中国共産党政権が学生らの民主化運動を武力弾圧し、多くの犠牲者を出した天安門事件から4日で35年になる。遺族の会「天安門の母」が今年も当局の責任追及や謝罪を求めたが、共産党政権は無視したままだ。 非人道的で断じて容認できない。 中国では6月4日を前に遺族や人権活動家への監視が強化された。ネット上では天安門事件や関連用語に加え、6月4日を表す隠語の「5月35日」も検閲対象である。異常というほかない。今年の6月4日も外国メディアを通じてこうした現状が世界に発信されることだろう。 中国本土だけではない。一国二制度の下、事件の追悼活動が認められていた香港も「表現の自由」や「集会の自由」が奪われてしまった。香港国家安全維持法(国安法)が2020年に施行されて以降、追悼集会は事実上禁止され、香港大にあった犠牲者を追悼する彫像「国恥の柱」も撤去されたままだ。 国安法を補完するため、3月に施行された国家安全