このたびの朝鮮半島南北首脳会談と米朝首脳会談については、本ブログ上でもすでに伊藤力司・広原盛明両氏の論評があり、私などが何かいうことはないと思うが、すこし意見を述べたい。 朝鮮半島の最悪のシナリオは第2次朝鮮戦争だったが、これが回避できただけでも結構な話だと思う。もしかしたら、シンガポール会談は東アジアに新時代をもたらすものになる可能性がある。 この春トランプは航空母艦2隻で北を脅したのち急転換した。これは予定の行動だったかもしれない。金正恩もまた従来の対アメリカ政策を変え、平昌オリンピック以来妥協的になった。韓国文在寅政権の努力もあって、互いにののしり合う関係は終った。 日本には「トランプは金正恩にしてやられた」という右翼メディアの批判がある。たしかに「完全で、検証可能で、不可逆的な核兵器の廃絶(CVID)」は共同声明に書きこまれなかった。朝鮮半島の非核化は、米韓日にとっては北朝鮮の核だ