【カンヌ=谷悠己】27日夜(日本時間28日未明)にフランス南部カンヌで開かれたカンヌ国際映画祭の授賞式で、最高賞パルムドールに輝いたフランス人女性ジュスティーヌ・トリエ監督(44)が、壇上からマクロン政権の年金制度改革や文化政策を痛烈に批判する場面があった。 紹介役の米国の名優ジェーン・フォンダさんと並んだトリエ監督は「受賞の喜び以外に語るべきことがある」と話し、国民の抗議デモが高まる中、仏政府が国会の強行採択によって年金制度改革法案を成立させたことを「ショッキングな手法だ」と糾弾。「政府による権力支配は多分野で勢いづき、映画界も商業化を強いられて多様性が破壊されている」と訴えた。