五つ星級の面白さ 二段組・上下巻六百八十ページ余、重量約九五〇グラム、重ねた厚さは六センチ。あのモダンホラーの金字塔『シャイニング』の三十六年ぶりの続編――ではありますが、本書だけでも充分に読み出したら止まらない五つ星級の面白さ。『シャイニング』未読でも、あまり気にする必要はありません。 とはいえ、訳者の白石朗さんは、あとがきで、『シャイニング』から先にと勧めておられますし、もちろんそれがまっとうなのですが、敢(あ)えて逆をゆく手もあります。まず本書を読んで、「かがやき」という特殊能力(ほぼオールラウンドなサイキック能力)の持ち主の孤独な青年ダニー・トランスが、やはり強力な「かがやき」を持つ少女アブラと出会い、やがて力を合わせて「真結族」なる忌まわしい集団と闘うことになる顛末(てんまつ)を堪能する。それからおもむろに『シャイニング』のページを繰り、ダニーが幼かったころ、コロラド山中で彼と彼