EV市場が冷え込んだ2023年、トヨタはハイブリッド車の売り上げを伸ばし、独り勝ち状態となった。 そして2024年5月には北米で水素事業本部を設立し、「未来の自動車」として普及を目指してきた水素自動車への投資も加速させている。 だが、ここにきて水素自動車「ミライ」に暗雲が立ち込めていると、米オンラインメディア「インサイドEVs」は報じる。一部のミライ所有者たちはトヨタに車両の買い戻しを求め、訴訟を起こすまでに至っている。
テスラの業績減速の背景には、中国のEV市場の競争激化がある。特に、EV分野の価格競争は熾烈を極めている。2019年、中国国内で約500のEVメーカーが政府に登録された。どう見ても、過剰メーカーがひしめいていた。 その結果、価格競争は激化した。不動産バブル崩壊による景気低迷も深刻化した。EVメーカーは100社程度に淘汰されたとみられる。中国EV市場は、多くの企業が血で血を洗うような激しい価格競争を繰り広げる、いわゆる“レッドオーシャン”の状況に陥っている。 「EV一本足打法」が裏目に出たか それに加えて、米国市場でもテスラの成長の勢いは鈍化している。航続距離の短さ、充電インフラの整備の遅れなど、消費者の好みはハイブリッド(HV)やエンジン車に向かい始めた。テスラの新型モデルの供給体制に不安を強める消費者も多い。 今後、中国EVメーカーの追撃はさらに厳しさを増すことだろう。テスラの打開策が本格
トヨタといえばEVシフトへの遅れを指摘されていたが、ハイブリッド車に注力するという決断が効を奏していると、米紙「ニューヨーク・タイムズ」が報じている。 EVに「無気力だった」トヨタ 今日のようなハイテク、ハイリスクな自動車業界では、運勢はすぐに変わってしまうものであり、トヨタ自動車ほどその好例はない。 少し前まで、トヨタは電気自動車の分野で危険なほど遅れをとっているように見えた。電気自動車のパイオニアであるテスラは急成長を遂げ、世界で最も価値のある自動車メーカーとなった。テスラの成功を見て、ゼネラル・モーターズやフォード・モーターといった他社は、多くの消費者がバッテリー駆動の自動車やトラックに乗り換える準備が整っていると判断し、遅れを取り戻すために数百億ドルを投資し始めた。 しかし、トヨタはもっと慎重だった──あるいは無気力だった、と批判する向きもある。トヨタは、これまで米国でわずか2車種
ゴールドマンにもの申す! 人呼んで、「七人の侍」。2月下旬にゴールドマン・サックス証券のアナリストたちが発表したタイムリーなレポートが東京で話題となっている。 それはアメリカの株式市場を支配する7銘柄を示す「マグニフィセント・セブン」(映画『荒野の七人』の原題)の日本版ともいうべき、日本国内の有力銘柄を示すものだった。 ゴールドマン・サックスが一流銘柄をふるいにかけた結果、残ったのは以下である。 トヨタ自動車、スバル、三菱商事。これに加え、SCREENホールディングス、アドバンテスト、ディスコ、東京エレクトロンの4つの半導体企業である。 個人的には半信半疑の内容だ。スバル? ホントに? 本家「マグニフィセント・セブン」は、ただ有力銘柄をまとめただけの用語ではない。バンク・オブ・アメリカのアナリスト、マイケル・ハートネット発案のこの用語が人に知れ渡ったのは、これらの銘柄の成績が良いというだけ
最近、欧州や北米でハイブリッド車(HEV)の人気が再燃しているという報道が増えている。トヨタ自動車が2月5日に発表した決算は、それを裏付ける結果になった。 2024年3月期第3四半期決算(2023年4-12月)の営業利益は、4兆2400億円と前年同期より2兆1400億円のプラス。コロナ禍以降の資材高騰といった悪条件もありながら絶好調だった。そしてHEVの販売台数は、前年同期に比べ37.9%も増えた。 カーボンニュートラルの本命と目されたBEV(バッテリー電気自動車)に力を入れるメーカーが多い中、HEVやPHEVにも注力するトヨタはここ数年、「いつまでハイブリッドを作り続けるんだ」などといわれることが多かった。 しかし、この9カ月間のトヨタ/レクサスが世界で販売した790万8000台(2023年4-12月の9カ月間)のうち、HEVは264万6000台を占めている。構成比は33%と、前年同期の
米国で電気自動車(EV)の売り上げの伸びが鈍化しはじめる一方、ハイブリッド車の人気が再燃していると、米紙「ニューヨーク・タイムズ」が報じている。 2023年、米国におけるEVの販売台数は過去最多の120万台を記録。増加率は46%、市場シェアは約7.6%に達した。対するハイブリッド車の販売台数は120万台を上回り、増加率は65%、市場シェアは5.5%から8%に上昇したという。 「多くの米国人は電動化を大いに歓迎しているが、完全な電気自動車を手に入れる準備はできていない」と同紙は分析している。
クーリエ・ジャポンのプレミアム会員になると、「ウォール・ストリート・ジャーナル」のサイトの記事(日・英・中 3言語)もすべてご覧いただけます。詳しくはこちら。 世界首位の販売台数を誇るトヨタ自動車は2021年に社内でITスタートアップを立ち上げた際、販売規模と同じくらい大きな夢を描いていた。米国人の技術専門家を経営トップに起用し、業界の標準となるような車載ソフトウエアを実用化するビジョンを掲げていた。 壮大な野望を抱いたこの子会社のプロジェクトの一つは、富士山の麓に新都市を建設し、自動運転車やロボット、水素エネルギーの実証実験を行うことだった。 当時の豊田章男社長は、自動車が電動化され、インターネットにつながり、自律走行し、ソフトウエアへの依存が大きくなる「100年に1度の大変革期」をトヨタが乗り切るために、新部門が役立つだろうと述べた。 トヨタのルーツが1920年代に設立された自動織機メ
トヨタ自動車は次世代バッテリー「全固体電池」を早ければ2027年に実用化すると発表し、世界を驚かせた。この技術が実用化されれば、EVだけでなく、交通システム全体を大きく変える可能性があるという。英紙「フィナンシャル・タイムズ」が、全固体電池の持つ可能性について探った。 「ポータブル家電革命」を起こしたリチウムイオン電池 リチウムイオン電池を数十年も研究してきたソニーは1990年代、ポータブル家電に革命を起こした。小型で軽量のビデオカメラや携帯電話などの製品を生み出し、何十億人もの人々の生活を変えた。 電池はいま、世界の輸送システムを刷新し、化石燃料への依存を断つ上での中核となっている。リチウムイオン電池の製造コストは大きく下がり、電気自動車(EV)の販売は近年、飛躍的に伸びた。しかし、その技術の骨子は実用化以来ほとんど変わっていない。 しかし、30年にわたって徐々に開発が進められた結果、そ
Text by David Keohane, Kana Inagaki and Peter Campbell 中国や欧米で普及が進む電気自動車(EV)での出遅れを指摘されるトヨタ。同社による全固体電池の開発におけるブレークスルーがいま注目を集めている。しかし、遅れを取り戻そうとするトヨタには、生産現場での変革も求められている。 競争力を失う「ジャスト・イン・タイム」 EVの新時代になり、年間販売台数が世界最大の自動車メーカーであるトヨタはテスラに追いつこうとしている。そのための戦いは、自動車製造ビジネスの最も古い部分である組立ラインで起きている。 トヨタは全固体電池の技術的ブレークスルーを達成したと主張し、米国のEV用バッテリー事業へ80億ドル(約1兆2000億円)を追加投資した。米国のEV市場でのこの賭けは、テスラに対抗する能力があると投資家に示すためのものだろう。 しかし、トヨタは製造
「30秒で自己紹介」うまくできますか? トヨタの「紙1枚」文化を味わうなかで、また1人の社員としてその本質を体現するなかで、私は「伝える前に、資料作成=思考整理を行う習慣」を身につけていきました。 資料作成は、あくまでも手段に過ぎません。目的は、「思考整理」にあります。 思考整理さえできれば、資料作成を伴うコミュニケーション「以外」でも、あらゆる場面に応用可能な道が拓けてくる。そうすれば、「できるだけ話さないですませたい」という本音を抑え込み、日々無理や背伸びをして等身大ではない自分で頑張っている人たちの役に立てるのではないか。 そのような願いから、トヨタの「紙1枚」文化をできるだけ手軽に、誰でも短時間で実践できるようにフレームワーク化したのが、「1枚」フレームワークという手法です。 これまでに55万人以上の読者の方に学んでもらった技術であり、実際にあらゆる年代の人が、様々な題材でこの方法
米アリゾナ州在住のレイチェル・キューリンは、トヨタの熱烈なファンだった。 信頼性が高く燃費のいい同社のハイブリッド車は、米国で何百万人もの人々に高く評価されており、キュリーンもそのひとりだった。 だが彼女は最近、愛車だったトヨタのプリウスを米ゼネラル・モーターズ(GM)の電気自動車(EV)シボレーボルトに買い替えた。トヨタのEVの販売があまりにも遅れているからだ。 「トヨタファンはどの車を選べばいいのでしょう? 本当に残念です」とキューリンは言う。 米中で失速するトヨタ トヨタはかつて、環境問題に関心を寄せるドライバーに最も人気の高いブランドだった。しかしながらいまは、消費者の嗜好の変化や、化石燃料の使用を大幅に削減しようとする各国政府の要求に応えられずにいる。 トヨタと日本の自動車業界は、80年代にグローバルな市場を席巻して以来、最大の経営課題に直面している。彼らがこれからも自動車業界の
クーリエ・ジャポンのプレミアム会員になると、「ウォール・ストリート・ジャーナル」のサイトの記事(日・英・中 3言語)もご覧いただけます。詳しくはこちら。 米電気自動車(EV)メーカーのテスラのことが好きな人も嫌いな人も、同社の評価が自動車製造とはあまり関係がないという点では意見が一致するかもしれない。 EVの先駆者であるテスラの価値は、株式市場で最も関心が高い問いの一つだ。1日当たりの売買高が他の米国株を上回る日が多いことからもそれが分かる。価格を巡って意見が分かれることが売買の大きな要素となっている。 データ会社バンダ・リサーチによると、年初来の取引日のうち92%で、個人投資家の資金が最も多く集まった米国株はテスラだった。一方で、別のデータ会社S3パートナーズのデータによると、テスラは空売り残高が現在約210億ドル(約3兆1400億円)と、こちらも米国株でトップだ。
トヨタ自動車は、システムの不具合を受けて、グループ会社を含む国内14のすべての工場で稼働を停止する事態となりました。仮の復旧作業を進めて30日朝からはこのうち12の工場で稼働を再開させるとしています。 トヨタ自動車によりますと、システムの不具合が発生し部品の発注の処理ができなくなったことから、グループ会社を含む国内の14のすべての工場で稼働を停止させる事態となりました。 会社は、原因は調査中としていますが、仮の復旧作業を進めて30日朝からはこのうち12の工場で稼働を再開させるとしています。 一方、福岡県と京都府にある2つの工場は、30日夕方から夜にかけて稼働を再開する見通しです。 トヨタでは、取引先がサイバー攻撃を受けた影響で、去年3月、一時、国内すべての工場の稼働を停止する事態となりました。 会社は、今回のシステムの不具合は今の段階ではサイバー攻撃ではないとみられるとしていて、原因の調査
トヨタ自動車が、次世代電池の本命とされる「全固体電池」について、早ければ2027年にEV(電気自動車)での実用化を目指す方針を発表した。投入する全固体電池を搭載したEVは10分以下の充電で約1200キロメートルを走行。トヨタはEVの分野で遅れをとっていたが、実用化すればEV市場の勢力図を変える可能性があると英紙は指摘する。 全固体電池はゲームチェンジャーとなるのか 2023年7月初旬、トヨタ株は順調に上場来高値を更新し続け、年初来から約30%の値上がりを記録した。データによれば、アナリスト17人の「買い」推奨という追い風も吹いている。 これは100年近い歴史を持つ巨大企業トヨタにとって、想定外の事態かもしれない。同社は2022年の純バッテリー電気自動車の販売台数がテスラのわずか1.8%にとどまり、2023年の第1四半期には、万能の世界的ベストセラー「カローラ」の販売台数がイーロン・マスクの
米国の経済専門チャンネルCNBCが毎年選出する、注目すべき未上場の新興企業を集めた「破壊的企業50(Disruptor 50)」。業界の常識を塗り替える“破壊者”として取り上げられた企業は、どんなビジネスを手掛けているのか。この連載では選出された企業の事業内容や革新的な点を紹介していく。 自動運転開発ポニー・エーアイ 10位はトヨタ自動車が出資する自動運転ソフトウェア開発ポニー・エーアイがランクインした。 CNBCによると、2030年までに自動運転車は、世界の路上に6240万台が走行すると予想されている。ポニー・エーアイは2016年に中国検索大手バイドゥの自動運転部門の設計担当者だったジェームス・ペンとその同僚のティアンチェン・ルーによって創業。のちに、2020年にトヨタ自動車から4億ドル(約520億円)の出資を受けた。 ポニー・エーアイのホームページによると、2017年にはカリフォルニア
リリース、障害情報などのサービスのお知らせ
最新の人気エントリーの配信
処理を実行中です
j次のブックマーク
k前のブックマーク
lあとで読む
eコメント一覧を開く
oページを開く