【北京・坂本信博】深刻な少子化が続く中、中国政府は河北省や四川省、内モンゴル自治区、上海市などの計32地区を「婚姻風習改革実験区」に指定した。高額な結納品や派手な披露宴といった結婚時の慣習を是正し、若者の婚姻率低下に歯止めをかける狙い。2024年までの3年間で、挙式を簡素化する「地味婚」の推進をはじめ、さまざまな施策に取り組む。 中国では、婚約する際に主に男性側がマンションや自動車などの贈答品や「彩礼(ツァイリー)」と呼ばれる結納金を用意し、相手側に「敬意」を示すことが慣習化。相場は地域で異なるが、中国メディアによると経済成長に伴って高額化し、農村でも日本円で1800万円ほどかかる地域があるという。 中国の婚姻率は14年から7年連続で低下しており、独身の成人は2億6千万人超。民政省は「婚姻の不適切な風潮を抑止し、中国の優れた結婚・家庭文化を継承、発展させる」として、それらの慣習の是正や、若