スマホやソーシャルメディアが子供たちに害を与えているという懸念が高まっている。スクリーンを見つめつづける生徒たちに、米国の学校も困惑しているが、そんななかで、生徒のスマホ使用の制限に成功した副校長がいた。 米国の中学校副校長の挑戦 2年前、レイモンド・ドルフィンがコネチカット州のあるイリング中学校の副校長になったとき、生徒たちの様子がおかしいのは明らかだった。 問題はスマホだった。校則で禁止されているにもかかわらず、生徒たちは授業中に携帯電話を使っていたのだ。ソーシャルメディアによって、生徒間の対立はほとんどすべて悪化していた。廊下やカフェテリアを見ると、スクリーンにかじりつく生徒がほぼ必ず目についた。 そこで2023年12月、ドルフィンは思い切った決断をした。携帯電話の使用を禁止したのだ。生徒や保護者の一部からは反発を受けた。しかし、この実験はすでに予想以上に大きな成果を生んでいる。