、東京地裁に民事再生法の適用を申請し、その事業と商号を、日本BS放送が100%出資する子会社に譲渡することが決まっている児童書出版の老舗、理論社(下向実社長)は、あす10日をもって解散となる。11日には新生・理論社がスタートするが、これによって同社が抱えている借入金約20億円と、作家やフリーの編集者らへの未払い印税、原稿料約2億5千万円は事実上“ご破算”になる。 「山中恒(ひさし)よみもの文庫」シリーズなどで知られる作家の山中恒さん(79)は昨年12月27日、理論社に対して出版契約の解除を書面で申し入れた。理論社から作家デビューした山中さんだが、「10年以上前から印税の支払い方が杜撰(ずさん)で不透明になっていました。本を増刷しても通知がこない。支払うといわれた印税がいつまでたっても入金されない。それが普通の状態になって」昨年10月には約230万円の未払い