【クアラルンプール=中野貴司】マレーシア王室は29日、アブドラ国王がムヒディン元副首相を次期首相に任命したと発表した。ムヒディン氏は巨額汚職問題をきっかけに2018年の選挙で敗北した旧勢力を軸とする野党連合などの支持を得て、マハティール前首相との首相の座を巡る争いを制した。1957年の独立以来、初の政権交代を実現したマレーシアの民主主義は再び後退に向かう懸念がある。18年5月の総選挙で政権交代
2月5日の春節を目前に、中国政府がこう歌った友好国ソングを公表した。 その友好相手国とはマレーシア。 この歌は、今年が両国の国交45周年記念にあたり、中国政府が永遠の友好関係を切望して作ったという。 言い換えれば、こんな陳腐なラブソングを作らざる得ないほど、両国関係において中国は切羽詰まった状況に置かれているといえるだろう。 5年前の5月31日、中国・北京の天安門広場に面した人民大会堂では、「マレーシア・中国国交樹立40周年記念式典」が行われた。両国を代表して、マレーシアは親中のナジブ首相(当時)、中国は李克強首相が出席、両国は蜜月だった。 それを象徴するかのように、式典にはマレーシア華人商工会などの経済団体代表約300人の大経済ミッションがナジブ首相に随行。 さらに、生ドリアン輸入は禁止されているが、ナジブ首相からの大量のドリアン土産を中国政府はあっさりと「特例許可」、ドリアン外交が炸裂
【ニューヨーク=橋本潤也】マレーシアのマハティール首相(93)は28日、ニューヨークで、2003年以来15年ぶりに国連総会の演説に臨んだ。「15年前から世界は良い方向に変わっていない」と述べ、米中貿易摩擦やテロを例に挙げ、世界の現状に懸念を示した。 03年まで約22年にわたり首相を務めたマハティール氏は、「ナショナリズムやポピュリズム、国際協調からの離脱が世界で広がっている」と指摘。「70年前に勝利した5か国が要求を押しつける権利はもうない」とも語り、米英仏露中が拒否権を持つ安全保障理事会の改革も訴えた。 演説後の記者会見でマハティール氏は「アジアで台頭した中国や日本、韓国は今、互いに協力できていない」と苦言を呈した。かくしゃくとした口ぶりに、記者団から「健康の秘密は」と問われると、「秘密はない。たばこや酒をやらず、食べ過ぎに気をつけ、運動をし、睡眠を十分取っているだけだ」と言って笑った。
[フォレストシティー/クアラルンプール(マレーシア) 27日 ロイター] - マレーシアのマハティール首相は27日、外国人には、マレー半島南端で進行中の巨大都市開発プロジェクト「フォレストシティー」に住むためのビザは発給しないと宣言した。 8月27日、マレーシアのマハティール首相は、外国人には、マレー半島南端で進行中の巨大都市開発プロジェクト「フォレストシティー」に住むためのビザは発給しないと宣言した。20日、マレーシアのフォレストシティーで建設中の高層マンションなろ(2018年 ロイター/Fathin Ungku) 同首相が、シンガポールに近い埋立地に人口70万人の新しい街を築くという、中国の不動産デベロッパー大手、碧桂園控股(カントリー・ガーデン・ホールディングス)2007.HKの計画に横やりを入れたのはこれが初めてではない。だが今回は、大きな影響が出そうだ。碧桂園は、マンション販売で
中国の大富豪、王健林氏が率いるワンダグループなどが手掛ける巨大リゾート開発計画の展示ギャラリー。「ココナッツの木」より高い建物がないランカウイ島で、40階建ての超高級高層マンションなどを建設予定。営業スタッフは、「台湾人」だという(マレーシア・ランカウイ島。筆者撮影) 8月中旬(17日前後で最終調整)(下線部は8月1日午後修正)に予定されているマハティール首相と習近平国家主席の首脳会談を前に、中止された東海岸鉄道(ECRL)など、習国家主席が提唱する経済構想「一帯一路」の中国主導大型プロジェクトなどに関して会談される見通しだ。 マレーシアには、中国の一帯一路関連プロジェクトが東南アジア地域で断トツに多い。親中のナジブ前政権の外交政策を色濃く反映しており、一帯一路関連のプロジェクトがマレーシアの至る所で進んでいる。 「中国一の大富豪」といわれた資産家、王健林氏が創業した中国不動産大手、大連万
マレーシアのナジブ前首相(以下、ナジブ氏)が3日、政府系投資会社「1MDB」に関連した公金不正流用疑惑などで、ついに逮捕された。 同事件では、ナジブ氏が首相在任中に同投資会社から約7億ドル(約780億円)を不正に受領していた疑惑だけでなく、家族や関係者を含め約45億ドル(約4900億円)にも上る公的資金を横領したと見られてきた。 4日、裁判所に出頭したナジブ氏は、1MDBの公的資金を不正に受領したなどの背任罪などで起訴されたが、 全面的に無罪を主張。 「マハティール政権による政治的報復で、身の潔白を明らかにする」と来年2月に予定される公判で、徹底抗戦を張ると主張した。 本コラムでは、2015年3月、ナジブ氏の同不正流用疑惑に関して、日本のメディアで初めて報道して以来、同事件の連載を通じ、疑惑の真相追及に迫ってきた。 (http://jbpress.ismedia.jp/articles/-
”新ルックイースト”で新生マレーシアの未来を日本に託すマレーシアのマハティール首相(筆者撮影、マレーシア・ランカウイ島の別邸) アジア人で初の米国野球殿堂入りが確実で、スペシャル・アシスタント・アドバイザー(会長付特別補佐)に就任し、「50歳まで現役」を公言するイチロー。 そのイチローについて、所属のマリナーズのディポト・ゼネラル・マネージャーは「イチローの真摯な職業倫理感、入念な試合に対する準備への姿勢はいろいろな意味でチーム全体の環境を良くする。すべての選手の良き指導者で、大リーグ史上に残る偉大な選手だ」と絶賛する。 今、米大リーグがイチローを通して、高く評価する「日本人の職業倫理感や職場での規律正しさ」を海を越えて、約60年前にいち早く気づき、その後、自国の政策の見本にした指導者がアジアにいる。 マレーシアのマハティール首相だ。与党から野党の指導者に転じ、先月、61年ぶりの政権交代を
クアラルンプールの高級ショッピングモールに特設された「Japan's Shinkansen」(日本の新幹線)の展示場。日本の技術と安全性は、マレーシアでも断トツの人気だ(筆者撮影) マレーシアのマハティール首相は5月28日、マレーシア-シンガポール間の高速鉄道計画(HSR)の中止を電撃的に表明した。 寝耳に水だったシンガポール政府に筆者が29日午前中確認すると「いまだ、マレーシア政府から中止に関する正式な通達は来ていない」とした上、「HSRは両国間の合意に基づき、2国間の相互利益と責務が課されていた」と“マハティール・ショック”に驚きを隠せない様子だ。 同計画は、中国の習近平国家主席が推し進める経済構想「一帯一路」の中核事業。日中がこれまで激しい受注合戦を広げてきた。 これを受け、石井啓一国土交通相は29日、「マレーシア、シンガポール2国間の協議(違約金5億リンギ=約140億円を巡る)の状
マレーシアの”陰の首相、” カリスマ的指導者のアンワル元副首相。政権交代から2週間、不眠不休の毎日。内外からの訪問者やメディアの取材攻勢の上、ラマダン中(断食中)で、「いつもの精悍さに欠けるかな?」と冗談交じりに、朗らかに話してくれた(筆者撮影) 人は「彼」のことをカリスマ指導者という。母国のマレーシアにとどまらず、その名はアジアに知れ渡る。度重なる投獄を強いられながらも、20年に及ぶマレーシアの民主化運動を引っ張てきた。 その彼とは、アンワル・イブラヒム元副首相(以下、アンワル氏)。今回のマレーシアの61年ぶりの政権交代の裏には、獄中の身だったアンワル氏とかつては政敵だったマハティール新首相との和解による打倒ナジブ政権を図った野党連合による共闘があった。 獄中から自由の身になって、今では、内外から「陰の首相」の期待を背負うアンワル氏は国王の恩赦により約3年ぶりの釈放後、日本のメディアとし
”マハティールの反乱”で、中国の一帯一路に物申す、マハティール新首相(マレーシア・ランカウイ島、筆者撮影) 61年ぶりに政権交代を果たしたマレーシアの新政府誕生で、中国の習近平国家主席が進める現代版シルクロード経済圏構想「一帯一路」の実現が阻まれそうだ。 「中国主導の東海岸鉄道計画(ECRL)は非常にリスクが高く、しかも、理にかなっていない。マレーシアにとって全く有益ではない」 「同計画を進めれば、新たな1MDB(ナジブ前首相設立の巨額負債を抱えた政府系投資会社)を生む結果になるだろう」 国連などの国際機関で高い評価を受けるマレーシア人の経済学者、ジョモ・スンダラム教授が、一帯一路の最重要プロジェクトの1つとされるECRLについて、このような評価を下していることが、筆者の取材で明らかになった。 同氏は、新政府に経済政策などで指針を仰ぐため、マハティール新首相が発足させた国際的に著名なマレー
初の閣僚会議後、記者会見するマハティール新首相。”マレーシア・ファースト”の外交経済ビジョンの行く末は、寄り合い所帯の野党連合の結束にかかっている(12日、クアラルンプール近郊。筆者撮影) 61年ぶりに政権交代を果たしたマレーシアのマハティール新首相は12日、クアラルンプール郊外で記者会見を開き、筆者の次のような質問に対して、そう答えた。 「マレーシアには中国の一帯一路の下、約40の関連プロジェクトがある。特に、東海岸鉄道計画(ECRL)やマレーシア-シンガポール間の高速鉄道計画(HRL)に代表されるような大規模プロジェクトなどを押し進めますか。マレーシアにとって有益でしょうか」 それに対してマハティール新首相は、「世界のあらゆる国と同等で、フレンドリーな外交関係を構築したい。特定の国を利することはないだろう」とバランス感覚のある外交を展開すると前置きした上で、 「外資による事業全般の調査
92歳で首相返り咲き=東方政策で経済発展-マハティール氏 10日、マレーシア・ペタリンジャヤで、総選挙で勝利し記者会見に臨んだマハティール氏(EPA=時事) 【クアラルンプール時事】10日に第7代首相に就任したマハティール氏(92)は、1981~2003年の22年間にわたり、第4代首相を務めた。この間、日本などに学ぶルックイースト(東方)政策を掲げ、経済発展を推進。ゴムやスズといった典型的な天然資源輸出国から工業国へ脱皮を図った。 外交政策では、米英のイラク攻撃を「ひきょう者の帝国主義者」などと非難。歯に衣(きぬ)着せぬ発言で、「欧米型の価値観や秩序の押し付け」に異議を唱えた。 汚職疑惑が発覚した第6代首相のナジブ氏に反発し、今回は野党から出馬。98年に自ら解任したアンワル元副首相と共闘する皮肉な状況も受け入れてナジブ政権打倒にまい進し、首相に返り咲いた。AFP通信によると、世界最高齢の指
日本の海上保安庁とマレーシアの海上警備当局による合同訓練が、南シナ海で行われ、去年、日本政府がマレーシアに無償で供与した巡視船も参加し、連携を確認しました。 訓練は、貨物船が海賊に襲われたという想定ではじまり、双方の巡視船が、貨物船に対して汽笛をならすなどして停船を命じました。このあと、マレーシアの特殊部隊の隊員たちが、人質となった乗組員を救出するためヘリコプターから船に降下し、海賊を拘束するまでの手順を確認しました。 訓練に参加した函館海上保安部の巡視船「つがる」の山本裕二船長は「この海域は、日本の商船にとっても重要な航路で、マレーシア当局と連携を強めて安全を確保していきたい」と話していました。 海上保安庁は去年10月、外国の海上警備当局の人材育成などを支援する専門部署を設け、東南アジア諸国を重点に支援を進めていて、各国との連携を強化することで、日本にも関係が深いシーレーンの安全確保に力
北朝鮮のキム・ジョンナム(金正男)氏がマレーシアで殺害された事件をめぐって、北朝鮮との外交関係の見直しを進めるマレーシア政府は、北朝鮮国籍の労働者およそ300人が国内に不法に滞在していたとして国外退去にする処分を発表し、法律に基づき北朝鮮に対して厳しい対応を取っていく姿勢を示しました。 こうした中でマレーシアの入管当局は、国内に滞在する北朝鮮国籍の人たちの実態について調査した結果、東部ボルネオ島のサラワク州に滞在する労働者296人が、観光ビザで入国するなど不法に滞在していたとして、国外退去の処分にすると発表しました。 マレーシア政府は、国内にある北朝鮮関連の企業についても取締りを徹底する方針を明らかにしていて、キム・ジョンナム氏の殺害事件をめぐる両国政府の交渉で、捜査対象者の出国を認めるなどマレーシア側が北朝鮮側に譲歩したとの受け止めが広がる中、法律に基づいて北朝鮮に対して厳しい対応を取っ
北朝鮮のキム・ジョンウン(金正恩)朝鮮労働党委員長の兄、キム・ジョンナム(金正男)氏が殺害された事件で、化学兵器にも指定されている猛毒のVXが使われたことは、現地マレーシアで衝撃をもって受け止められており、今後、政府に北朝鮮との関係の見直しを求める声が強まりそうです。 加えて24日に、ジョンナム氏の殺害に猛毒のVXが使われたことが明らかになり、25日の現地の新聞は、VXが化学兵器に指定されていることなどを含め、いずれも大きく伝えていて、衝撃をもって受け止められています。 マレーシア国営のベルナマ通信は24日、ザヒド副首相が北朝鮮との外交関係を見直すべきかどうか検討するため、外務省に対し、政府が取り得る選択肢と、その影響をまとめるよう指示したと伝えています。 化学兵器にも指定されている猛毒の使用が明らかになったことで、今後、北朝鮮との関係の見直しを求める声が強まりそうです。 キム・ジョンナム
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